679:戦車の人:2024/11/05(火) 22:29:33 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
大陸化日本-小火器その2

  • 89式5.56ミリ小銃(B)

平成元年より長期間に渡り調達が行われ、64式等の後継として列島日本時代にのべ14万挺以上が調達された5.56ミリ小銃。
64式に比べ格段に減少した部品及び生産点数、高い信頼性、優れた命中精度など、同世代の小銃に遜色ない性能を持つ。
また64式以来の豊和工業が開発した国産小銃の常として、バイポッドも備えており、陣地防衛などではより高い火力を発揮する。

この小銃も大陸化にあたり数量を大幅に増大しているが、平成12年度以降の生産モデルが89式小銃(B)として型式が変更。
89式に対して過剰装備だったラチェット式バースト機構を排除し、部品点数を減少させ、一方でピカティニー・レールを装備。
更には豊和工業が89式のハンドガードに最適化したフォアグリップも追加され、プレ20式といった構造となっている。

なお前期生産型の89式もバースト機構の取り外し、ピカティニー・レールやフォアグリップの装備には十分対応可能である。
列島日本時代においても防衛技研(当時)や豊和工業で、同種の装備の追加研究が行われ、89式は十分それに応えた。
普及しなかった、出来なかったのは偏に予算不足故であり、一部で言われたような発達余裕の乏しさが原因ではない。


無論、当初より新規設計を行い新時代のドクトリンに最適化された20式には及ばず、段階的に代替が行われている。
だが35年以上に渡る運用に耐え、問題解消を含め技術的に枯れており、基本設計も確かなことから今なお多数が運用されている。
特に制度改定により除隊後の登録者が増えた予備自衛官向け、あるいは空自や海自、海保などにも十分な数が普及。

近年の凶悪テロへ対応するために規模拡大、法改正等が行われた、警察庁指揮下の重武装警官隊にも相当数が転用された。
銃器対策部隊、国際空港警備隊、原発特別警備部隊等がそれに該当し、それぞれの任務に応じた改装の上で配備。
総じて折畳ストック、ピカティニー・レール、フォアグリップ、ドットサイトなどを適用され、実包も無鉛式かつ鋼製弾芯を用いている。

予備自衛官、あるいは重武装警官隊向けには依然として有用な性能。そして耐用年数を持ち、取り回しも優れている。
実弾射撃訓練の増加により、その傾向は変わっていくであろうが、向こう10年以上は保管装備を含め運用されるものと考えられる。
なお輸出も一時検討されたが、既にAR-15系列がトップシェアを占める状況では意味がないと、早々に断念された。

680:戦車の人:2024/11/05(火) 22:30:29 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
  • ミニミ軽機関銃(B)/(C)

自衛隊は小銃が7.62ミリから5.56ミリ弾に移行したことに合わせ、分隊支援火器も62式機関銃からミニミ機関銃へ変更。
平成5年より住友重機械工業がライセンス生産をおこな兎形で配備を行い、そしてけして無視できない問題が生じた。
ミニミを選択した事自体は問題ではなかった。欠点皆無というわけではないが、基本的に信頼性と実用性に優れた機関銃である。

問題はライセンス生産を行った住友重機側に存在した。同社は自社製、ライセンス生産を問わず意図的な強度偽装を実施。
平成25年に発覚するまでミニミを含め5000挺以上の住友製機関銃が、何らかの強度不足を露呈したのである。
後に検査ソフトウェアの意図的な改ざんも発覚し、住友重機は防衛省から指名停止を受け、既存銃の補修のみ請け負うことになった。

やがて強度不足を露呈したライセンスミニミを代替するべく、自衛隊はFNハースタルのミニミMk3機関銃の採用を行った。
ハンドガードとバイポッドの統合化、調整可能なパッドストック、各種部品のより迅速な交換など、全般に渡り改良が施されている。
列島日本時代は豊和工業、日本製鋼所などが普通科火器や火砲で限界なことから、輸入調達が行われていた。


大陸化以降はFNハースタルとの契約が改定されており、豊和工業がライセンス生産を行い、こちらは強度等々に問題はない。
調達予定数も2万挺を軽く超えることから、信頼の置ける国内企業による生産が可能となったことは、望ましいことである。
この新型ミニミはミニミ軽機関銃(B)という名称で採用され、年産3000挺以上のペースで製造と部隊配備が進んでいる。

またミニミMk3はレシーバー、バレルなどを特別な工具なく交換を行い、7.62ミリNATO弾を射撃することも可能となっている。
これは米軍のMk48等の構造を参考としたもので、自衛隊でも20式小銃に7.62ミリモデルが存在することと類似している。
近年のアーマーベストの普及と高性能化から、しばしば5.56ミリ自動火器では本当に命中しても威力不足という事例が増加。

このような状況を受けて自衛隊においても、ミニミ軽機関銃(C)という名称で7.62ミリモデルも並行して生産調達を開始。
即応機動部隊や空挺旅団、水陸機動旅団など普通科の精鋭部隊から、段階的な配備が始まっている。
また長大な滑走路を持つ航空基地を守る、空自基地警備隊でもC型採用が行われ、車載機関銃としても運用されている。

681:戦車の人:2024/11/05(火) 22:31:13 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
  • 84ミリ無反動砲(B)

