150:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:38:51 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
リシュリュー級(陣龍氏支援 建造当初)

全長:275m
全幅:36.6m
基準排水量:約6万トン
最高速力:32ノット
機関出力:24万馬力(公称)
航続距離:16ノットで1万浬
乗員 約2,300名
装甲:舷側370㎜(15度傾斜)
   甲板180㎜
武装:50口径41㎝4連装砲3基
52口径15.2㎝3連装2基
65口径10.5㎝連装高角砲12基
37mm連装機銃14基
25mm単装機銃30挺
水上機:4機(常用)

同型艦:「リシュリュー」「ジャン・バール」「ダンケルク」「バレンシア」「バスク」「カタルーニャ」
準同型艦:「シャルンホルスト」「グラウゼナウ」「リットリオ」「ローマ」

1. 概要
フランス帝国が建造した最後にして最強の戦艦である。
WW2開戦前は4連装3基という他に類のない特徴的な主砲配置から、そして戦後は1番艦リシュリューが挙げた空前絶後の戦果から各国の注目の的となりフランス国民からは信仰に近い感情を向けられるまでになった“海の女王”たちである。

2. 背景
第一次大戦が終結した時、フランス海軍は控えめに言っても半壊状態であった。
世界最大と呼ばれる英国海軍に対し、終始防勢でありながらも正面から殴り合ったのであるから当然といえば当然である。
そして、海軍の再編成は思うようには進まなかった。
これもやはり当然の帰結として、戦争の終結により民生部門の復興に予算が優先されたがためである。
結果、フランス海軍は戦艦の新造を諦め、巡洋艦以下軽快艦艇の整備に注力せざるを得ない状況が10年ほど続いた。
しかし、歩みを止める訳には行かない。
フェルディナン・フォッシュ元帥が言った「第一次大戦の終わりは高々20年ほどの休戦に過ぎない」という言葉はフランスの政府及び軍上層部の共通見解となっており
事実、大英帝国ではリターン・マッチを望む声が民衆の間で湧き起こり、政府も軍備拡張を止める気配はなかった。
第一次大戦では本格参戦しなかった日本やイタリアが世界平和に向けた軍縮会議の開催を提案したが、英国はそれを拒絶している。
この状況にフランスも腹をくくり、海軍の一大再建案を開始することになる。

151:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:39:21 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
3. 戦略案
再建案の柱となったのは戦艦の新造計画である。
フランスは、次の戦争も戦艦を主軸として戦う事を決断したのである。
同盟国である日本からは空母を主力とした航空兵力を主力とした戦略案が提案され、日本海軍もそちらに移行しつつあったが、フランスは熟慮の末に航空主兵主義を捨てた。
確かに航空機の発展は日進月歩であり、空母の価値は年々増大している。
しかし、航空機を主力兵器とすることは、それ即ち国力が直接反映される戦いとなるのである。
新大陸の北半分を独占する大英帝国の工業力は強大であり、航空機生産競争となったら勝ち目は薄い。
更に言えば、航空主兵主義はパイロットになり得る人口も大きなファクターとなる。
先の大戦で痛手を受けたフランス帝国は人口面でも大英帝国に不利であった。
単独で4億の人口を有し、工業力もそれに比例している日本ならば正面から航空主兵主義で対抗できるかもしれないが、欧州にはもはやそのような余裕はないのである。
一部から日本と共同戦線を張れば問題ないとする声も上がったが、初めから他国を当てにした国家戦略など意味は無いのである。
それに対して戦艦を主力とした場合、生産力の差は航空機ほどには現れず、必要人員についても空母よりマシであった。
ここにフランス海軍の方針は決した。
空母の整備も進めるが、主任務は味方艦隊の防空であり攻撃の主役は戦艦以下水上打撃部隊が務めるという“制空権下での艦隊決戦”である。

