517:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:01:37 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
プリンセス・プリンシパル パラレルヒストリー

劇場版プリンセス・プリンシパル 10年目の復讐 ロンドンは燃えてるか!



時は19世紀末。欧州の超大国アルビオンは東西に分裂していた。
北のアルビオン共和国、南のアルビオン王国。
この二カ国とそれを取り巻く国々による冷戦が現在の欧州情勢である。

これはそんな分裂したアルビオンにて日々活躍する少女スパイたちの物語である。
しかしそれは原作と呼ばれるものとは大きく違うようで…?



〇ロンドンの悲劇
10年前に起こったアルビオン革命の別名である。
いや…むしろ世間にはこちらの呼び方の方が有名であろう。

大婦長ドクトレス・フローレンスの死、当時日ア両国融和のために留学していた幼い貴族子女の悲劇、改革派筆頭であった王太子夫妻の事件。

アルビオンが分裂し、日本が距離を置き、世界経済へ大きな混乱を招いた大事件である。

特にア国医療・統計の太祖であり親日家で日本でも良く知られていたドクトレス・フローレンスと日ア融和の象徴であった公爵夫婦の悲劇は日本の民衆からの大きな反感を抱かせインド洋戦争以降に両国が務めた日ア友好を破綻させるのには十分な切っ掛けであった。

これらの事件とその発端となったアルビオン革命は当時の日本を始めとする世界の投資家たちが手を引くには十分な理由であった。
これにより引き起こされたロンドン大恐慌と言われる世界恐慌は世界中に波及し、10年経った現在でもその損害を引きずっている有様である。


また大婦長の死によりアルビオン本土からのナイチンゲール協会こと大アルビオン医療協会の本国退去(退去後は北米アーカム候領に本部を移転)したことによる本国医療レベルの低下。
同時に婦長の死、公爵夫婦の悲劇、割れた祖国、改善が見えない経済、それによる治安の悪化とそれらを気にせずいがみ合う王国、共和国両国に対し嫌気を覚えた少なくない人材が欧州大陸領土、新大陸領土、オセアニア領土などに逃避。
アルビオン本土の人材層及び資本量を更に目減りさせる結果となった。


最も大きな要因は日本との関係悪化であろう。

元々日本とアルビオンは東西の超大国であり、睨みあう関係性であったが、それが軍事衝突に発展したのが数十年前のインド洋戦争である。

しかしこのインド洋戦争によるアイアンボトムサウンドの形成は両国首脳部に軍事衝突の不毛さを覚えさせ、以降は積極的な友好、融和姿勢による世界の分割、超大国の共存共生の道を歩ませることになった。

それ以降の数十年は世界経済の絶頂期であり、同時に日ア両国の仲がこれまで以上に深まった時期であった。

その象徴とも言えたのがアルビオンにおける王位継承権三位の王子とかつて帝の妃も輩出した歴史を持つ日本貴族子女の婚約であった。

日ア融和の象徴と言われたカップルの誕生はセンセーショナルな出来事として話題をさらい、更に当の両者の仲も非常によろしかったことから両国の民衆に広く受け入れられることとなった。

更に当時アルビオンで辣腕を振るっていたナイチンゲール女史も若い頃の留学から親日(詳しくは知日派。日本から多くの知識と機材を仕入れていた)姿勢もあり、当時の日ア関係は非常によろしいものとなっていった。

518:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:02:10 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
そしてその流れを引っ張っていたのも当時の女王夫婦と王太子夫妻である。
特に王太子夫妻は夫婦そろって改革派の人物であり、アルビオンの改革と日本への友好姿勢を引っ張る旗頭だったのだ。

しかしそのような人物たちが一斉に失われたのが10年前のロンドンの悲劇。アルビオン革命である。

革命派の王太子夫婦暗殺から始まった一連の出来事は革命派、王国派問わず救助活動をしていたナイチンゲール女史を過激な暴漢が襲い殺害、両者の衝突を止めるために奔走していた最中に暴徒により屋敷ごと焼かれ留学していた日本貴族子女の焼死などを経て日本側に大きな不信感を抱かせることとなる。

特に事件の元凶とも呼べるアルビオン共和国への姿勢は冷淡とも言える状態であり、最低限の国交樹立以外には未だろくな交流もない超低空飛行状態が続いている。


現在。国際関係はある程度の回復こそされているが、両アルビオンの睨み合いは続いており、また日本も両国への対応は一歩引いた姿勢を貫いている。
これがまたよろしくなく、共和国は態度の硬化が進み軍拡姿勢を続けている。
王国も疲弊しながらもそれに対応し続け、日本は両国との関係へは一歩引いた状態を維持していた。

