822:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:43:18 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
日米枢軸世界一発ネタ IFルート 「黄昏」
「この状況で一体どうしろと……」
2026年、人類の黄金時代は突然終わりを迎えた。
きっかけは何だったか。そんなことはもはやどうでもいい。
「黄昏戦争」、「第二次世界大戦」、「最終戦争」。
呼び方は幾つもあるが、そんなものももはや些細なことだ。
重要なのは、三大勢力の均衡も相互確証破壊による抑止も何もかもが失敗におきたこの戦争は、人類史上初めて国家による核兵器が全面使用された最悪の戦争となったことだ。
核兵器、人類が生み出したもっとも強大でもっとも悍ましいこの兵器は地球上の多くの土地を、都市を、人々を、動植物を焼き、蒸発させ、そして放射能で汚染していった。
放射能による汚染は土地を蝕み人類の生存できない場所へ変えるのみならず、ミュータントと呼ばれるバケモノ達を生み出し、ただでさえ疲弊していた人類をさらに追い詰めた。
こうした事態に世界は大きく変わらざるをえなかった。
それは世界最大最強の超大国として長く国際社会をリードしてきた大日本帝国でも同様であった。
他国を圧倒する科学技術により生み出されたミサイル防衛網により、飛来した大半の核兵器の迎撃に成功した日本であったが、それでも敵国が圧倒的な数を頼りとした飽和攻撃が行われたことで、少なくない数の核兵器が日本本土に飛来、大阪、京都、福岡、その他多くの大都市やその郊外が核の炎で焼かれた。
日本大陸の豊かな土地は、その少なくない箇所が放射能で汚染され、そして日本大陸特有の豊かかつ強大な動物たちが放射能で突然変異し産まれたミュータント達が人々に襲いかかった。
幸い、「黄昏戦争」時であっても人類は最低限の理性を維持していた。
三大勢力は絶滅戦争を避けるためにそれぞれの政治中枢への攻撃は控え、そこに首都及びその郊外であったが故にとくに強大な防空網が構築されていたことも合わさった結果、東京及びその周辺の首都圏7県は「黄昏戦争」を経てもほぼ無傷で、行政機能と軍の指揮系統、そして工業力も維持できていた。
さらに敵国は日本のミサイル防衛を突破するために核を集中運用したため、人口が比較的少なく、それほど重要な攻撃目標もなかった東北や四国、ただでさえ広い北海道、アラスカなどもその大半が核の被害を避けることができた。
(こうした地域は後にグリーンエリアと呼ばれるようになる)
反面、地獄を見たのが中国、関西、近畿だ。
関東程ではないが、日本帝国でも有数の人口と工業地帯、そして軍の要所を抱えるこれらの地域は飽和核攻撃の対象とされ、各地域にそれぞれ2桁近いメガトン級水爆が着弾した。
さらに電磁パルスにより通信ネットワークは大きな被害を受け、行政府の混乱や消滅、地方自治体の指揮系統の麻痺等もあって被害地域での救援活動は遅々として進まず、そこにミュータント達の誕生と襲来が重なって被害地域の情勢は混沌を極め、こうした事態に多くの人々が国内難民として被害の少ない地域を目指して脱出を図る。
しかし、いくら被害が少ないと言っても日本もまた戦前から見たら大きく国力を低下させており、地元住民だけならまだしも他の地域の人々を支えられるだけの力はすでに存在しなかった。
それでも戦後初期の頃は同胞として少なくない数の国内難民を受け入れていたが、こうした国内難民の受け入れは当然地元住民の生活水準の低下や治安悪化を招いてしまう。
また、関東はほぼ無傷であったが、その他の四国や北海道、東北などの地域は被害こそ少ないがそれでも核攻撃の被害を受けていた。
関東も直接的な被害こそなかったものの、サプライチェーンの崩壊や放射能により誕生したミュータント動物対策などで少なくない負担を負っており、次第にこうした国内難民を受け入れる精神的・物理的余裕を失っていった。
生活に困窮する人間の増加に比例して、国内難民への反感も増大していく。
見ず知らずの余所者を助ける前に自分達のことを第一に考えろ。多くの地元住民はこう考えてしまうことを誰が否定できようか。
823:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:45:22 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
そして、2030年、帝都東京で発生した国内難民による大規模暴動を契機に各自治体の住民達の不満は爆発。
