340:陣龍:2024/10/19(土) 20:38:55 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

  • カードゲームミリしら人間による多分大体こんな感じのカードバトル的リシュリュー戦記、第三次世界大戦with西太平洋戦域編


「私のターン、ドロー。戦術カード『飽和航空攻撃』を発動、そしてリバースカードオープン!『アイオワ級ミサイル戦艦』
『フォレスタル級装甲空母』『ロチェスター級ミサイル重巡洋艦』にて特殊攻撃【再臨の征西艦隊】を選択!!」


「何と言う、物量……」


 呻くように呟く、如何にも堅物容姿なゲルマン人少女プレイヤーの観客、と言うか相対するセコンド。盤面に出て来ている巨大な艦艇、
それらから発艦を続け、発射体制に入ったミサイルと航空機の数は、正しく視界を埋め尽くさん勢いであった。
カードゲームなのに何故現実世界にサイズ調整された軍艦や航空機等が見えるのかと言うツッコミは無粋である。


「…………」
「いや……流石に無反応を決めこんどるのはちょいと不安なるんやけど」


 飛んでも演出で展開されるアメリカユニットに対して全く身動ぎせず無関心な【戦友】の姿に対して、それっぽい関西弁で不安感を溢す、
先のゲルマン人少女と同じくセコンドの位置にいるイタリア人少女プレイヤー。ローマかナポリの街角を歩けば忽ち人だかりが出るであろう
愛嬌溢れるご尊顔の口元は、握り拳の右手で覆われていて窺い知れない。



「あーあー……私、知ーらないっと」


 一方、不安感を醸し出している欧州人二人に対して、黒髪をポニーテールに束ねている日本人少女プレイヤーは、
この先の展開を読んで、ある種あきらめの境地に近い呟きと共に、後頭部へ両手を回して軽く目を逸らしていた。

341:陣龍:2024/10/19(土) 20:40:33 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

「【情報の非対称性】と言う言葉を知っているかね?アメリカ人」
「……なに?」


 【お約束】なのか、自らの攻撃に対する効果や攻撃力に対する説明を、
一部陶酔混じりに語っている相手に対して唐突に、自身の持っている手札から
視線を外しもせずに遮るフランス人プレイヤー。傲岸不遜を絵にかいた様な
年齢不相応のその態度と雰囲気は、一部から『社長』等と言われるに相応しい振る舞いであった。
実際にこの男、会社社長でもあるのだが。


「入手した情報が同じであろうとも、受け手の持つ知識等が不相応か適切かの違いで、
導き出せる答えがまるで異なって来ると言う理論だ。墓場に叩き込まれた、
過去の覇者の血肉を啜りに来た業突く張りの愚か者ならば、株取引に置き換えれば分かり易いだろう」
「……それがどうしたと言うのか?貴様の手札、フランス海軍デッキの構成は既に把握されている!」
「だからこそ貴様は愚か者だと言うのだ。一応だが、確かに事前調査を行い、
貴様なりに構成した対応デッキを持って来た努力だけは褒めてやろう。
だが木を見て森を見ず、我がデッキの表層だけを見て侮る。それが、貴様の限界だ」


 相手のアメリカ人プレイヤーが半ば唖然とした表情を見せると言うのに、
その相手の事が全く眼中に無い事を、相変わらず視線を向けないばかりか
あまつさえ両眼を閉じて軽く顎を引いて顔を自身のフィールドへ向けている有様。



「勝ち目が無いからと言って、口先三寸で誤魔化そうと言う方が愚かしいのでは無いかな?
そこまで言い放つのならば、この決定的な大攻勢を撥ね退け……」
「トラップカード発動、【艦隊弾幕射撃】」
「……まさか、それが切札だとでも言うつもりならば!此方は心底から見損なったぞ!!」
「そうか。やはり貴様は愚かだ」


 汎用カードの中でもレアリティが低く、汎用性は高い物の効果はそれ相応の低さである
罠カードを出された事に激昂と嘲笑が織り交じった怒号を、相変わらずの声色で斬って捨てるフランス人プレイヤー。


「何を……言って……!?」
「安心したまえ、アメリカ人」

 余りの異様な平静さ、そして圧倒的優勢に有る筈の自身に対して突如暴風雨の如き
威圧感が叩き付けられた事で漸く【異常】を認識したアメリカ人プレイヤーであったが、時すでに遅し。


「貴様のターンは終わったのだ」


 開眼したフランス人プレイヤーの両の眼は、眼前のアメリカ人ではない勝利の結末に到達し切っていた。



「【艦隊弾幕射撃】は、山札からユニットカードを指定してフィールドに出して効果を発揮する。
そして俺が指定するカードは、当然【海神の寵姫 リシュリュー】!!」
「何を馬鹿な事を……戦艦が一隻フィールドに出したところで、この飽和攻撃に耐えられる筈が無い!!」
「これは驚いた!まさか【リシュリュー】が、戦場にたった一隻だけで『舞踏会』を開く様な令嬢だと思う輩がこの世に居るとは!!」
「訳の分からない事を……!」


 アメリカ人プレイヤーの常識で言えば、罠カードでユニットカードをフィールドに追加配置した所でそれで終了であり、
結局は盾にするのが精々と言う認識であった。

342:陣龍:2024/10/19(土) 20:42:43 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

