396:戦車の人:2024/10/21(月) 23:33:38 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
  • 大陸化日本-日米蜜月ルート

大陸化した日本は数多の形で恩恵を受け、同時に諸外国との外交関係で変化を迫られることになった。
その中で最も喜ぶべきことは、唯一にして最大の軍事同盟国である合衆国との、安全保障条約が維持されたことである。
いささか高齢ながらビジネスマンとしての現実感覚は健在な、共和党候補が二度目の大統領に就任したのだ。

また第102代内閣総理大臣に就任した御仁が、列島時代に比較的短命で政権幕引き、事実上隠居させられたこと。
その後任となりウクライナに民間航空機で乗り付けた前首相が、第二次内閣の組閣に成功したことが幸いした。
少なくとも両大国のトップに現実主義者が座り、国内でそれなりの反発はあれど、国家が分断されるようなことはなかった。

老いたりとはいえ短時間で莫大な財産を作り上げ、合衆国の国益第一を追求した大統領は、日本を誤認しなかった。
これまでもビッグプレイヤーであったが、大陸化に伴い国土相応に国力の跳ね上がった、グレートプレイヤーになったのだと認識。
ならばチャイナリスクを犯さずにビッグディールが行える友好国であると、概ね建設的な議論と関係を維持できたのだ。


安全保障においても同様の関係は継続され、在日米軍の兵站の一部を日本企業が負担し、展開兵力規模を維持。
つまり空母打撃群1個を中心とする第7艦隊、第3海兵遠征軍、空軍2個戦闘航空団など有力な部隊が依然健在。
特に海軍は空母打撃群に最新のフォード級空母、全艦BMD対応のイージス駆逐艦12隻を擁する強力な艦隊である。

機動護衛隊群(空母打撃群)4個、領海警備群(沿岸防衛艦隊)8個等を持つ海自と合わせ、非常に大きな抑止力と言える。
また沖縄本島も大型化し、米軍駐屯地と那覇市の距離が置かれたことで、第3海兵遠征軍も重装備の追加投入を実施。
M10ブッカー戦闘車1個大隊、M777榴弾砲1個連隊を増派し、水陸両用戦隊も揚陸艦6隻体制となっている。

陸軍も防空砲兵を2個大隊編成に増強し、やはり最新のPAC-3MSEとGEM+を装備し、自衛隊と共同運用体制を確立。
第7艦隊の項目で述べたBMD能力を付与されたイージス駆逐艦12隻、そして自衛隊と合わせ強固なBMDシステムを構築した。
なお抜け目のないことに相応のドルを支払った上で、第7艦隊の全艦は日本の造船会社で丁寧な整備維持を受けている。

397:戦車の人:2024/10/21(月) 23:34:26 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
通商においても概ね関係は健全なもので、合衆国からは中東不安定化により重要性が増大した原油を一定量輸出。
日本からは地下水枯渇、土壌流出で低下しつつある食料生産を補うべく、食品原料の輸出などが目立っている。
また日米合資による地下水枯渇阻止・改善プロジェクトも立ち上がり、合衆国の食料生産と環境再生活動を開始。

そして中国や韓国が席巻していた造船、製鉄、家電などにおいて、嘗ての安く高性能な日本製品が合衆国に帰ってきた。
それもただ現地生産などで提供するのではなく、ユニオンとも粘り強く交渉し、日本式の終身に近い雇用体制を確立。
現場側の技術抱え込みによる技術継承崩壊などを防ぎ、合衆国側の造船や製鉄の復興も行う形で、交易拡大を図った。

日本としては一定収入を持つ労働者、つまり日本製品の市場が増大し、合衆国としては一次、二次産業の長期復興に繋がる。
妖怪の孫と呼ばれた元宰相のもとで長く外務大臣を務めた現宰相、大富豪にして国益を見極められる強欲だが冷静な大統領。
この二人は日米関係を極めて良好な形で発達させ、最終的には経済進展の障害となるポリコレ勢力さえ大きく縮小させた。


