ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間 非合法ロリ・マリーちゃんの日常


2020年後半の根室地震前、11月も後半になった神代日本世界地球にある浮遊大陸アトランティスの他国からの移住者向けの教育を行う学校の朝の朝礼。


「世界から来ましたゴーストウィニング号です。よろしくです。」

「転校生のゴーストウィニング号さんです。皆さん仲良くしてくださいね。」


教師からの紹介を受ける転校生。
黒板兼ゼルモニターの深々と頭を下げるその頭では長い二本の耳が臀部には馬の尻尾が揺れる。
それを見ながらクラス委員長と生徒会長兼務する(生徒数自体少ないので)マリーは天井を仰ぐ…また濃いのが来た。


「出身世界どんな世界なの?」

「貴女の種族見たのお初…。」


教師の判断で交流の時間となった一限目、クラスの半分がゴースト号の座る席にに群がる間もその生徒は( ゚д゚)という人畜無害というかちょっと何考えてるのか分からない顔していた。
とは言ってもクラスの人数は両手両足の指で足りるくらいだが。
それを見ながらマリーは溜息を吐く。


「人造の女神、聖女と王妃のマスターに続き今度はウマ娘ですか…。」


前前世のサン・シールより付き合いがあり転移組の一人で、生徒会長補佐をしているオリアーヌは呟く。
その言葉にマリーは視線をゴースト号の周囲のダブル藤丸立香とゲート世界で保護されたという人造艦娘の少女に向ける。
我らが指揮官から肉体年齢と文化的ギャップ考えて学校へ行きなさいという命を受けて登校初めてはや一月。
このクラスでも特にアレな三人と出会った当初は驚愕の連続であった。

藤丸立香らの方は心の故郷たる某連邦共和国でマリーもしていた某ソーシャルなゲームな世界の住人しかも主人公である。
何故我らが指揮官がその世界にいらっしゃらなかったのかは大きな疑問であったが。
人造艦娘の方は誕生経緯の非人道的な扱いを聞きマリーは(精神的な)大人として人間として、そして国は違えど沈んだ女神の艦体を辱めたことは国家は違えど彼女らを敬愛する者として腸が煮えくり返った。
漏れ聞く話によればフランス艦のものこそ使われてはいないが祖国の為にその身を呈した日本の艦船、特に駆逐艦のものが使われていたらしい。
犯人がここにいれば即座に額にマリーの手で風穴を開けていたことであろう。
いや自ら死ぬのを望むほどの後悔をさせられたかもしれない。

学内のバランスを考え副会長はぐだ子こと女性の藤丸立香が務めている。
男の方はなんというかポケポケ…もとい謎丸っぽいのである。
しかもこの二人、母やら妻やら恋人やらを名乗る不審者が複数いる。
内、複数がマリーから見れば元の世界の敵ではあるがよく知る勢力の本丸たるブリテン島本土の民族叙事詩の神話の人物…しかもその神話が異聞帯として存在していることに驚いた。
しかも妖精の女王が二人いて片方が妻を名乗り、片方が母をやっているという…。
逆に立香ら、というか妖精國メンバー含むカルデアの者らは何で汎人類史に異聞帯が伝承として残ってるの!?というか汎人類史に妖精國あったの!?と絶叫していたが。

425 名前:635[sage] 投稿日:2025/01/30(木) 07:23:09 ID:119-171-249-49.rev.home.ne.jp [16/18]

一限目は交流に当てられ二限目は体育の実技である。
体育と言えどもこの学校は移住時の文化的齟齬を無くすことが目的な為にカリキュラムはかなり柔軟になっており希望によっては内容を変更可能でその範囲は体育といえどもそれなりに広い。
そして現在この学校には軍人志望が過半数を占め、実戦に出たりするマスターとかいらっしゃる訳でゴースト号は体育の元々の目的という洗礼を受けていた。


ゴースト号 ゚д゚);y=<目標をセンターに入れスイッチ!


ターンという乾いた音の一瞬後にゴースト号の50メートルは先にある人型の的に穴が開き、ゴースト号の持つ拳銃の銃口から硝煙の煙が立ち上る。
授業では軍事教練も選べたりするので週に何日かは射撃も出来たりする。
武器を実戦で使えないおウマさんが銃?と疑問に駆られるかもしれないが使う側を知るというのは防御側に回った際に攻撃側の思考も理解出来るので有用だったりする。
敵を知り己を知ればなんとやら、だ。