ロシアなど他の大国はこれを契機にアルビオンの弱体化を狙っていはいるが、日本は王国側寄りの中立を維持している関係、共和国への冷淡な視線を隠さないことからアルビオン共和国側への投資、支援は余り盛り上がらず、かといって今まで強敵であったアルビオン王国への投資も躊躇われていた。

ダブった資産は日本主導のパナマ運河工事にこそ投資されたが、それ以外では昨今成長著しいインド市場やアルビオンの新大陸側に投資されることとなり、経済も幾分回復の兆しが見えてきていた。

そんな徐々に世界恐慌から復興し始めた中で文字通りの爆弾となる出来事が起きた。
アルビオン共和国によるケイバーライト爆弾の開発成功の報である。
以降のこの爆弾を巡って暗闘が起こるのだが、それはまた別の話。

519:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:03:01 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
〇章ボスキャラたちのセリフ


「ケイバーライトの可能性を君はどう思う? あれを適切に使えば人類は星々の海にだって届くのだヨ」

「そう。私こそ犯罪会のナポレオン、プロフェッサーM、ロンドン一危険な男と呼ばれる者!
憂国紳士倶楽部の代表ことジェームジズ・モリアーティさ!」

「星はいいぞ…星はいい…大概の悩みは星の海からすればちっぽけなものと思えるのだ。
だからそう悩まず好きなことをするといい。世の中やったもの勝ちなのだ。そうだろプリンセス?」


劇場版第一章のラスボス。星はいいぞおじさんことモリアーティ教授。
劇中では日本のケイバーライト研究論文に脳を焼かれた宇宙大好きおじさんとして登場する。
ロンドンの大学で教鞭を取りながら、ロンドン天文観測倶楽部にて星と宇宙について力強く語るアラフィフ。
一時はプリンセスの家庭教師を務めた経験もあり、彼女からも教授、おじさまと呼ばれ親しまれている。
しかしその実態はロンドンの犯罪組織をまとめ上げる悪のカリスマ。

第一章は両アルビオンの諜報部共同作戦で彼が率いる犯罪結社を一網打尽とする話である。

最終的には乱入してきた探偵ホームズと白鳩チームが共同。追い込んだ末にライヘンバッハの滝に身投げして姿を消した。

しかしEDの後にプリンセス宛てに手紙が届き、上記の好きにやってみろ、私はやったとの応援メッセージが届く。
なお本人は元気に生きており、名前を変えて日本に亡命。現在ロンドン事情におけるアドバイザーを行いながら好きなだけ宇宙開発に精を出している。




「そうとも…ナイチンゲール婦長ならできたぞ?
ナイチンゲール婦長ならできたぞ?
ナイチンゲール婦長ならできたぞ?
ナイチンゲール婦長ならできたぞ?
ならば不可能なことなど、この世のどこにもありはしない!!」

「ああ、素晴らしきかな!婦長の意思を!志を受け継ぎ進む限り人の可能性は無限大なのだ!」

「全ての心は一つなりっっっ!!!」

劇場版第三章のボスキャラ本名は明かされずロンドン市長の名で通っている。通称は糞眼鏡。
アルビオン王国の現ロンドン市長であり、女王の信任も厚い人物。

しかし実態は過激なナイチンゲール信奉者であり、悪い意味で彼女の死にへこたれずに新しい野望を覚えてしまった類。

ロンドン中に張り巡らされているケイバーライト地下坑道を爆破し、東西ロンドンそのものを首脳部、人材共に消滅させ、新しいアルビオンを作り出そうと画策する。
その手段の一つとしてケイバーライト爆弾に目を付けた。

言うところのドクトレス派の人間であり、若い頃に辣腕を振るう婦長の勇姿に脳と目を焼かれ盲目となった存在。

ロンドンの悲劇で婦長が殺されて以降は革命の原因となった現在のアルビオン社会という病巣を取り除くために劇場版以前から暗躍し、時には王国の情報を流し、時には独自に手に入れた共和国の情報を流すなどして邪魔となる両アルビオン諜報機関の弱体化を進めた。

