475 :じんつう:2012/03/24(土) 20:23:06
嶋田「神様、私が主人公のはずなのに私の出番が少ないような気がします。しかもその割に仕事が減っていない気がします。」
辻 「私はいまだに名前すら呼ばれていないような気がするのですが?」
神様「ん?気のせいだろ。」
南雲「神様、もうそろそろ死なせてください。」
神様「貴様もまだ働いてもらう。」
南雲「え?」
――――――美少女元帥の憂鬱~第4話~――――――
「現在、向こうの軍艦は6隻見えます。新しく現れた5隻のうち、2隻は先ほどの初雪と名乗った駆逐艦と同型艦のようですが、3隻はステルス艦のように見えます。
その後、こちらには鹿児島海上保安本部から巡視船4隻が応援に駆け付けた(石垣海上保安部は尖閣諸島を抱えているから来れない)が、向こうにも新たに軍艦5隻が
応援に現れた。そのうち2隻は先ほどの駆逐艦と同型に見えるが、3隻はステルス性の高そうな外見をしていた。外見的には19DDの計画案に近い感じがする。
「幸いにも武力衝突などといった事態にはなっていはいないが....一体どうなっているんだ?」
「私に聞かれても困りますよ。私が聞きたいくらいですよ。」
「そりゃそうだがな....だが門の向こうにいる連中は国際信号法を理解していて、その通りに信号を送ってきた。
そして、やつらは”大日本帝国”と名乗ってきた。それにやつらの軍艦は艤装は異なるが海自のあたごに似ている。
なんか、まるでパンドラの箱を開けたような感じがするなあ。」
「それはあなただけでなくこの船団の全員、そして向こうも同じように感じているでしょう。」
「ほう、何故向こうについてもそう言えるんだ?」
「ゲートが見つかって以降、向こうは門を渡ろうともせず遠巻きに監視しているにとどまっています。もしこの門が
向こうの意図で出現したならば、向こうはすぐにこちらに渡ってきて接触を求めるはずです。つまり、この現象は向こうにとっても
全くの想定外ということなのでは?」
「だろうな。向こうが意図して出現させたならば、もうすでにこちら側へ使者なり艦隊なり送っているだろうな。」
たしかに、門が出現して以降、向こうは遠巻きに監視を続けるだけだ。意図して出現させたならば明らかに不自然だ。
「向こうが今のところ武力を行使してこないということは交渉の余地はあるだろう。だがこちらの常識が向こうに通じるとは限らない。
いや、通じないだろう。向こうが”大日本帝国”ならば。」
もし、向こうが史実の大日本帝国の延長のような存在ならば下手な接触は避けるべきだろう。象徴天皇制や戦後日本の歴史なんて、伝え方によっては向こうの大激怒を
招く可能性すらある。
「だが、ただでさえ”大日本帝国”という名にアレルギー反応を起こすような連中が政府に多数いて、総理は在日米軍を追い出そうとしていたり、
なんら意味を理解していないのに”東アジア共同体”だとか言っている状況でまともな対応が期待できると思うか?」
「全っく思えませんね。悪いほうに転ぶようにしか想像できません。」
「だろうな....にしても、こちらは榴弾も使えないせいぜい20mmから40mm程度の機関砲しか装備していない1000tから3000t程度の巡視船ばかりなのに
向こうはいずれも8000t以上はありそうな軍艦ばかり....もし向こうが手を出してきたひとたまりもないぞ。報告はちゃんと送ったのに
いまだに海上警備行動は発令されていない。政府は本当に何しているんだ?昼寝か?」
「まだ、”領海”には侵入されているわけではありませんからね....今の政府では我々が攻撃を受けない限りは発令しないでしょうね。」
もし、向こうが意図して門を開き、その目的が武力侵攻だったならば.....今頃この7隻の巡視船は海の藻屑となっていただろう。
「こんな超常現象に備えろとは言わんが....前の政権のほうがまだマシだったな。」
「そんなこと愚痴っても仕方ないですよ....。」
「まあなぁ....。」
476 :じんつう:2012/03/24(土) 20:24:18
「しかし、ここは日中中間線に近い....しかもここからはちょうど問題になっているガス田の”翌檜(あすなろ)”のすぐ傍だ。
場合によっては中国が何を言ってくるかわからんぞ。」
そう、ここは日中中間線のすぐ近くであり、那覇・鹿児島・佐世保と韓国の済州島からほぼ等距離にあるのだ。
じつに反日の2国がちょっかい出しやすい位置にあるのだ、この門は。さらに、中国は自国のEEZは沖縄トラフまでだと主張している。
「あの門の中身が日本にとって幸あるものであればいいが....それだと中国が掠め取るだろう、あと韓国も煩いだろな。
特に最近は歴史問題で反日感情が激化している。大日本帝国なんて名前、今のあいつらは聞いた瞬間に火病になるぞ。」
「どちらにしてもいいことになりそうにはありませんね。」
「まったくだ。」
「ほんとうに一体どうなっているんだ?」
門をはさんだこちら側の駆逐艦初雪の艦長も、巡視船りゅうきゅうの船長と同じ感想を抱いていた。
「にしても、向こうは何を考えているんだ?こちらは軍艦を出しているのに向こうはいまだに巡視船しか出ていない。
そして、なんで”こちらの巡視船と全く同じ塗装の巡視船”が門の向こうにいるんだ?」
「そんなことわかりませんよ。でも、塗装は同じでも船の形式、艤装は異なりますしこちらの巡視船と比べて小型のものが多いですね。」
憂鬱世界の日本の巡視船は担当する海域が史実の日本と比べてとても巨大なため、全体的に大型の巡視船の比率が高めとなっている。
史実日本の巡視船しきしまのようなのがいっぱいいると思ってくれればいい。
「上はなんて言ってる?」
「”門を監視し、周辺を死守せよ。門は絶対に超えるな”、変更はありません。また、各鎮守府および九州全域の航空基地は臨戦態勢に入っています。」
「あちらの動向がわからん以上そうなるが、向こうの様子を見る限り武力侵攻はなさそうだな。」
「いまだに軍艦すら見えないのが不気味ですが....おそらくそうでしょうね。」
「しかし、”日本国”とは一体どういう意味だ?なぜ帝国の名を下している?なら天皇陛下はどうなっていらっしゃるんだ?」
「帝国の名を下しているからといって天皇陛下がいらっしゃらないとは限らないでしょう。国号が大日本帝国となったあとも、明治のころなんかでも外務省の公式文書に”日本国”と
と書いてあったりするんですから。」
「それにしても、まるで仮想戦記のような状況ですね。異世界に通じるゲートだなんて。」
「というより、もはやこの世界こそ仮想戦記なのでは?と思いたくなるよ。我が国の歴史なんてまさに仮想戦記じゃないか。」
「ええ、日本史の教科書の幕末以降の内容を小説風にすればまさに仮想戦記じゃないですか。」
「その上今度は異世界へのゲート....”事実は小説より奇なり”とは誰の言葉だったかな....まあいい、おしゃべりはそろそろ終わりにしようか。」
「ええ、そろそろ任務に集中しましょう。」
最終更新:2012年03月24日 21:11