4. 欧州標準型戦艦計画
海軍の戦略が戦艦を基幹としたものに決したのと同時期、政治面でも特記すべき事が定められた。
フランスのみならず、長年の宿敵でありながら同盟国であるドイツ帝国と、地中海の覇者を自称しているイタリア王国も大英帝国との正面対決を選択したのである。
これは、西欧3ヵ国が団結しなければ大英帝国には勝てないという危機感を共有したが故の快挙である。
この同盟をフランス人は“現代に蘇ったフランク王国”と称賛したが、某統領が「何でや!この面子なら“現代の西ローマ帝国”やろが!?」と猛反発して正式名称とはならなかった。
とにかく、次の戦争はこの三国同盟に極東の巨竜こと日本を加えた「枢軸陣営」と大英帝国とソ連を中核とする「連合陣営」の対決となった。
そして枢軸陣営で推進されたのが兵器の共通規格化である。
しかし、同じ枢軸陣営と言っても欧州と日本の距離は遠すぎたため、実質的に“欧州規格”と“日本規格”の2系統並立状態となる。
(それでも航空機、特に空母艦載機に関しては多くが日本製のライセンス生産となった)
そしてこの共通規格化の中で最大となったのが『欧州標準型戦艦』である。
航空機生産競争には乗らないと先述したが、そうであるからこそ戦艦に関しては建造競争に真正面から対抗しなければならない。
しかし、航空機よりマシとは言え、こちらの分野でも国力の差は如実に表れる。
その“差”を少しでも埋めるためには、西欧3ヵ国の国力を可能な限り効率的に活用する以外に活路は無かった。
こうした背景の下で、欧州標準型戦艦計画は始動し、コンペティションの結果フランス帝国が設計したリシュリュー級が採用された。
リシュリュー級が6隻、準同型艦を含めると10隻も“量産”されたのはこの計画の恩恵である。
なお、“標準型”とは言いながら各国の事情を反映した改設計はある程度容認されていたため、3ヵ国の特色を持つ個性豊かな淑女たちが生まれている。
更に、「フランスの風下に立つのは嫌だ!奴らよりスゴイ戦艦が欲しい!?」と叫んだ軍艦大好き皇帝と、大きいもの大好きなちょび髭宰相閣下の決断によりドイツ帝国独自設計の『ビスマルク』級が
「百歩譲ってガリア共に従うのはエエ、しかし、フン族にまで負けるのは我慢ならん!!浪速(ローマ)の漢(おとこ)の意地見せたるで!?」と奮起した統領閣下の激の下イタリア王国では『コンテ・ディ・カブール』級が建造されることになる。
この光景を見た日本海軍関係者は「標準型戦艦策定した時の連帯感はどこ行った?」と呆れたと伝えるが、両級共にリシュリューに負けず劣らず大活躍したため戦後には「英断」とされた。
(更に言えば、独伊共に最低限の理性は残っていたため各種構成要素は可能な限りリシュリュー級のものを流用している)

152:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:40:00 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
5. 設計
5.1. 船体全景
リシュリュー級戦艦の艦首はシアーとフレアが付いたクリッパー型の優美な姿であり、少し進むと波除けが配置されている。
波除けの直後には1番主砲塔があり、その後方に一定の間隔を開けて2番主砲塔が鎮座している。
その後方には1番副砲塔が配置されており、そこから艦中央部には艦橋が置かれている。
艦底部に設置されたビルジキールの先端は2番砲塔の下にあり、そこから後部艦橋直下まで続いている。
また、艦首部の錨鎖庫の後方にワイン専用倉庫というフランス艦らしい区画も存在する。
後部艦橋は煙突と一体化したMACK型となっており、後部射撃指揮所もここに位置する。
これら艦橋を囲む様に、高角砲塔群が配置される。
そこから艦尾へ進むと2番副砲塔があり、その先に3番主砲塔が存在する。
最後にカタパルト2基と飛行甲板という配置である。
また、全体を通して生産性向上のための工夫が見て取れる。
例えば高角砲や機銃のスポンソンは従来の円形から直線を組み合わせた多角形型に変更されている。
また船体そのものも、性能に悪影響を与えない範囲であるが極力直線化がなされている。
このような措置は駆逐艦などにはよく見られるが、戦艦ではリシュリュー級以外にはほとんど見られない。
欧州標準型戦艦として量産が前提だったリシュリュー級の特色と言える。