手駒として過激な婦長信者を同志と装いながらも操り、時には他の黒幕と手を取り合い、動き出してからは継承権第一位の王子を暗殺。人々の注目をそちらに向かわせた隙に奪った爆弾の起動を図る。

前章でバベッジの遺産を探していたのも彼の手先。過激なナイチンゲール信者たちである。
最終的にはアンジェたちに止めを刺され、計画は未遂に終わった。

520:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:03:55 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
「はは。僕の目的かい? それは勿論祖国のためさ」

「まずはロンドンを潰す。両方共だ。市長の奴のプランを流用させてもらう形でね」

「そうさ。ロンドンを潰し、その混乱の最中に新大陸の軍勢が救援名目で本土になだれ込んでくる。
そして共和国も王国も制圧するのさ。
後は復興の名の下で疲弊した両国を取りまとめ、そしてロンドンの鉱脈利権を日本にうっぱらう」

「既存坑道を潰すから改めて掘らないといけないけど、それでも十分ペイできる。
どのみちケイバーライト鉱山なんて世界でも数えるほどしかないからね」

「それで得た金なんて端金さ。本命はロンドン鉱脈の採掘をもって日本経済圏に参加することが本命。それでアルビオンは蘇る」

「君たちは知っているかい?近年日本では宇宙開発が過熱していることを。
そしてそれには大量のケイバーライトが使われているのさ。
例え1から新しく掘ることになろうとケイバーライトは必用されている。幾らでもね!」


「合いに来るのが遅れてごめん。でも怖かったんだ…君が死んだ…でも君が愛してくれたロンドン(故郷)に行くことが」


「本音?ああ、そうさ…祖国の統一、アルビオンの回復、人類の宇宙進出。全てどうでもいい!」

「父上と母上を!ナイチンゲール先生を!そしてエリーを奪ったこの国が憎い!」

「安穏と生きている国民も、反省しようともしない貴族共も、元凶の癖にのうのうと生きている共和国も皆愚か者だ!」

「だけどねシャーロット…あのバカげた革命の清算…それは誰かがやらないといけないことだったんだよ」


第四章のボスキャラは継承権第三位。アーカム候リチャード。
原作でもブイブイやらかしている新大陸領土を受け持つ王子様である。

彼の目的は両アルビオンの統一とアルビオン経済の回復。
そのためにロンドンを全て焼き払い、その復興名目で新大陸の私兵を本土へ進駐させ、混乱のどさくさ紛れに両国を武力をもって制圧。
進駐後はロンドン鉱脈の利権をエサに日本からの投資を呼び込み、再びアルビオンの経済を日本経済圏に参加させることが目的である。

…というのは全て建前。本心では10年前に家族と尊敬していた師、そして愛する婚約者を奪った全てが憎く、ロンドンと両アルビオン首脳部を灰燼に帰すことこそが真の目的であった。
その本心をプリンセスに言い当てられ激高したのが上記のセリフである。

モリアーティ教授の犯罪結社やロンドン市長への情報提供なども全てリチャード王子の支援であった。
劇場版における全ての黒幕とも言える。

その後プリンセスのことを撃ち殺そうとたが、引き金を引く前にアンジェに撃たれる結果となった。
最後のセリフは祖国への思いも決して嘘ではなかったことの吐露である。
その言葉はプリンセスに向けていったものか、はたまたその横にいたアンジェ(本当の妹)に向けていたかもしれない。
しかしそれはもう誰にもわからない。

521:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:04:26 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
〇設定とか色々

  • インド洋戦争
数十年前にインド洋で起こったアルビオン王国と日本帝国の軍事衝突。

インド洋を舞台に両国共に大量の飛行艦艇と海上艦艇を動員。一大決戦となった。

戦況は装備、性能で勝る日本側が優勢であったが、アルビオン側が航空艦艇を用いた特別攻撃こと衝角戦術を敢行。
最終的にはインド洋に動員したアルビオン東洋艦隊(空中艦隊)は全滅したが、日本側の艦隊も半数が大破、沈没するという結果に終わった。

