201:陣龍:2024/10/15(火) 16:00:59 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「全権外交団の団長を務めて居ります、漢代 幸奈 です。これから、よろしくお願いします」
【なんつー人間送って来てんだ日本人んんんにゅああー!?】
――日中貿易協定締結の為に中国本土に来た外交団の長が銀髪嫋やかな童顔女性であった事に戦慄する中国側。
そして外見と裏腹のタフネスネゴシエーターの手腕と、その外見に先祖が大陸系と言う家系図から来た
中国人民の俄か人気に中国政府は頭を抱える事に。
「長年のパンダ交流に対する返礼として、我が国からは剣虎をお送りしたいと思います。皆可愛いですよ?」
【なんつー『爆弾』持って来てんだ日本人んんんにゅああー!?】
――内心疲労困憊な中国政府へ、最後に投げ付けられた『お土産』により精魂尽き果て引き攣った表情のまま
握手写真を撮る羽目になった中共側の責任者。後にこの複数の剣虎の番いは動物園と国家主席の邸宅と
中央省庁勤め官僚団の三箇所へ暫定処置として分けられた。
「豚肉とかの食品物価価格が安くなってきてる」
「日本から大量に輸入してるから安くなったんだと。何気に石油とかも輸入始めたとか何とか」
「安全性とか大丈夫なのか?行き成り物理的に巨大化した様な国の産物が……」
「要らんのなら買わなくて良いぞ」
「いえ買います、はい」
「無視できない程安いモノを買わなかったらカミさんに絞められるもんな、お前んとこ」
「バカを言うな、お袋からも締め上げられるわ。天井突き破る勢いで」
――日中貿易協定締結後、日本側の戦略も有り輸出された食品類や一部資源類は、様々な要因で物価高騰を
抑えられなかった中国経済に染み入り、気付けば生活必需品のみならず運搬を必要とする物品にも燃料費等で
日本産のモノが影響を与えるようになっていた。
「……不幸中の幸いと言うべきか、起きてしまったと嘆くべきか」
「在中日本人襲撃未遂犯は、証言からも愛国主義等を盾にした【落伍者】の八つ当たりのようです」
「私服の隠密警護官が直前で対処に成功している為、対外報道は『トチ狂った犯罪者を直前で一般人が
体を張って守った』と行った結果、納得されています」
「だが、これは対処療法に過ぎない。根本的に対処しなければ、締結したばかりの協定が破断しかねない大事件が起きかねないぞ」
――貿易協定と銀髪外交団団長で一部親日ムードの出た中国でも、不景気の煽りを受け続けた不穏分子は未だ多く、
そして愛国の大義を呟き日本人へ凶行を行う犯罪者やその予備軍は少なからず居り、
中国政府は過去の愛国主義が生んだ凶徒と現在の親日姿勢の間で頭を抱える事になる。
202:陣龍:2024/10/15(火) 16:02:39 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「しっかし、凄い勢いでアメリカ人が日本に来てるよなぁ」
「内戦勃発と言う惨状の
アメリカ本国から、一刻も早く安全圏に逃げて安住の地を得たいと言う人がそれだけ多いって事だな」
「……でも、日本じゃ英語はあんまり通じないってのに、それでも来ちゃうなんてな」
「ヨーロッパじゃ難民と現地住民の衝突が激化して治安悪化してる報道が有るし、
アメリカの重しが消えたからロシアも策動してるしで、逃げ場が少ないんだろな」
――西海岸の某州が真っ先に消し炭にされた程の大規模内戦から逃れるべく、大陸化して【間口】の広がった日本へと
移住希望であったり難民主張して逃れて来る多数のアメリカ人。オセアニア地域等にも多く向かっていたが、
日本にも無視出来ない人数が流れて来ていた。
「……スゴイですね、この翻訳機」
「『同感です。なんでもこの翻訳機の能力は、日本にスカウトされたアメリカ人のIT技術者が作ったそうです』」
「わぁ、リアルタイム翻訳。現代の技術は凄い所にまで進んでるんですなー……」
