370 :じんつう:2012/03/22(木) 23:00:12
「神様、私が一体何をしたというのですか。」
神様:「ん?そりゃあ衝号でしょう」って言われるだろうけどそこは置いておこう。
――――――美少女元帥の憂鬱~第3話~――――――
「北米事変が終結したと思ったら今度は異世界につながるゲートですか.....。」
「我々みたいに転生なんてことが起きているのだから異世界へつながるゲートがあってもおかしくはないでしょう。」
「それで、現時点で判明しているゲートの向こう側の情報は?」
嶋田の問いに情報局局長が答える。
「ゲートを監視している海軍の報告によると、ゲートの向こう側にいる船団の司令船と思われる3000t程度の巡視船は”りゅうきゅう”と名乗っています。
またそのほかにも”前部に機関砲1門と放水銃らしきもの、後部にヘリ甲板を装備する舷側排気の1000t程度と思われる巡視船”が一隻と
”前部に機関砲1門と多銃身機関砲1門、後部にヘリ甲板を装備する巡視船”が1隻、計三隻がゲートの向こう側からこちら側を
監視しています。」
「前者ははてるま型、もとぶだ。後者はおじか型のくだかだな。もとぶの竣工は史実だと2009年の3月3日だから、ゲートの向こう側が史実ならばあちらは
2009年以降ということになる。」
前世で海上保安庁にいた南雲が、向こう側の巡視船の特徴から向こう側の世界を史実ならば2009年以降と推測する。
「史実通りならね。だが我々のような存在がいる以上、向こう側が史実世界とは断言できない。」
たしかにこの世界では自分たちのような逆行者がいる以上、現段階で向こうの世界が史実と決めつけることはできない。
「だが、三隻とも第十一管区本部の所属だ。すくなくとも、海上保安庁第十一管区の編制は史実通りとみていいだろう。
それに、はてるま型は尖閣諸島の警備のための拠点機能強化型巡視船として開発されたんだ。それが建造されているということは
中国との尖閣問題が発生しているということでもある。そして、そいつが1000t型として建造されたことはやはり尖閣問題は史実通りに
進行している可能性がある。」
史実では、はてるま型は当初は3000t型として計画されていた。しかし、予算の制約で1000tに縮小された経緯がある。尖閣問題が発生していないなら
はてるま型は建造されないし、尖閣問題が激化、あるいは予算がもっと多いのなら3000t型として建造されているだろう。
「それに、ゲートの監視に海軍ではなく海保が出てきているということは憲法9条が制定されている可能性がある。」
「まあ、決めつけることはできんがな。」
現時点で憂鬱日本が把握しているゲートの向こう側の情報は以下の通り。
- ゲートの向こう側の国家は日本国と名乗っており、海上保安庁を保有している
- 監視している船団の編成は史実の海上保安庁第十一管区本部の編制通り
- 史実通りならば、ゲートの向こう側は2009年以降の可能性が高い。
- ゲートの監視に海軍ではなく海上保安庁が出てきていることから、史実でいう憲法第9条が制定されている可能性がある
「とにかく、現時点で把握している情報だけでは向こうの世界を史実と決めつけることはできない。向こうの日本政府と接触しないことにはどうともいえないな.....。」
「ではあちらに特使でも派遣しますか?」
「そうですね。でも誰を派遣しましょうか....。」
もしゲートの向こう側が史実で、しかも2009年ならば政権をとっているのは民主党である。しかも、首相は巷でも国会でも”ルーピー”などと呼ばれている人物である。
免疫の無い非逆行者を送るのはやめたほうがいいだろう。
「とりあえず、逆行者で免疫のある有能な外交官を派遣するしかないでしょうね。」
「人選は外務省のほうで最適の人材を探しておきましょう。」
「ではお願いします。」
こうしていろいろな不安がありつつも、とりあえずゲートの向こうへ特使を送ることが決定した。
最終更新:2012年03月23日 19:13