無論、一度根付いてしまったポリコレ勢力は執拗に新政権へ反抗したが、階層を問わない雇用拡大がまず効果を発揮。
確実に失業率、ひいては犯罪発生率が低下し、生活水準が向上したことにより、ロウワーミドル層が見限り始めた。
中産層以上となると更に露骨で、あっさりと日本と合資で雇用、生産を生み出した始めた企業へ投資先を転換。

どれほど主義者や暇人が綺麗事ですらない何かを叫ぼうとも、財布の厚みと銀行口座の金額に勝利することは出来なかった。
そのような潮流は娯楽産業にも波及し、ポリコレに限界を感じたディズニーが日本資本提携による再起動を決心。
全く政治色のない娯楽アニメーション、SF作品を生み出し、全米で主義者以外には関連商品を含め大ヒットを達成。

これにハリウッドなども追従し、更には日本・台湾合資で再建を成し遂げたインテルなど、半導体産業もリブートを開始。
このような娯楽産業、半導体産業の整地かつポリコレ本尊であったカリフォルニア州は、何時しか豊かさにより「教え」を棄却。
やがて管理運用まで合衆国スタッフに完全に任された、これら産業やプロジェクトは、大きな成果を各分野であげることになった。

398:戦車の人:2024/10/21(月) 23:35:03 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
なお日米蜜月により最も割りを食ったのは、言うまでもなく中国だった。3億を超える市場から急速に見放されつつあるのだから。
また東南アジアや豪州にも日米製の食品や工業製品が、中国製に迫る低コストと高品質で大量に溢れ出したのだ。
これまで自転車操業で維持してきたバブルが不動産方面から崩壊し、立て直しに苦慮していた矢先に追い打ちに等しい流れだった。

せめてこれ以上に市場蚕食は防がねばならぬとダンピングを訴えたものの、絶妙に自国製品より若干高い価格設定。
つまり訴えが通った場合、自国製品も不当価格扱いされる障壁を前にして、効果と呼べるものは薄かった。
EU諸国など中国資本が産業を抑えている地域などは、依然として有効な市場だったが、こちらにも大きな問題が生じていた。

合衆国以上のポリコレの浸透、不法移民の増大により経済力を年々低下させ、急速に市場価値を低下させていたのである。
日米が欧州市場をさほど重視しなかったのは、かのパリオリンピックに象徴されるような、欧州の秩序崩壊故に見限ったのである。
なお合衆国ではニューヨーク市長が民意により解任され、不法移民は州兵や連邦軍すら動員し強制送還された。残念でもなく当然である。


では軍事力に訴えるべきかといえばそれも難しい。世界各地に分散しているとはいえ、依然、世界最強の合衆国軍の存在は侮れない。
そして大陸化日本の陸海空自衛隊は、合衆国軍の半分以上もの規模を持ち、それだけ質の高い大兵力を本土防衛に集中している。
営々とBMDシステムを共同開発してきた同盟故に、弾道ミサイルによる恫喝も効果的でなく、寧ろ反撃能力を警戒する必要さえあった。

如何に愛国教育世代が声高に叫ぼうとも、経済力や軍事力から相手国を観察する習慣を持つ国家上層部は、日米を甘く見なかった。
合衆国が一度火がついた場合、相手を叩き潰すまで戦争をやめないことは、過去の世界大戦や地域紛争からよく知られている。
そして軍事力の拡張だけでなく法改正も済ませた日本は、韓国との小規模軍事衝突に際し、容赦なく叩き潰す姿勢を明確にしている。

不況による政府不信を含む暴発寸前の民意を取るか、当座の屈辱に甘んじ地道な経済再建を続けるか、何れも容易な道ではない。
人民共和国首席は自らの立場を終身としたことを、この時ばかりは深く後悔したという俗説も伝えられている。
唯一の救いとしては人民解放軍上層部も概ね冷静に日米を観察し、過度に挑発的な行為を謹んでいたことであろうか。

399:戦車の人:2024/10/21(月) 23:36:58 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
以上となります、wikiへの転載はご自由に。
簡単に言えばアメリカ共和党完全勝利ルートですね、ポリコレスレイルートとも言えます。
一次、二次産業復興と雇用増大、犯罪率低下による合衆国再起動。
冷戦時代に近い日米安定関係の構築、そして中国ハードルートです。

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最終更新:2025年04月20日 23:56