「『お陰で、苦労なく日本の方と会話が出来て嬉しいです。それで、ご注文はどうなさいますか?』」
「あ、そうだ。えっと……先ずは……」
――日本に逃れたアメリカ人は多種多様な人材の宝庫でもあり、当然高価値労働者に対するスカウト活動と争奪戦は熾烈を極め、
上記の新世代の翻訳機開発に米本土のIT技術者が複数関わっている事が報道されると更に人材争奪戦は過熱化して行った。
「……全く懲りないと言うか、学習せずに日本に来ていると言うか」
「強制送還される時の物言いは誰も彼も同じですね。罵声も優位性の誇示も無意味と分かれば泣き落としからの逆ギレして暴れて回って」
「警備員の出動と拘束回数が毎月記録更新していて、ホント面倒ごとだけ増やす事だけは一丁前」
「そう言えば、内戦中のアメリカ本土に強制送還したあいつ等、何処に行くんでしょうかね」
「さぁ?」
――当然、日本にとって有為な人材や無害な人間ばかりで無く、アメリカ爆散の根幹原因であった思想主義者が、
単なる国外逃亡では無く『日本も【教化】して見せん』と乗り込んで来た事例も多々有ったが、
内戦と分裂により『国家による保護』を実質喪失した人間に対して与えられる慈悲等、有る筈も無かった。
「……『実戦経験』の差、でしょうかね」
「だろうな。ずっと平和国家として生きて来た日本の自衛隊より、様々な紛争や鎮圧へ参加経験のある人民解放軍。
やはり凄まじいと言うしかない」
「『良く言うぜ。『経験不足』を訓練の練度と連携でカバーして、解放軍の特殊部隊と張り合っているってのによ』」
「『それに何だよ、あの自走砲や支援する航空機の数。コッチと比べても相当立派じゃ無いか。
海洋国家ならもうちょっとこじんまりとして居るべきじゃ無いかね』」
「悪いな、対抗相手が【世界一流の陸軍大国】だとこうするしか無いのだよ」
「『コヤツラ抜かしおる、ははっ』」
――アメリカ分裂に端を発した、世界情勢の急速な悪化と日中近隣地域の治安悪化によってなし崩し的に始まった日中共同の
武装勢力討伐戦にて【同じ釜の飯】を喰らい、共に戦い『戦友』となった日中の自衛隊と解放軍。何時しか相対する筈の存在が、
191型自動歩槍と20式小銃では無く、老酒と焼酎の盃を向け合う関係となるのは、必然でもあった。
「『……これが、噂に聞く海軍カレー』」
「『……揚げた豚肉が載って居るであります』」
「今日は金曜日ですし、それに『御客人』が来られると言う事で、ちょっと奮発したそうです」
「穴が開く程見ていないで食べましょうそうしましょう。あ、福神漬けとか要ります?」
「『ヨシ中尉、君がこの海軍カレーに福神漬けを載せて食べた感想をこの場で報告したまえ』」
「『ちょ、私は生贄でありますか大尉殿!?』」
「いや生贄ってどう言うこったよ」
――陸と同じく、海でも観戦武官や交流会等で海自の艦艇に招待された中国人民解放軍の海軍将校たちが、
相互の軍事面の関わりのみに終わらず、海自側の【好意】で出された食事に色々と大変()な事になる。
後に戦訓として美味い食事の三食提供が具申されたそうな。
「――――で、有るからして!日中両国は更なる世界秩序の安定の為に努力するべきであると言うのが!
世界的平和の為の意義であるのです!!」
『『うるせぇ死ね(意訳)』』
――なし崩し的な運命共同体(暫定)の日中による国際的治安維持活動に眼を付けた欧州の一部が裏方の主導で、
国際的な要請と言う形で国連団体や市民団体等が日中が世界規模に派兵するアメリカの【代替】となる事を求めたが、
表情が消えた日中が同時に即答で拒絶した事で敢え無く失敗した。
203:陣龍:2024/10/15(火) 16:03:41 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) 戦車の人氏の支援小ネタを書き逃げゲリラに御座る()
|д゚) 因みに10割思い付きのモノなんで細かい事は押し流すヨロシ()
最終更新:2025年04月20日 23:40