以降大量の船の残骸が沈んだことを指してアイアンボトムサウンド(鉄底海洋)の戦いを称されるようになる。

この戦いの後にインド亜大陸諸国は日本側へ強く靡くようになり、アルビオンはインド・東南アジア利権をほぼ失うことになる。

しかし此度の損害から両国の間では厭戦感情が強くなり、講和後は両国融和路線へと舵を切っていくこととなった。



  • アルビオン改革またはロンドンの粛清
アルビオンにおいてインド洋戦争後に吹き荒れた改革とそれに伴う粛清人事のこと

同戦争はインドをはじめとするアジア利権の維持と取得を強く押し出した貴族派によって始まった戦いであり、当時のアルビオン王家や王室派貴族は反対の立場であった。

このため戦後は戦争を推し進め、実質敗戦となった責任を貴族派に取らせることとなった。
この際に王室主導の改革や人事の一新などを行い、多くの貴族派が更迭、左遷されることとなる。
この際に特に活躍したのが女王の右腕と称された女傑フローレンス・ナイチンゲールであり、彼女の医療改革によりアルビオンの衛生環境は大きく一新されることとなった。

また当時まだ存命であった女王の子息子女たちや若き日のノルマンディー公も活躍し、日本との融和政策と合わさりアルビオン上層部は改革派によって占められることとなった。

以降は前述した通りの日本との融和外交を行い、日ア関係は絶頂期を迎えることとなる。

特にアルビオンの上流階級は日ア融和による両経済圏の接近のおかげで好景気に沸いており、市民においても日本領と距離の近い新大陸領やオセアニア領を中心に徐々に好景気の影響が広がり始めていた。

反面人事粛清による一時的な国家機能の低下、実質的な敗戦及びインド洋圏を失ったことによる不景気も発生しており、特にアジア、新大陸の経済圏から距離の離れているアルビオン本土…特に資産の流動数が少ない中層、下層においては未だ日ア経済接近の恩恵が届きにくく、アルビオン経済全体の好調とは反比例し、アルビオン本土における市民感情と経済は冷え込みがちであった。

無論当時主流となっていた改革派もこれらへの対応に奔走していたが、粛清人事を行い数的に主流であった既存貴族派を追いやったことによる人材不足は否めず、初動対応に遅れがちであった。
この対応の遅れからくる本土市民、特に地方民の不満・悪感情が後のアルビオン革命の要因に繋がったと言われている。

これに対する日本からの援護という名の市民感情緩和(人気取り)の一環が当時十数歳であった日本公爵令嬢恵梨香と当時アルビオン王国王子の一人であったリチャードの婚約と恵梨香女史のアルビオン留学決定である。

彼女の留学と共に日本からの投資が呼び込まれ、これにより少なくともロンドンにおいては市民レベルにまで好景気が回り始めることとなる。

しかしこの影響はあくまでロンドンを始めとする首都圏にとどまり、地方までは中々広まっていかず、むしろ一時的にせよ地方と中央の格差を増大させることとなった。

後にこれが革命の要因の一つと恵梨香女史在住屋敷の焼き討ちに繋がったのではないかとの説も出ている。

522:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:05:38 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
  • アルビオン革命
インド洋戦争後に起こったアルビオンを二分した出来事。
しかし革命の名よりも当時の改革派中枢が挙って死した故に名付けられたロンドンの悲劇の通り名の方が有名である。

改革派の中心であった当時の王太子夫婦暗殺から始まった騒動。
地方を中心に格差是正を求めるデモが連鎖し、その流れに乗った貴族派を中心にロンドンでも大規模な暴動、衝突に発展。
国を二分する羽目となる大事件となった。

その最中に反日感情の強い過激な一部市民の手により恵梨香女史在住の屋敷が焼き討ちされ、女史は焼死。
衝突の最前線にて派閥問わずの負傷者救助を行っていたフローレンス婦長が暴漢に襲われ死亡。
またこの革命により改革派を担っていた多くの王族も死亡し、主要な生き残りは女王とノルマンディー公、そして女王の孫である四人の息女のみとなってしまった。

恵梨香女史が犠牲となったため日ア融和もご破算となり、革命による不安定化も相まってアルビオン本土から多くの日本資本が引き上げることとなり、ロンドン大恐慌が発生するなど、世界的にも非常に大きな影響が出てしまうことになる。


しかしこの革命。訝しい点が幾つもある。
地方でのデモの連発。王太子夫婦の暗殺、日本屋敷の焼き討ち、婦長の死亡。
余りにも当時の革命派に都合の良すぎる連続した一連の出来事は、革命派がやったことなのでは?という陰謀論が根強い。