「言っただろう……貴様のターンは終わったのだと!【リシュリュー】の効果発動!手札にフランス戦艦、
フランス空母ユニットカードを持つ場合、プレイヤーは無条件にフィールドへ一枚ずつ配置が可能!
当然俺の選択は【砲火の令嬢 ジャン・バール】と【蒼天の守護天使 クレマンソー】!」
「な、なにを……」
「そして【砲火の令嬢 ジャン・バール】【蒼天の守護天使 クレマンソー】がフィールドに配置され、
場に【艦隊弾幕射撃】、【海神の寵姫 リシュリュー】が存在し、尚且つ敵プレイヤーの攻撃が航空攻撃属性であった場合!
敵プレイヤーの攻撃を全て反転させ、尚且つ強制的に敵プレイヤーの攻撃ターンを終了させるのだ!!」
「……ふ、ふさ、ふざけるなぁー!!そんな、そんな無法が通って溜まるかーー!!」
「貴様のターンは発言権と共に消滅したのだ、痴れ者!大方この様な特定条件が揃う確率は極めて低いと
想定から切り捨てたのだろうが、その結果がこれなのだ!!」



 飛んでも無く無法行為極まりない極悪連携コンボに見えるのだが、
場に一枚出せたその瞬間に勝敗が決する様なカードが設定上存在しているカードゲームも存在して居たりする事を考えると、
この位は未だ比較的常識を保っている方と言えなくもないかも知れない。



「……【持っている】っちゅーか、何と言うか……」
「確率的には、アメリカ人プレイヤーの言う事の方が最もなのだが……」
「最初っから、このゲームはあのリシュリュー至上主義者が場を支配していたって事よ。こうなったらもう止められないよホント」


 尚、そんな感じにアメリカ人プレイヤーの攻撃をそっくりそのまま突っ返し、ダメージにのたうち回るアメリカ人に対して
悪魔の様な満面の笑みをしつつ呵々大笑しているフランス人プレイヤーの仲間達は、
何時も通りの姿に何時も通りに呆れながらの安心をしていた。



「……ま、未だだ……此処を切り抜ければ、未だチャンスは残っている筈……」
「残念だが、先程言ったように、最早貴様にターンは残って等居ない」



 ズタズタのボロ雑巾見たいな有様に成りつつも、敗勢確実な状況で尚微かな勝利の光を模索しようとする
アメリカ人プレイヤーを一刀両断しつつ、フランス人プレイヤーは有るモノを取り出す。



「……10枚のコイン、って」
「いやいやいやいや、もうええやん。これ以上やるのはオーバーキルにも程が有るで」
「ヨシ、諦めよう。諦めて合掌とお墓の準備でもして置こう」
「この近くに土葬する場所でもあるのか?」
「うん、これ所謂言葉の綾と言うヤツで本当に墓穴とか墓石準備する訳じゃ無いから」


 真顔で問いかけるゲルマン人プレイヤーにあたふたする日本人少女プレイヤーを『こんな時でもまた何時ものコントかいな』と
若干呆れるイタリア人プレイヤーを他所に、ゲームは一気に終幕へと突き進んで行く。



「俺のターン!ドロー!俺はフィールドにユニットカード【流麗なる歌い手 ジャンヌ・ダルク】を配置し
【海神の寵姫 リシュリュー】の特殊攻撃宣言!」
「また……今度は何をするつもりだ!!」
「【リシュリュー】の特殊攻撃は、フィールド上に配置されたフランス海軍大型艦ユニットが五枚配置されて居る場合にのみ発動可能!
ルールはコイントス・コールナンバー!」


 このカードゲームに置いて、コイントス・コールナンバーと言うのは、10枚のコインを同時に投げ、表が出た枚数が指定した数字を下回れば、
全てのカードの攻撃力が下回った枚数×10%の補正がゲーム中永続的となった上での攻撃となり、
逆に上回った場合は場に存在するユニットカードの一番高い攻撃力に、枚数×10%が自らにダメージとして付与されると言う
極めてギャンブル性の高い特殊攻撃方法である。計算が複雑化するので一般プレイヤーには不人気だが、
一部のギャンブルプレイヤーと特殊例は好んで利用している。

343:陣龍:2024/10/19(土) 20:43:21 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

「コールナンバー……本気でやる人間が居たとはな……」
「クックック……さぁ、勝負と行こうか!俺の指定するコールナンバーは【10】!この攻撃で、このゲームの幕引きとなる!!」



 尚、このコイントス・コールナンバールールに置いて、指定した数字と表に出たコインの数が一致した場合、
その数字分がそのターン限定で攻撃力が倍増する。



「……終わったなぁ、アイツ。まぁ、向こうから仕掛けて来たんやし、自業自得では有るんやけど」
「だが、此処までの蹂躙劇となると、最早芸術性すら生まれて来るだろう」
「心底から人生楽しそうで何よりだよね、うん」


 三人娘が何処からか持って来た椅子に座って麦茶やコーヒー、サンベネデットを飲みつつ完全に鑑賞モードに入ったカードゲームは、
指定通りに天高く投げられたコインが全て表を向いた事で、対戦相手のアメリカ人プレイヤーがフィールド全てのユニットカードも自身の体力も、
フランス人プレイヤーの三段呵々大笑の中で完全に吹き飛ばされた事により決着した。酷い戦いである。

344:陣龍:2024/10/19(土) 20:47:19 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) アニメもゲームもマトモに見た事もやった事も無いミリしら人間による遊〇王的カードバトルですた()

|д゚) 尚アメリカ人プレイヤーをボコボコのダメージカンスト撃破したフランス人プレイヤーのモデルはその通りに『社長』である
    少なくとも声はあの人

|д゚) それと何時も通りに夜勤で今日が明けの、製作時間が確か2,3時間位な気がするので中身の粗は考えないで下しあ()

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最終更新:2025年04月20日 23:54