陸上自衛隊が列島時代から愛用している、スウェーデン製の携帯式無反動砲の傑作。生産は豊和工業が担当している。
昭和に採用されたM2型はやや重たいが何より堅牢で、ライフル砲故に多目的榴弾、発煙弾、照明弾と多彩な砲弾を扱えた。
01式軽MATや中多など優れた対戦車誘導弾の普及後も、職種を問わずに汎用携帯歩兵砲として重宝され続けている。

大陸化以降の陸上自衛隊では実に15000門近くが配備されているが、その半数以上がM3型に更新されていた。
内筒や閉鎖機のみを鋼製として、それ以外を軽金属や合成樹脂に置き換え、大幅な軽量化を図った新型砲である。
諸外国で初期段階では強度不足が露呈したが、自衛隊に配備されたのは問題をほぼ解消した後期生産型である。

やはり生産は弾薬共々豊和工業で行われており、大幅な軽量化により扱いやすくなり、後方職種にも配備されている。
野戦において2名で扱える歩兵砲という、オンリーワンに近い兵器であり、今後もM2型のM3型への更新は継続される。
なお202X何度からは内筒をチタン合金に変更し、レイルシステムを追加した最新のM4型の導入も決定済である。


本砲は後装式の無反動砲であり、射撃に際しては陣地構築を含めて後方爆風に警戒、配慮を行う必要がある。
射撃チームは射手、装填手の2名であり、発射時には無反動砲の常として盛大な爆風を生じるため、位置は暴露する。
故に即座の射撃陣地転換が必要で、発射速度も毎分5-6発と常識の範疇で、一見凡庸な無反動砲である。

その真髄は多種多様な弾薬への対応で、タンデム弾頭の対戦車榴弾、軽装甲目標の破壊も可能な多目的榴弾。
最大2キロ先まで飛翔、周辺500メートルを照らし出す照明弾。敵散兵の照準を阻害する発煙弾さえ射撃できる。
上で「歩兵砲」と述べた通り、2名で扱える重量10キロ以下の火砲ながら、汎用性が非常に高いのである。

故に陸上自衛隊普通科部隊では、01式軽MATを中隊付対戦車小隊、中多を大隊付誘導弾中隊に。
そして小銃班には必ず1門の84ミリが配備され、またそれを強く望まれるなど、小銃隊員の友といえる存在である。
なお現行のM3型にもレイルシステム追加が進んでおり、ACOGなど小銃と共通の照準補助装置を用いることも可能である。

682:戦車の人:2024/11/05(火) 22:31:47 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
  • 01式軽対戦車誘導弾(C)

本来は84ミリ無反動砲の後継として川崎重工で開発が行われ、今世紀初めに正式採用された携帯式対戦車誘導弾。
2名運用、赤外線画像誘導、挺進及びトップアタック選択可能と、全般的な構成は合衆国のジャベリンに近似している。
一方で赤外線センサに冷却が不要で、ジャベリンより相当軽量であり、対戦車戦闘では高い即応性を持つなど相違点も多い。

84ミリの後継として用いるには、当時の赤外線画像誘導が陣地、建築物誘導に適さないなど、及第点とは言えない。
しかし純粋な対戦車火器として見た場合、撃ち放しが可能で、射程は2キロを超え、命中すればMBTでも十分撃破できる。
本誘導弾の運用を参考に開発された中多ほどではないが、十分に画期的な対戦車火器であった。

また電子機器を中心に全面的なCOTS化が行われ、それ故に誘導弾シーカーや射撃指揮装置の更新も容易であった。
後期生産型は雨天等の悪天候にもかなり強くなっており、照準システムの演算及び即応能力も相当に向上している。
列島時代の最終生産数は1000基を超える程度で、普通科連隊によって装備する部隊とそうでない部隊に分かれた。


大陸化以降は実に5000基以上に増え、装甲車以外の車両も大幅に増えたことから、部隊への配備方針を転換。
普通科中隊付の対戦車小隊に4-6チームが配備され、敵戦車や歩兵戦闘車などのAFVを集中的に攻撃する。
それで対応困難な目標は大隊付の中多中隊が対応するなど、複層対戦車火力を構築する火器として再編された。

またCOTSを主体とした性能改善も継続され、中多で実用化された技術を援用。全般的な性能向上を遂げた。
ロケットモーターの高効率化により有効射程は3キロに至り、コールドローンチ方式故に陣地、屋内からの射撃も容易である。
誘導装置、射撃指揮装置も世代更新を果たし、低コストを維持しつつ、より確実な夜間悪天候照準・追尾を実現。

弾頭部も破壊最適化を推し進めたタンデム成形炸薬となり、咄嗟直接照準でも最新MBT以外の全てのAFVを撃破できる。
当初は技術未成熟、84ミリの後継としての期待肩透かしから不評だったが、現在は信頼できる対戦車火器として好評を博している。
ただしAPSやRWSが普及しつつある昨今の戦場で、敵MBTを攻撃するにあたっては、やはり慎重を要するのも事実である。

683:戦車の人:2024/11/05(火) 22:33:36 HOST:61-24-203-31.rev.home.ne.jp
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大陸化に伴いM4カービンに近い近代化を果たした89式、
7.62ミリモデルも豊和工業で生産が行われているミニミ。

そして汎用歩兵砲として多数が現役にあるカール・グスタフ。
中多の技術を援用、中隊重火器小隊の主力たる軽MATでした。
本当、予算さえあればどうとでもなる優秀な火器ばかりです。

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最終更新:2025年05月31日 23:22