実際のところ日ア両政府が調べ、行きついた結果は余りにも救いのない真実であった。
全て別途の思惑の下で起きた事件なのだ。つまり関連性がない。

王太子夫婦暗殺は一連の改革で更迭された貴族による独断。これが偶然成功した。

日本屋敷焼き討ちはとある反日“王室派”貴族による独断。私兵を交えて不況で苦しんでいた労働者を煽って焼き討ちさせた。
何なら当の貴族は殺す気はなく、恵梨香女史が避難したものと思って行った結果であった。

婦長殺害の暴徒は革命派の過激派貴族による反抗。
借金漬けにし、酒と薬で酔わせて襲わせた。理由は一連の改革で以前の席を追われたため。

これら別々の反攻が偶然全て成功したに過ぎなかったのである。

そしてこの革命騒ぎに関しても事実は非常に不愉快なものであった。
地方の反乱は粛清人事により当の地方に左遷された貴族派が行ったものであり、対してロンドンでの暴動は何と王室派の貴族が画策したものであった。

貴族派が求めていたのは彼ら自身の復権。
今回の騒動の責任を取り、改革派を引きずりおろし、国家の中枢に返り咲くことが目的であった。

対して革命騒ぎに協力した一部王室派の目的は日本の影響力の排除である。
良くも悪くも国粋的だった彼らは革命騒ぎによって恵梨香女史に脅しをかけ、治安悪化を名目に婚約破棄と国外への退去を狙っていたのである。
なお遠のく経済復興については他国への飛行艦艇の運営利権の貸し出しで補うつもりであった。

しかしながら知っての通り王太子夫婦、婦長、恵梨香女史全員が偶然死んでしまったことで彼らの思惑は一転する。
全員の死の責任を負う羽目となった旧貴族派は祖国に戻ることはできず、逃げ先として共和国を作り上げる羽目となった。

一部王室派改め国粋派は彼らが報じていた王太子夫婦と偉大なる婦長を失い、更には予期しなかった恵梨香女史の死まで重なり改革がとん挫することを確信してしまった。

結果残ったのは偶然と出来心によって二つに割かれた祖国(アルビオン)と不景気に苦しむ国民と植民地であった。
彼らが奉じた偉大なる祖国は消え去ったのだ。

なお調査後のアルビオン王国及び共和国では当時革命を主導、または支援したと思われる旧貴族派、国粋派の主要な人物が相次いで怪死する事件が起こっている。

そして10年経つ頃には当時の革命を主導した人物の多くが鬼籍に入ることとなる。
これを行ったのがアルビオン王国側の諜報部による粛清なのか、はたまた日本からの報復だったのか、もしくは大事な者を奪われた者たちによる復讐だったのかは闇の中である。

523:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:06:17 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
  • ナイチンゲール協会
正式名称は大アルビオン医療協会。
フローレンス・ナイチンゲール女史が設立したアルビオンの医療技術、衛星概念向上を目的とした組織である。

女史の辣腕とこの協会の貢献によりアルビオンにおける医療・衛生環境は大いに改善された。
ナイチンゲール協会とは同組織設立時に挙げられた名称候補の一つ。
流石にそれは婦長自身が嫌がったため今の名前となった。

しかしロンドンの悲劇で偉大なる始祖ことドクトレス・フローレンスが亡くなって以降は誰が呼び出したのかナイチンゲール協会の名が広まっていった。
いつの間にか広まったその名はあの優しい婦長の名を忘れないでほしいという思いが込められていたのかもしれない。

婦長死亡後も冷静に対応し、革命に揺れるロンドンにおいて死傷者の数を大きく減らすことに貢献した。
しかし以降は協会の外において婦長を慕う者たちと、それに反発する者たちの衝突が相次ぎ、協会の存在そのものが争いの火種になったため、内心苦しくも本部を新大陸に移転することを決定。
以降ロンドンには小規模な支部を幾つか起き、その活動をアルビオン本土外に移すこととなる。

この際に協会から離反してまでロンドンに残り続けた面子も少なくなく、後にロンドン市長となる眼鏡の男もその一人であった。
表向きには彼らは婦長の意思を継ぎ、ロンドンの医療・衛生を保ち、改善するために残った勇士とされている。



  • アルビオン共和国
格差是正を求めた市民によって建国された平等と自由を国是とする新国家。
…というのは建前。実際にはインド洋戦争以降に粛清され主流の座を追われた旧貴族派が作り上げた人造国家である。