「ゴースト号凄いじゃない!」


そうクラスメイトに声を掛けられるゴースト号であったが隣に比べればまだまだまと謙遜する。
その言葉に隣を見つつ遠い目をするクラスメイト。
隣では我らがカイチョーであるマリーが射撃訓練している。
それも速射なのは良いがボルトアクションで半自動小銃並以上の速射しつつ訓練受けた兵士並の命中精度出し、
今は拳銃で同じ所に続けて着弾させるとかこの世界の住人であり銃の扱い知る筈のクラスメイトから見ても意味不明なことをやっている。
その向こうのマリーの側近等も同様なことをこなしているがマリーはことなく不満げである。
クラスメイトとゴースト号はヒソヒソと話し合う。


「ヒソヒソ(拳銃で同時箇所多段着弾とかこの世界の人って凄いんですね)。」

「ヒソヒソ(あの人達かなり特殊なケースだから…)」


マリー ー"ー )<やはり…まだ命中精度が現役時代どころか現職の時より落ちてるわね…鈍ってる…後、肩が痛いわ…

オリアーヌ ;´∀`)<そりゃあ、あの世界で訓練済みの身体の今の私達は兎も角、マリー様の現在のお体は訓練始めたばかりの日本の女学生のものですし




その日の午後、学校が終わるとマリーはクラスメイト…というか全校生徒率いてこの浮遊大陸を管理する都市アトランティスの繁華街へと繰り出す。
無論全員小銃は肩に掛けている、そしてマリーが足を用意した。
全員が乗れるマリーの通学の足だ…というか一部は車体の上に乗っかっているが。


「『下校中なう』…送信っと。」

「ゴースト号、自撮りしてどうしたの?」

「あ、ぐだ子。お昼に撮ったクラス写真や授業の時のと一緒に元の世界の家族と友人に現状報告をば。」

「『戦車』に乗って通学とか他の世界じゃ中々ないしね。でもなんで皆俺等のこと名前じゃなくてぐだ子とぐだ男って呼ぶんだろ?
同じ名前だから区別する意味でいいけどさ…。」


そう…戦車。ゴースト号達は戦車にの砲塔後部の人が乗れるようにしたバスケットに乗っている。
この戦車、マリーは自家用という表記のある戦車を正式なナンバーを取得してアトランティス中を乗り回しているものだ。
そしてそれとは別に学校には備品としてクルセイダーやら何やら学習用戦車もあったりするのだがそれはまた別の話。
そしてこの戦車、貯めたマリーが自身の小遣い(ハイクァーン造成権)で主砲口径からサスペンションまで細かく注文付けて造成したマリー拘りの一両である。
ちなみに主砲は普段は封印がされている。

街へ繰り出したマリーら、行きつけとなった喫茶店でコーヒー飲みつつ談笑している。
この街には日本で学生御用達のお米の国発祥のファーストフードチェーンも存在するがマリーらが微妙な表情になるのでもっぱら喫茶店で屯している。

ゴースト号は初めて出来た対等の友達相手に普通の学生の様にワチャワチャと騒いでいる。
それを優しい目で見つめるマリー達元某連邦共和国組、それとなく保護者?の一人である電からリシュリュー経由でそれとなく聞いたゴースト号の出自を知ればそうもなろう。
そしてゴースト号らの話の話題はそのマリーへと移っていく。

426 名前:635[sage] 投稿日:2025/01/30(木) 07:24:35 ID:119-171-249-49.rev.home.ne.jp [17/18]


「なんというかさマリーって学生の雰囲気じゃないよね。」

「うんうん、ゴースト号分かる分かる。とっても穏やかな空気なんだよね」

「大人というか…主さんのおばあちゃん思い出す…。」


おばあちゃん、おばあちゃん、おばあちゃん、おばちゃんすっ飛ばしておばあちゃん…その言葉がマリーに突き刺さる。
その言葉にマリーはテーブルの上に突っ伏す。
そら現世と前世と前々世の年齢足したらゴースト号くらいの年齢の孫どころか曾孫通り越、
玄孫以降いるくらいの年齢であるが精神は肉体年齢に引っ張られるもの。
心は花の十代、肉体的にはピチピチギャル(死語)である。
その衝撃度と言ったら計り知れない、ゴースト号の悪意なき言葉の剣はマリーに絶大なダメージを与えていた。


マリー側近 ;・∀・)<マ、マリー様!?大丈夫ですか!?ゴースト号は自分の感想言っただけで悪意はありませんわ!?

マリー °口°)・∵ぐはあ!?(ダメージ)

マリー側近 ; ・`д・´)<そ、そうです肉体はピチピチ!マリー様の合計年齢がFFRの平均寿命を大幅に超過しているだけではないですか!?

マリー °口°)・∵がはあ!!?(大ダメージ)



ぐだ子 ;`・ω・´)<寧ろあの子らマリーに留め刺してない?

ぐだ男 ´・ω・`)<まあ悪意ない言葉が傷付けるとかよくあること

ゴースト号 ゚д゚)?

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最終更新:2025年01月30日 18:59