関東、四国、東北、北海道の広域地方自治体(各都道県)は世論の声と都道県戦闘警備隊の武力、そして三菱・三井・住友・倉崎・IOPなど生き残っていた財閥系企業の経済力並び生産力を背景に、帝国政府に対して国内難民の受け入れを直ちに停止し、彼らを自分たちの生活圏から追放するか、もしくは自分たちの独立を受け入れ、自分たちの領域から帝国政府が出ていくかの二択を迫った。
戦前の日本は世界に冠たる超大国である。いくら「黄昏戦争」により多くの戦力を失ったとは言え、それでもまだ強大な軍事力が帝国政府の指揮下にあり、例えグリーンエリアが反乱を起こしても武力で押さえつけることは不可能ではなかった。
しかし、もし仮にグリーンエリアにまで戦火が及んでしまったら今度こそ日本は崩壊してしまうかもしれない。事態を重く見た日本政府と
夢幻会はそう考え、これ以上の国内難民受け入れは、文字通り何とか生き残れている日本と言う国家を崩壊させかねないとして最悪の決断をしてしまう。
帝国政府職員、帝国軍関係者、夢幻会会員、財閥系企業の従業員などとその家族、関東をはじめとしたグリーンエリアに身内がおり、最低限独立して生活できる者以外の国内難民の受け入れ拒否が決定されたのだ。
ただし、日本政府はすでに受け入れている国内難民の追放に関しては、東京湾に戦艦「武蔵」「播磨」を待機させた上で断固として拒否の姿勢をとった。
グリーンエリアの自治体としても帝国軍と戦端を開くということが何を意味しているかを理解しており、新規難民の阻止及び強制送還の許可と言う一定の成果を得たことで何とか矛を収めた。
苦境に苦しむ国民を見捨てると言うこの決断は政府内はもちろん生き残っていた帝国議会からも少なくない反発を受けたが、グリーンエリアと呼ばれる戦後日本の経済・軍事・工業・農業の中心的地域の人々はこの政府の判断を大いに支持。
最終的に残存日本帝国陸軍部隊とグリーンエリアの戦闘警備隊、警察機構、そして民間軍事会社は共同で国内難民の流入阻止作戦を実施する。
この際、日本政府とグリーンエリア自治体は汚染地域に残存する府県戦闘警備隊残存部隊に対しては自身及び家族のグリーンエリアへの在住を認めることで、その大半を無力化。
同時に残存する帝国海軍・海軍海兵隊・空軍を動員して汚染地域内の帝国軍基地に保管されている核弾頭の回収作戦も実施することで、不安要素を取り戻していった。
これによりグリーンエリアでの内戦による日本崩壊という最悪の事態を避けれた夢幻会と日本は、重汚染地域を実質的に国土から切り捨てる形でなんとか国家を再編。復興のスタートを切る。
しかし、西日本の大多数を見捨てると言う判断は、日本の強みであった島国故に海を防壁と出来ると言う利点を捨てることを意味していた。
なんとか地獄からの脱出を目指す国内難民や自分達を地獄に叩き落としたグリーンエリア住民を恨む汚染地域の住民達、また既存生物から変異したミュータントなどの脅威は「黄昏戦争」後の日本になくてはならないグリーンエリアを日々脅かし、こうした脅威に対抗するため、日本は陸軍力と警察の規模を維持拡大しなければならず、こうした軍事予算と治安維持予算は日本の国内復興の大きな妨げとなってしまう。
経済活動も強力な統制下に置かれることになり、自由経済などもはや何処にもないレベルまで日本も追い詰められていた。
それでも京浜工業地帯、京葉工業地域、北関東工業地域、常磐工業地域、筑波総合研究施設などから生み出される莫大な工業品と衰退が防がれた科学技術、北海道、東北などから生み出される食料品から国民(グリーンエリアの住民達)は何とか健康で文化的な最低限度の生活という、当時の世界情勢では極めて贅を尽くした生活をおくることができた。
2062年頃にはグリーンエリアでは戦前に近いレベルの文化・生活水準まで復興が進み、西日本での放射能汚染も徐々にだが低下し始めていたこともあって、本州西及び北九州の復興も徐々にだが取り掛かり始める。
しかし、グリーンエリアから見捨てられた地域は、モヒカンヒャッハーと同類のそれや、信仰に救いを求めカルト化した人々、アカや過激な民族主義集団、果にはクリーチャーもそこかしろを闊歩する世紀末も真っ青の末世的な状況であった。
この惨状を何とか復興させろと西日本復興総責任者として、中央から送り込まれた神崎は頭を抱えながら日本軍自動人形部隊に厳重に護られた最前線基地、S09基地に着任する。
彼はこの荒廃した土地を再び日本の一部に戻すことができるのか。それを知るものは未だ誰もいない。
824:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:46:33 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
日米枢軸世界IFネタ 黄昏ルート 設定
大日本帝国
戦前はハワイ条約機構の盟主であり、世界の超大国として君臨していた大国。