5.2. 船体規模
欧州標準型戦艦計画が策定された際、決定された要目は以下の通りである。

  • 基準排水量6万トン前後
  • 主砲は41㎝砲9門から12門
  • 最高速力30ノット以上

生半可な航空攻撃など跳ね返すほどの基礎体力は必要であるが、“量産”を前提とするならば野放図に巨大化させる訳には行かない。
その相反する2つの要素を可能な限り両立した結果の船体規模が基準排水量6万トン前後である。
主砲に関しては、情報部から大英帝国の新造戦艦が16インチ砲9門前後という報告がもたらされたため、それに優越する性能が求められたが故である。
なお、主砲に関しては日本より技術協力として45口径46㎝砲の設計図を提供可能であるという提案がなされた。
戦艦が『最終兵器』と信仰されたいたこの時代に、フランスがこの申し入れにどれだけ衝撃を受けたかは後世の人間には想像し難いかもしれない。
しかし日本側からしたら、既に主力は空母機動部隊への転換を半ば終えている状態であったためそれほどの覚悟があった訳では無かった。
(さらに言うなら、既により大威力の51㎝砲の開発が試作段階まで進んでいた)
しかしフランス側は、この申し入れに関しても熟慮の上で謝絶している。
46㎝砲の威力は絶大である。それ自体は喉から手が出るほど欲しい。
しかし、事前検討の結果46㎝砲を導入すると費用が莫大なものとなり“量産”に支障が出るほどだという予測が導き出された。
何せ砲そのものの製造設備から用意しなければならないし、砲弾などの消耗品も同様である。
それに対して、41㎝砲は「ノルマンディー」級戦艦の近代化改修を目的に既に製造が開始されており、製造設備も消耗品もそのまま活用できる。
そして、決め手となったのが検討会議においてとある出席者が放った

「『宰相』閣下には、祖国が鍛え上げた剣こそが相応しい」

という言葉だった。
こうしてリシュリュー級の主砲は決定された。
そして、「フランスより大きい主砲を積め!!」という軍艦大好き皇帝の厳命の下「ビスマルク」級には43㎝砲8門が
「フン族共に負けてたまるかい!!イタリアはモノ作りの国やで!?」と咆哮した某統領の指導で「カブール」級には46㎝砲6門が搭載されることになる。
速力については、大西洋上での機動戦を考慮しつつ、艦隊決戦時には敵艦隊を優越できることを念頭に設定された。
即ちリシュリュー級は、決戦時の主力となる「戦艦」としても、空母や巡洋艦と共に行動する「巡洋戦艦」としても運用できる「高速戦艦」となるべく誕生したのである。

153:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:40:47 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
6. 兵装
6.1.主砲
主砲は、50口径41cm砲が搭載された。
本砲の砲弾重量は1112㎏で、初速は830m/sと英国海軍の50口径16インチ砲よりも1割以上高速である。
これにより射撃精度と射程が向上し、装甲貫通力も強化されている。
無論完全無欠ではなく、落下角度が浅くなることで遠距離射撃時の貫通力が低下してしまうという欠点が存在する。
しかしこれに関しては運用で十分補える範囲だとして特に問題視はされなかった。
フランス海軍はドクトリン的に近距離射撃を重視していたからであるが、それはそれとして向上した射撃精度を活用して距離3万m前後での砲撃戦の研究も盛んに行われた。
なお日本からは、全長を拡大した大質量砲弾の採用が勧められたが、やっぱりここでもフランスは謝絶している。
理由はフランス海軍が重視する近距離砲戦では逆に威力が下がることと、折角向上した射撃精度が低下してしまう点が嫌われたからである。
また、国産砲弾の時点で初期型の16インチ級砲弾よりも1割弱は重量を拡大させてあるのでこれ以上は過剰だとも判断されたのである。
なお、ここまで幾度も「近距離射撃を重視している」と述べたが、高初速の恩恵により最大射程は4万mの越え、大和型戦艦と比肩する能力を持っている。

