317:ひゅうが:2025/03/08(土) 12:54:38 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp
中島/スホーイ 66式重陸上攻撃機「熾天」(ソ連名称:T-4MMS-J「アンゲール」)

全長:67.2メートル
全幅:67.7メートル(後退角20度) 61.2メートル(35度) 45.9メートル(65度)
全高:12.1メートル
自重:210トン
空虚重量:195トン
最大離陸重量:382トン
搭載兵器:75トン
エンジン:石川島播磨/クズネツォフ「超新星」Nk-74-Jターボファンエンジン
推力:最大29トン×6発

最大速度:マッハ3.4(高度2万5000時) マッハ2.0(海面高度)
巡航速度:マッハ2.7(高度2万5000時) マッハ1.3(海面高度)

航続距離:最大2万6000キロ(フェリー時)
     最大1万7000キロ(高高度侵入時)
     最大7800キロ(洋上低空侵入時)

武装:61式戦略反応弾(ソ連名AN-602(RDS-220))100メガトン級水爆×2 ないし自由落下型核弾頭×8~12
   ないし、65式巡航誘導弾×14(反応弾頭 何れも胴体内に収納)
   ないし、59式空対艦誘導弾(反応弾頭/徹甲弾頭)×22
   ないし、60式空対空誘導弾(個機自衛用)×8


【概説】――日本海空軍が配備した超大型の戦略爆撃機。日本側名称は重陸上攻撃機である
もともとはソ連のスホーイ設計局がソ連空軍に提案した大陸間戦略爆撃機であった
当初は、日本海空軍が配備を開始していた「ヴァルキリースキー」中島「蒼天」ことSu-4重陸上攻撃機の発展型として計画されていた
しかし、このT-4は試作機こそ飛んだものの、当時のソ連の指導者ニキータ・フルシチョフによる弾道ミサイル重視路線に加えて、スホーイ設計局自体がソ連海軍空母機動部隊用の試作戦闘機(のちのSu-27ksh艦上戦闘機に結実する)開発やSu-24改良案(のちのSu-54こと三菱72式戦闘機に結実する)の開発作業が並行して進んでおり、これに空母艦載早期警戒機計画までが進行していた(これはアントノフ設計局に移行されAn-71として正式採用された)ことから、製造および設計能力に疑問が呈されることになる
奇しくも、コンセプトとエンジンを売却した中島「蒼天」と同様の経緯である
と、ここでソ連政府にひとつの情報が入る
日本海空軍は「蒼天」の量産体制を確立していたが、アメリカ防空軍のF-106迎撃戦闘機の性能向上が著しくまた地対空ミサイル「ナイキ」の改良が進行中であるとの情報からさらなる新型機の開発を計画しているというのである
そこでスホーイ設計局は、あらためて同盟国との共同開発を提案
当時進行中だった日ソ共同開発の超巨大エクノプラン(地面効果翼機)SVPP-2500計画(なんと最大離水重量2500トンに達する)の会合においてこの計画を売り込んだのである
幸いなことに、当時、英国航路やアジア航路向けの超音速旅客機が米国との開発競争の一環として国家プロジェクトとして進行していた日本において、ベースとなる超大型ターボジェットエンジンが存在していた
戦後の品質管理の向上に加えて同盟国価格で高価なチタンにロジウムやシベリア・ミールヌイ鉱山からの多結晶型ダイヤモンドを工作機械用に提供されていた石川島播磨重工業が試作していたのは、推力29トンに達するホウ素添加ジェット燃料を用いた高出力ターボジェットエンジン「新星」だった
これはアメリカのB-70「ヴァルキリー」が使用しているそれと同一の組成である
時の首相であった佐藤栄作とフルシチョフ書記長のトップ会談によって計画は日ソ共同開発へと進展
「新星」をベースとしたターボファンエンジンの開発が、エンジン開発に定評のあるクズネツゥフ設計局(月ロケット用エンジン開発から落選したことから暇だった)と石川島播磨重工との間でスタートする
素性のいいエンジンであったことから有毒なホウ素添加燃料を廃止することができたため開発は順調に進展
1960年には「超新星(ノヴァ)」として完成するに至った。なおソ連製エンジンとしては珍しく、日本側の工作精度が劇的に向上していたことと耐熱合金を多用できたことから寿命は西側のそれと引けをとっていない

319:ひゅうが:2025/03/08(土) 12:55:15 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp

