454:earth:2024/05/01(水) 00:09:52 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
「弊社は悪の秘密結社です」 5話
宇宙空間で幻獣軍が繰り出したのは中型幻獣のミノタウロス、スキュラ、どこで拾ったのか不明のジオン系の艦艇に寄生した大型幻獣群だった。
UC地球連邦・CE地球連合系を主軸とした宇宙艦隊は、ECMを展開しつつ、艦砲射撃を浴びせる準備を進める。
この光景は月面基地司令部の大画面にも映し出されていた。
「これがこの世界初の宇宙空間での大規模戦闘か」
幻獣側最大の優位性は物量であった。
しかしこの戦場では幻獣(特に大型)の数は宇宙艦隊とほぼ互角。
このため、司令部の面々は勝つ自信はあったが、絶対はないと思っていることから固唾を呑んで見守っていた。
「目標、敵大型幻獣群、撃ち方はじめ!」
司令官(ドロイド)の号令を受け、カイラム級戦艦もとい三笠級重巡洋艦『三笠』を旗艦とした三笠級2隻、北上級軽巡洋艦(クラップ級)6隻の8隻からなる艦隊
から放たれたビームの雨は正面に布陣していた大型幻獣たちを打ち抜いた。
「ムサイゾンビ3、エンドラゾンビ1隻撃破」
「敵は中型幻獣を多数射出しています」
「大型幻獣群の反撃が来ます」
オペレーター達の報告を受けた司令官だったが、方針に変更はない。
大型幻獣を圧倒的火力で中の中型幻獣諸共潰していき、残りは手持ちのMSとMAで掃除するのだ。
加えてビームシールドなどの防御兵装も充実しているため、大型幻獣の攻撃であっても、容易に通らない。実際に彼らの砲撃は多くは防ぐことが出来ており、
艦隊の消耗は軽微だった。
「(シミュレーションの)ザンスカールのほうが手強いぞ?」
そんな言葉が司令官から漏れる
高度なレーダー、強力な主砲とそれを支える高精度の射撃システムの合わせ技は、ミノフスキー粒子やNJのような妨害装置のない戦場において
大艦巨砲主義こそが正義なのだということを嫌というほど見せつけた。
現行の地球人類では到底なしえない出力のビームを、信じがたい程の連射速度で幻獣達に浴びせていく。
更に接近を試みる中型幻獣群については、精密誘導兵器(核弾頭含む)を多数浴びせ、生き残りはMS隊(ウィンダム)で掃討していく。
戦力が低下したことを自覚した幻獣は逃げようとしたが、天御門側に黙って見逃す義理はなく、容赦の無い掃討戦に移行。
最終的には自軍艦隊の損失0の大勝利という形で決着した。
455:earth:2024/05/01(水) 00:10:41 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
この結果にブラックは安堵する。
「数が互角なら、質の優位も合わさって圧勝できる、か」
「ブラック、もしも何倍もの戦力をぶつけられ、こちらの対応力を飽和させられたら艦隊も無事では済まないぞ。あの戦いの中、直援部隊にまで出番があったことを
忘れるべきではない」
こちらで対応できないレベル、仮に数千万という大軍で幻獣が押し寄せれば、艦艇にとりつかれて大きな被害が出ることは免れない。
「ふむ・・・・・・それに進化しないという確証もないか。ミノフスキー粒子散布を連中が覚えたら厄介だな」
ブラックは溜息を吐く。
「しかしジオン系列の艦艇、奴らはどこで手に入れた? 我々は建造していない」
「或いは別の宙域にジオンの艦艇が流れ着いたか。UC世界にはあの手の残骸がいくらでも浮いているからな」
「・・・・・・広範囲の探索が必要だな。全く手が足らん」
天御門上層部(駒井
シリーズ)は戦力不足と判断し、更なる軍備増強に舵を切る。
しかしこの一方的と言って良い戦闘を観測していた人類側の反応は違っていた。
「天御門、恐るべし」
核ミサイルが多数使われていたことも相成って、彼らの中での天御門の脅威度は急上昇した。
同時に悪化し続ける地上の戦局への焦りとあわさり、天御門へのアプローチにより力が入れられるようになっていく。
456:earth:2024/05/01(水) 00:12:48 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
電子戦で勝てれば、大艦巨砲主義こそ正義なのだと言わんばかりの結果でした。
ついでに物量差がそんなにない状況なので・・・・・・。
なお互角でもそこそこ苦戦するのが現人類ですけど。
かくして苦境に立つ人類のアプローチ本格化。
最終更新:2025年02月12日 22:22