6.1. 主砲塔
主砲塔は4連装方式とし、これを3基搭載している。
4連装砲塔は「ノルマンディー」級戦艦(34㎝12門)から「リヨン」級戦艦(38㎝16門)と発展してきたフランスの伝統的な方式である。
その構造は「連装砲塔を2基組み合わせて、その中間に被害抑制用の仕切り板として装甲板を設置した」と言うものである。
この方式は同格の連装砲塔2基を搭載するより重量がかさんでしまうが、通常方式の4連装砲塔よりも信頼性が高くなる。
その他機構は基本的に同時代の各国戦艦と同様であるが、特筆すべき点として、他国では0度から5度程度の仰角範囲でのみ装填が可能であるのに対し、リシュリュー級は全仰角範囲(-5~+35度)での装填が可能である。
装填速度は就役時点で30秒、戦中の改装で20秒まで短縮された。
砲塔防御は全面530㎜、側面375㎜、後面330㎜、天蓋部は最大250㎜と41㎝級戦艦としては最高水準の防御力を誇る。
またバーベット部は500㎜であり、弾薬・装薬庫も弾薬を上層の甲板に配置し、装薬を下層甲板に配置するという誘爆時の抗堪性を考慮した配置となっている。

6.2. 副砲
副砲には52口径15.2㎝砲が採用され、3連装2基6門が搭載された。これは、「エミール・ベルタン」級軽巡洋艦に搭載されたものと同一である。
日本からは両用砲として13㎝級の砲の搭載を勧められたが、フランス海軍は対艦打撃力が不足するとして本砲の搭載を決定した。
弾種は徹甲弾・榴弾・対空用榴弾・星弾であり。
徹甲弾を使用した場合、弾頭重量は約56㎏、初速870m/sで射程は約27㎞である。
これは日本海軍の15.5㎝砲と比較して劣勢であるが、砲弾等の互換性を考慮して採用が決定された。

6.3. 副砲塔
3連装であるのは「エミール・ベルタン」級軽巡洋艦と同一であるが、対空能力を強化するために設計は変更されている。
砲の仰俯範囲は-10度から+85度であり、装填速度は最大10発/分である。
ただし、75度以上では装填が困難となるのでそのような運用は控えられた。
(戦後の改装で解決している)
装甲も強化されており、前面130㎜、側面及び上面は70㎜となっている。
このため、砲塔重量は「エミール・ベルタン」級のものより増大している。

154:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:41:25 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
6.4. 高角砲及び機銃
高角砲として65口径10.5㎝連装高角砲が片舷6基の計12基搭載された。
これはフランス製ではなくドイツ製の火砲である。

「欧州標準型戦艦なんだから、俺たちにも一枚かませろ!!」

という独伊両国からの要求をフランスが受け入れ、装備品選定をために開かれた親“撲”会の結果選ばれたのである。
弾丸重量は15.1kg、最大射程は17700m(仰角45度)、最大射高12500m(仰角80度)であり、発射速度は15~18発/分、初速は900m/sである。
弾丸は人力装填式(補助装置有り)だが、ドイツ艦載砲の特色である砲架のジャイロ制御装置を備えており、艦が揺れても常に水平を維持できる。
機銃は37㎜を連装で14基、25㎜単装を30挺搭載している。
なお、37㎜はイタリア製で、25㎜はフランス製である。

6.5. 電波及び光学兵装
レーダーは航海用・射撃管制用・対空用と各要素に必要な種類を各種網羅している。
当初はフランス製、もしくはドイツ製を搭載しようとしたのであるが、性能面で日本製が一歩も二歩も先んじていたため、そちらをライセンス生産し搭載することとなった。
また測距儀に関しても国産品を搭載したかったのであるが、熾烈極まる親“撲”会の結果、ドイツのツァイス社製のものが搭載されることとなった。
性能が一番良好であったのが理由であるが、これまで日本製になってしまっては欧州の沽券に関わるとして、最後の最後で仏独伊3国が団結した結果でもある。

155:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:41:59 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
7. 防御力
7.1. 船体防御
本級の耐弾防御要求は、自らの主砲弾に対して18㎞~30㎞圏内で安全圏を有し、高度5000mからの500㎏爆弾水兵爆撃に抗堪するというものであった。
このため、舷側装甲は傾斜装甲(15度)とし、最大厚さは370㎜となった。
また主装甲を貫通された場合、下甲板装甲(最大50㎜)が最終防護として働くようになっている。
甲板装甲は機関部及び弾火薬庫部分が180㎜+40㎜(下甲板)となっている。
また、汽缶防御のため煙路が主装甲板を貫通する部分にはアーマー・グレーチング(300㎜)が設けられている。
更に、煙突部分には日本海軍の「大和」型を参考に蜂の巣装甲が配置されている。

7.2. 水雷防御
喫水線下の防御については、舷側部にバルジを設置している。また、舷側装甲を艦底部まで延長することにより耐久力を確保している(120㎜)。
それらが突破された時のために、水雷防御隔壁(厚さ50㎜)が4重(機関部は5重)に渡って設置されている。また、それら隔壁と交互になるように燃料タンクと何もない空間が存在している。これにより、液層防御と空層防御を構成している。
艦底部は2重底となっており、魚雷の艦底爆発に対する抗堪性を確保した。

7.3. その他防御
ダメージ・コントロール能力においても、当時のフランスが持ち得る全ての知識が注ぎ込まれた。
先の大戦における戦訓はもちろん、独伊両国や太平洋における日本海軍の知識も収集するほどの徹底ぶりである
一例を挙げると、主要通路の天井や側壁を装甲化し戦闘時に通行不可能になる可能性を減少させている。
また、フランス艦艇の特色として舷側主装甲と外板の間とバルジ内部、弾火薬庫部分の水雷防御区画の衝撃吸収層には「エポナイト・ムース」と呼ばれる不燃性ラバーフォーム発泡剤が充填されている。
これは、被弾時の衝撃吸収と浮力維持、そして浸水や火災の抑制効果を期待された。
更に、主砲塔の隣接部に緊急用ディーゼル発電機が設置されている。これ被弾で電路が切断された際、戦闘力を損失しないための措置である。

8. 機関
機関にはフランスのお家芸である高温高圧汽缶が採用されている。
主機は減速式タービンを4セット搭載した4軸艦、缶室と機械室の配置は抗堪性向上を配慮して互い違いに配された、いわゆる「シフト配置」となっている。
主機を各2セット配する機械室のうち、両舷外舷機を収める前部機械室は前部と後部の汽缶室の中間、両舷内舷機の収めた後部機械室は後部汽缶室の後方に置かれている。
機関出力は最大で24万馬力を発揮する。

9. 航洋性能
最高速力は敵新鋭戦艦に対し優越することを目標とし、32ノットとされた。
また航続距離は、広大な大西洋を主戦場と想定しているため余裕を持たされている。
具体的な数値は16ノットで8800海里、30ノットで3200海里である。

10. 航空艤装
観測・偵察に加えて軽攻撃に使用することを想定して常用4機、最大5機の水上機を搭載できる。
艦載機は主砲射撃による衝撃で破損することを防ぐために専用の格納庫に収納される。
カタパルトは2基設置されており、揚収用クレーンも同様である。
なお、搭載される水上機は日本製のライセンス生産品である。

156:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:42:36 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
11. 運用
リシュリュー級は設計が終了し次第、フランス帝国各地の造船所で“6隻同時建造”が開始された。
これは、量産効果により少しでも建造予算を圧縮するための措置であり、同時に建造時間の短縮も狙っている。
(そして同様の理由で独伊両国でも同時期に建造が開始されている)
その結果、リシュリュー級は辛うじてだが6隻全てが開戦までに就役が間に合うという幸運にあずかっている。
(それに対し、独伊両国は「宰相級」独自建造の悪影響により2番艦は開戦に間に合わなかった)
しかし、その代償により大型艦が建造できる造船所は全てがリシュリュー級に注力することになり、他の艦の建造は不可能となった。
そのためフランス海軍は大戦中盤まで洋上航空戦力を「カステルノー」級防空空母(商船構造でかつ誘爆対策に対艦爆弾・魚雷用格納庫を廃止した潔過ぎる設計である)を主軸に構成することを余儀なくされる。
フランスたち欧州枢軸国の対英基本戦略は「積極的艦隊運用による敵海上戦力の撃滅」であった。
後世によく誤解されることであるが、通常破壊はあくまでも二次的な目標であり、主要戦略ではなかった。
これは「通商破壊を実施したとしても、大英帝国は屈しないだろう」という予測から導き出された戦略である。
なるほど、確かに海上交通線を遮断すれば「グレートブリテン島」は干上がるであろう。
しかし、それは「大英帝国」に手を上げさせるには不十分である。
ジョンブルどもは味覚障害持ちの紅茶中毒患者ではあるが、無能でも惰弱でもないのだ。
必ずや政府機能を新大陸に移転して抗戦を継続するであろう。
彼らを屈服させるためには、実働戦力である艦隊を壊滅させるしかない。
開戦後のフランス海軍はこの方針に則り、独伊海軍と協調しつつ積極的に出撃。
大英帝国の海上交通線を脅かし、それを阻止せんとしてやって来る大英帝国海軍と激闘を繰り広げた。
特に一番艦『リシュリュー』の戦果が著しく、開戦劈頭のダカール沖海戦において“大英帝国の誇り”こと巡洋戦艦フッドを一撃で屠り、レパルスを粉砕し、救援にやって来たノースカロライナまで返り討ちにするという大戦果を皮切りに、『敵艦撃沈数』の世界記録を更新(そしておそらくこの後破られることはない)するという偉業を打ち立てている。
リシュリュー級全体のハイライトとして、第三次レイキャビク沖海戦は外せない。
リシュリュー級姉妹のみならず、独伊生まれの従姉妹を含めた全10隻が集結し大英帝国の一大拠点であったアイスランドへ進撃。
空母機動部隊と基地航空隊の延べ1300機を超える攻撃隊を、「カステルノー」級による『傘』と「コルベール」級防空巡洋艦及び自らの対空火力で退け夜戦に移行。
その夜戦で大英帝国戦艦戦力を壊滅させ、その後レイキャビク軍港に艦砲射撃を実施するまでした。
この敗戦と太平洋における第五次ハワイ沖海戦の敗北が重なり、大英帝国内で厭戦感情が爆発、講和への道筋が整った。
戦後は海軍予算削減のため「リシュリュー」と「ジャン・バール」の残し現役を退いたが、彼女たちの物語はまだ終わらなかった。
“大英帝国の後継者”を自認するアメリカ連邦が世界へ挑戦状を叩きつけたことによって始まった第三次世界大戦において彼女らも参陣。
『制空権下での艦隊決戦』というフランス海軍の必勝策を再び披露し、ニューファンドランド沖海戦でアイオワ級戦艦及びフォレスタル級航空母艦複数を水底へ転属させている。
就役から半世紀以上が経った21世紀現代においても、「リシュリュー」と「ジャン・バール」は現役艦籍簿に名前を連ねており、『フランス国民の誇り』としてその威容を海上に留めている。

157:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:44:06 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
陣龍さま

いつも大変お世話になっております。
モントゴメリー企画
代表のモントゴメリーです。

大変長らくお待たせいたしました。
以前より発注いただいておりました、『リシュリュー級コンペティション』への弊社発表プランでございます。
先行している「タンクマン・エンタープライズ」様の作品に劣らぬように、弊社の持てる全力を注ぎこんだと自負しております。
弊社のプランの特色といたしましては

  • 6万トン戦艦の「量産」
  • 「制空権下の艦隊決戦」思想を以て、航空主兵思想への対案
  • 独伊両国もオリジナル戦艦

となっております。
(3番目に関しては、ご要望がございましたら単独商品としての発表も可能となっております。)

以上、ご査収の程よろしくお願いいたします。

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モントゴメリー企画
代表 モントゴメリー
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158:モントゴメリー:2024/10/14(月) 21:46:20 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。

陣龍氏の「リシュリュー戦記」世界への支援作品です。
コンパクトにまとめようと思ったけど、9000字を超え申した…。

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最終更新:2025年04月16日 23:26