黄昏戦争後は無傷だった首都圏一都七県を中心に被害の少ない東北・北海道・アラスカ・四国、そして中部及び九州の一部を実質的な国土とし、日本アルプスと阿蘇山や九重山などを結ぶ線を事実上の陸上国境としている。
戦後世界では数少ない広大な領域を統治する国家でもあり、戦前よりかは大きく力を落としたといっても相対的には依然として圧倒的な国力を有する大国であり、さらに世界に2カ国しか存在しない打ち上げ施設を有する稼働中の宇宙基地を保有する国家の1つでもある。
政治体制としては戦前と変わらず議会制民主主義を採用しているが、憲法改正により参政権はグリーンエリアの住民達にしか与えられていない。
軍事力の面では「黄昏戦争」時に関東の軍需工場が被害を受けなかったため、銃器や火砲、無装甲車両などはもちろん、戦車や歩兵戦闘車などの装甲戦闘車両、装甲兵員輸送車、装甲偵察車、各種航空戦力、果には原子力空母や原子力潜水艦などの大型艦艇まで自前で新造できる数少ない勢力で、「黄昏戦争」後でも現代的な軍備を維持できている数少ない国家でもある。
戦力事情としては国内事情から陸軍や海軍海兵隊、治安維持組織など地上戦力に優先的に予算が投じされている。
幸い八王子にあるIOP本社工場などIOPの施設は東日本に集中的に置かれていたため、無人兵器群の供給は黄昏戦争後も何とか維持できていた。
これにより戦前日本軍自慢の無人兵器群及びその発展型が戦後日本軍にも多数配備されており、日本アルプス防衛線の維持及びグリーンエリア内でのミュータント駆除に大きく貢献している。
海洋戦力としては一応は外洋海軍を維持できているが、その規模は原子力空母6隻、各種揚陸艦30隻、原子力潜水艦26隻、水上戦用艦艇93隻、支援艦艇96隻と戦前と900隻艦隊と呼ばれる大艦隊を維持していた戦前と比べるとお寒い状況である。
825:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:47:06 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
レッドエリア(日本)
もともとは大阪や京都、広島、神戸、岡山、
名古屋、福岡など重度の放射能汚染を受けている場所をさす言葉であったが、時代を経つごとにいわゆるグリーンエリア外をさす言葉に変わっていった。
これらの土地は実質的にすでに日本当局の管轄外に置かれ、日本政府はそこに住む住民達に対する責任を放棄している。
そのため議会制民主主義に基づく十分な政府機構が存在し、健康的で文化的な生活が送れるグリーンエリアとは違い、カルトや盗賊、アカ、民族主義、ミュータントが好き放題跋扈するフォールアウトのような状況で、悪魔が笑う時代が続いている
そのためよほどのことがないと治安維持組織や軍ですらも立ち寄ることがなかったが、2060年代より国力に余裕が出てきた日本政府はようやくレッドエリアの復興(と言うなの再進出)に取り掛かる。
主な勢力
教団
景教やカトリック、プロテスタントなどいわゆるキリスト系の宗教団体が母体となった組織。
「この世は原罪を償い反省するための修練の場である」「教団の教えに従い原罪を贖罪できたと神による最後の審判で判断された場合、楽園にいくことができる」「教祖は神の意志を代弁する者であり、その言葉を疑ってはならない」「教団の命令に逆らってはならない」など、グリーンエリアから見たら色々とアウトなカルト的要素も多くある組織であるが、レッドエリア内では唯一別け隔てなく弱者救済を行う比較的まともな組織で、そうであるが故にレッドエリア内では最大の勢力となっている。
比較的放射能の汚染が少ない旧島根県一帯を本拠地としており、その周辺地域でも大きな影響力を持っている。
旧戦闘警備隊や旧警察関係者も比較的多くいるため、主な兵装としては少数ながら機械化駆動鎧(パワードスーツ)も運用している。
共産主義者
主義主張についてはその名通り。
主に旧大阪府や旧兵庫県一帯を勢力圏としており、党が投票先を決める管理民主制とか言う意味不明な政治体制をとっている。
また、共産主義者あるある秘密警察と相互監視密告体制による恐怖政治体制が敷かれている。
それでもその理念からイデオロギーと党の意向に従うなら、できる限り弱者も救ってくれるので、レッドエリアでは比較的マシな部類に入る。
社会進化論者・民族主義者同盟
名前の通り社会進化論と民族主義を悪魔合体させた日本版ナチとでも言うべき存在。
旧京都府及び奈良県一帯を主な勢力圏とし、奈良京都こそ日本文化発祥の地であり、そこに住む自分たちこそが正当な日本民族で、世界を指導すべき優等種であり、他の存在は同じ日本人ですら劣等種と言う教義を掲げる極まった存在。