機体本体は、九州に展開しインドシナ戦争に大量の戦略爆撃機を投入している米軍の哨戒網を突破できるように低空侵攻能力を必須とされたことから、リフティングボディ(直角三角形の定規を2つ張り合わせたような形状)状の機体の外側に20度から70度までの後退角をとれる可変翼を採用して海面すれすれを飛行できるようになっていた
これにより揚力が大幅に増大したことから燃料搭載量が劇的に増加し、結果航続距離が大幅に延伸されることができていた
ただし安定性を考慮し、後部には内側に傾斜した2枚の垂直尾翼が鎮座している
しかしながら、復興途上である日本は高価な機体を甘受して量産した「蒼天」が短期間で切り札の座を退いたことからまたぞろ悪い癖を出し、一点豪華主義により機体を大型化させてしまう
「どっちみち九州から弾道弾撃たれたら西日本では即応できない。運用は最低でも関東以北の重コンクリート舗装滑走路か、硫黄島基地や北海道の基地群を使えばよい」
と割り切ったことから、当初計画の離陸重量200トンはさらに2倍近い大重量にまで増大していた
さらに海空軍は、条約に基づき大幅に制限されていた大型艦艇保有を代替するためのエクノプラン群に加えて強大な米機動部隊に対する戦術(実質的には戦略)核攻撃のために本機を使用するつもりで、これにより総機数をある程度削減することを考えていた
このため、エンジンや機体には入念な防錆措置がとられておりこれが逆に機体やエンジン寿命を極めて頑丈にできていた
このため、開き直って機体構造材にはソ連から完全輸入したチタンを用いた特殊合金の波板サンドイッチ構造が使用され、耐熱性を高める効果を生んだ
さらに、全翼機に近いことから初のフライバイワイヤ採用機でもある

これら新機軸の数々は、ソ連の流体力学研究所の全面支援もあり異例の順調さでの開発進行を達成し、1963年末には千歳飛行場の上空を初飛行
試験後の1966年には制式採用され、量産が開始された

機体の構造上の副産物から本機はレーダーに極めて映りにくいステルス性能すら有しており、その配備はアメリカ軍を恐慌状態に陥れた
しかし、フルシチョフ政権が「海軍は必要だが戦略空軍はミサイルだけで十分だ」と否定的な考えを示していたことからソ連国内では数機が譲渡され運用された以外は量産されず、もっぱら太平洋上での脅威となったことで胸をなでおろしたといわれている
ただし本機をはじめとする日本海空軍の脅威から、米軍はマッハ3級の迎撃戦闘機および空母機動部隊に搭載される超大型迎撃戦闘機(のちのF-14)の開発に本腰を入れることになる
しかしながら本機が超低空侵攻を行い空母機動部隊や九州の航空基地群、果ては西海岸の諸都市やパナマ運河を丸ごと破壊することを目指した多用途機であることには長い間まったく気付かれず、米空軍はB-70の量産を継続する結果となった
これが覆ったのが日ソが北太平洋上で実施した「オケアン83」演習で、恐慌状態に陥った米軍は冷戦最末期を彩る多数の戦闘機や戦略爆撃機群を急ピッチで開発・量産する羽目になった
生産機数は2025年時点までに改良型を含めて528機と、短期間で日ソ間で量産された「富嶽」シリーズを除けば海空軍最多である
なお、日本名の「熾天」とは炎に燃える空の意味で、ロシア名は「天使」である
NATOコードネームは「アズラエル(死告天使)」であった

320:ひゅうが:2025/03/08(土) 12:56:03 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp
以上になります
殺意マシマシ、日本海空軍!でございます…

322:ひゅうが:2025/03/08(土) 13:15:08 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp
なおこの「熾天」の元ネタは、実は史実で実在しています。スホーイT-4MS
実はかのツポレフTu-160って、この計画をスホーイから強引に回された結果凡庸な機体になってしまった――という恐るべき内実があったりします
この世界だと概ね、航空機開発の歴史が5年ほど前倒しになっているものとしたことから、この時期に登場させることとなりました

エンジンも実在のSST用のそれと、SR-71用のエンジンの機構を組み合わせたことで、同じくSR-71やSSTO巡航高度においてマッハ3以上を達成できるものと計算しております
出力デカすぎって?エンジン本体がデカいんですわこれ

最大威力の場合、100メガトン級誘導落下核弾頭を使って都市圏丸ごとや空母機動部隊を丸ごと蒸発させる、それも2発積んでるという極めて殺意の高いこの世界の日本の感情を如実に表しているものといえましょう

323:ひゅうが:2025/03/08(土) 13:16:44 HOST:FL1-27-127-13-252.okn.mesh.ad.jp
※ なお、史実のロシア空軍は35トン級のエンジンに魔改造してやると息巻いていましたが、クリミア併合やウクライナ侵略に伴う経済制裁で開発止まったまんまですね

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最終更新:2025年06月11日 20:23