原作ではアイアンサイド党が音頭を取り行った革命で建国された国であるが、この世界では地方の反乱と首都圏の暴動が重なり地方領主と旧貴族派が手を取り造られた国となった。

領土は本土の北半分。南米領土と北部を除くアフリカ領全域。

実際のところ旧貴族派の権力復権を目指し起こした騒ぎが革命にまで発展し、一部の馬鹿の行動によって元の鞘に戻れなくなった末に建国されたという非常に後ろ向きな国家である。

最も後ろ向きなのはスポンサーとなっていた旧貴族派だけであり、実務を担当している軍人や理想を信じて参加した資本家や地方貴族、役人などは酷く真面目に働いている。
特にインド洋戦争で痛い目を見た高級軍人の多くが参加しており、国家規模に反して軍隊の規模は中々なものへとなった(反面婦長に借りのあるベテラン兵や現場組ほど共和国軍に参加しておらず、ベテラン高級士官と実戦経験のない地方守備軍や新しく兵士となった新兵によって構成された組織になっている)

独立後は本国の方針に不満を持っていた南米領やアフリカ領が多く参加しており、アルビオン連邦条約という一種の軍事同盟機構となっている。

軍事的、経済的にはかつての王国に劣らないものを持つ反面、革命騒ぎで融和ムードをぶち壊された日本からは非常に冷ややかな視線を向けられている。
また恵梨香女史の実家からは仇敵発現まで飛び出しているなど日本貴族界隈からは明確に敵視されている。

日本から距離を取られているという一点のみでそれ以外の国々も投資を渋りがちであり、経済は軍拡という名の内需に頼り勝ちである。
特に王国に恨みを持っていたはずの欧州諸国すら左程支援しないなど外交的には孤立気味である。

まあ日ア融和ムードのお零れで経済的に好景気になり始めていたところをぶち壊されたのだからさもありん。

現状最も共和国に投資しているのは一応飛行艦艇の共同運用をエサに引き出したロシアやオスマンからの投資。
それも両国は日本の態度を見てから決めているなど、事実上義務的なものであった。


現在革命から10年目。当時の指導層の多くは王国や他からの報復により多くが鬼籍に入っており、現在の主導部は現場からの叩き上げが多く、むしろ以前より健全な運営がなされるようになっている。
現在共和国議会を主導しているのが数年前に与党の座を取った市民派のアイアンサイド党というのは非常に皮肉な結果であろう。

現在の共和国指導層は軍拡からインフラ投資への転換と日本及び欧州諸国との関係改善の模索など非常に常識的な対応を進め始めている。

524:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:07:01 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
  • アルビオン王国
インドを失った後に日本との友好関係構築に成功したと思ったら革命で全部ぶっ壊された元超大国。

現在は本土の南半分、欧州大陸領土、北アフリカ領土、オセアニア領土、新大陸領土が残っている。

日本が革命騒ぎにより一歩引いたため経済的に一時困窮していたが、共和国ほど関係性が断絶していたわけではなかったので、ある程度の投資は呼び込めた。

現在は10年の冷却期間を通して改めて日本との関係性を深めており、ロンドンの悲劇10年目で日本からの慰問団が訪問するなど、徐々に寄りを戻し始めている。

なお新大陸領に関しては元々日本と東西で分かち合っていたこともあり、革命後も経済的交流が強く続いていた。
このため新大陸領に関しては好景気を維持しており、このことがアルビオン王国経済が比較的早くに落ち着く要因の一つとなっている。




  • パナマ運河
史実より早くに掘られ始めた運河。
日本が主導し、アルビオンの大陸領やロシア、オスマンなどの大国も投資している一大プロジェクト。

本来は日ア友好を記念して行う予定であったが、革命で予定がぶっ飛び、更に世界的な不景気が到来したため、それを払しょくするために日本が単独で強行した大インフラ工事である。
近年ようやく工事が完成し、運用が開始されている。

525:トゥ!ヘァ!:2025/02/20(木) 19:09:05 HOST:FL1-49-129-132-132.kng.mesh.ad.jp
投下終了

日本「せっかく友好築いて百数十年早いグローバル経済作り上げようとしたのにどうして…」

夢幻会「どうして革命が起きて両国関係も破綻しているんですか(現場転生者並感)


自分独自のプリプリネタ作りたいなぁっと思って書き上げました。

実は日本やアジア側の設定はあんまり考えていなかったり…
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最終更新:2025年05月18日 15:26