ただそうであるが故に絶望に付していた多くの旧京都府民や旧奈良県民の支持を集めることができた。
目下旧三重県エリアに勢力圏を拡大させると同時に共産主義者と血で血を洗う戦争中である。
巡廻ハンター
基本的には特定の勢力に属さず、主にミュータントの討伐を成合にする勢力。
レッドエリア版のMATAGIで、各勢力にとって厄介なミュータントを積極的に討伐してくれる存在であるため基本的には中立勢力として各勢力からは敵対視されていない。
ただし、その地位の裏付けをしているのは教団であり、そうであるからこそ現在の地位に付けていると言える。
その他
基本的に各集落やシェルターにはミュータントから住民を護る防衛隊が存在している。
826:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:49:36 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
海外
欧州連合(第三連合)
かつて日本と対立していた欧州連合(第二連合)の後継組織。
日本と違い、欧州では生存者たちが核兵器の攻撃を免れた幾つかの都市を中心に復興に取り掛かっていた。
この際、各都市は核兵器の汚染とミュータントの脅威から自身の身を護るために各都市に城壁を築き、これらが都市国家化。
そして戦前に欧州連合が整備した鉄道網が各都市国家を結び、各都市国家が緩やかな連合体を作る形で欧州連合(第三連合)が復活した。
首都と言っていいのか過言だが、連合の本部は欧州でもっとも優れた軍事力を持つベルリンに置かれており、経済の主軸をモスクワが、文化の中心がローマといった形に分散している。
なお、パリは「黄昏戦争」時に日本のメガトン級核兵器で吹き飛ばされ、その影響で北フランス全土が重度の放射能汚染地域となっている。
それでも大多数の国民が最低限飢えずにいられるのは欧州のパン庫ことウクライナが無事であるためで、ウクライナは欧州連合軍の最重要防衛地域として指定されている。
第三連合の形態としては古代ギリシャのデロス同盟のそれに近く、軍事力としては地上戦力に優れている一方で、都市国家化による弊害とミュータントと言う脅威の存在から海上戦力の整備はそこまで行われておらず、さらに固定翼機からなる航空戦力は連合直轄とされているが、大多数の地上部隊やヘリコプター部隊は各都市が独自の統帥権を持ち、欧州連合軍に提供する部隊規模は各都市国家の裁量に任されているなど、連合としての軍備は比較的少ない。
余談であるが欧州連合にとって国民とは都市の住民として登録されている人間のことであり、そうでない人間は旧欧州連合の国民であったとしても何の責任も負わない。
アメリカ合衆国
アメリカではニューヨークやロサンゼルスをはじめとした幾つかの大都市や五大湖をはじめとした工業地帯が幾つか吹き飛び、民間ネットワークに大きな損害を負ったものの、ワシントンは無傷で連邦政府及び連邦軍の組織は維持できたこと、海底ケーブルや各通信基地、そして大陸横断鉄道などにより一定以上の通信機能を維持できたこと、世界最大の銃社会でミュータントの脅威に一般人がそこそこ抵抗できたこと、そもそもが州の連合体と言うその性質から生き残った州達を下に再編する形で存続できた。
日本とともに世界でも2カ国しか存在しないロケット発射基地を抱える国家でもある。
軍事力としては19世紀から20世紀初頭の古きアメリカといった形をとっており、海軍と空軍こそ連邦政府の直轄化にあるが、陸上戦力は有事の際に連邦軍に編入される州兵をその主力とする。
そのため、平時の連邦軍陸軍は極めて小規模な組織である。
日本との同盟は一応未だに存続しており、未だに大規模な商船団を抱える日本から、医薬品などを供与してもらっている。
827:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:50:34 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
824
☓ 日本アルプスと阿蘇山や九重山などを結ぶ線を事実上の陸上国境としている。
◯ 本州では日本アルプスを、九州では阿蘇山や九重山などを結ぶ線を事実上の陸上国境としている。
828:ホワイトベアー:2024/09/29(日) 22:52:01 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
以上になります。
メトロ2033
シリーズ、あれいいですね。
ドルフロ大好きな私としてはめちゃくちゃ沼って、ただでさえ仕事で忙しいのに続編2作含めてやり込んで執筆を全くできませんでした。
wikiへの転載はOKです。
最終更新:2025年03月30日 23:39