65:新人艦長:2025/03/18(火) 17:38:14 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
ロッキードC-14 ハイパーギャラクシー

全長:85.0メートル
全幅:89.1メートル
全高:20.8メートル
空虚重量:280トン
最大積載量:260トン
最大離陸重量:645トン
巡航速度:860キロ
エンジン:ゼネラル・エレクトリックTF39×6
初飛行:1968年12月6日
総生産数:105機

 ロッキードC-14ハイパーギャラクシーとはアメリカが運用している「世界最大の飛行機」である。
 2014年現在アメリカ空軍に35機、NASAで3機、ロッキードとフェデックスの合弁会社であるスーパー・トランスポート・エクスプレス社で12機が運用されている。
 さらにデビスモンサンなどの飛行機の墓場には約30機が存在している。


(ハイパー・トランスポーター・プロジェクト)
 1963年、当時C-5の開発がひと段落していたロッキード社。
 一方でNASAと米空軍、そして夢幻会メンバーの実業家のロバート・マクナマラとパンナム創業者ファン・トリップは現在の航空輸送の需要や物流を分析し、ある共通の構想を抱いた。
 それが「ハイパー・トランスポーター」である。
 これは現在開発中のC-5は優れた輸送機であるが、現在開発中のNASAの宇宙往還機や今後開発される超大型ロケットのパーツ輸送、あるいは空軍では新型戦車の空中投下、迅速な欧州やアジアへの部隊や物資の輸送、あるいは現在進行形で拡大する航空貨物需要とその中で少しずつ増えつつある超重量級物資や超巨大貨物、飛行機の胴体などを空輸する需要があるが、それができる最大の飛行機は20年前の飛行機であるB-29の改造型でしかないグッピーとスーパーグッピー、そして現在開発中のC-5しかないと気がついた。そこでC-5をベースにさらに巨大な輸送機を要求したのである。
 基本構造はC-5をベースとして背中には宇宙往還機の完成機体を丸ごと搭載可能、荷物デッキは巨大で開発中のM1エイブラムス戦車を最低5両空中投下できる、ボーイングで開発中の747の胴体パーツをぎっしり詰めんこんでマイアミからシアトルまで無給油無着陸で飛行可能、当然両空港を普通に離着陸できる。
 荷物を減らせばロスから東京までノンストップ、速度は707程度で巡航可能。
 経済性は良好じゃないと論外というものであった。

 このプロジェクトの要求が出された時、ロッキードには激震が走った。
 何せ自分達が頑張って作っているギャラクシー、ただでさえ前代未聞の超巨大機なのにさらに大きな物を作れとの要求である。
 それも経済性が良い「民間と軍用同時に使う事前提の」

 軍用機メーカーとしては名門のロッキードであるが、大型民間機になると途端にエレクトラ以降(この世界ではエレクトラはちょうどDC-6世代的なポジションになった)全く作っていない。
 そんな中で前代未聞の巨大輸送機製作の依頼が来たのである。

 初めは断ろうとしたロッキードであったが、このハイパー・トランスポーター計画をベースに米軍がC-XL計画を用意、そのままロッキードに送りつけた。
 パンナムが貨物機としての購入を希望、空軍とNASAから正式な開発依頼と来た事で観念したロッキードは開発を開始した。

66:新人艦長:2025/03/18(火) 17:38:48 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
(機体概要)
 と、開発までにいかにしてロッキードをその気にさせるかを長々と語ったが、実は機体自体は大して変わり映えしない機体である。
 なぜならただただC-5を大きくし、6発にして、機体上部に物を載せれるように双尾翼にしただけの機体だからである。
 C-5と比べてもサイズ以外で変更点は尾翼とエンジン数ぐらいでほとんどない。
 唯一あるとすれば6発になったことで乗員への負担が過剰になると考えたロッキードが機体のコンピュータ制御を大幅に導入、6発機ながらクルー三人で飛ばせる程度には自動化できているぐらいである。

(運用)
 既存機の大型化、だけならば早期の運用開始ができたと思うかもしれないが、C-14の正式採用と運用開始は結局1974年になっている。
 これはベースのC-5が欠陥修正や重量関係の修正を繰り返した結果、その修正がC-14にも行き設計段階から遅延が頻発したからである。
 初飛行後も修正の繰り返しでテストパイロットから豚小屋暮らしと言われるほど格納庫で過ごした時間が長かった。
 更にC-5の事故などで安全対策が追加され、同時にビルマ戦争の皺寄せ、リフォージャー70演習でC-141の容量不足が判明等等、改修を繰り返す事数十回。
 軍用型が終われば今度は厳しい民間の安全規格向けに改修した仕様に改造してFAAの許認可を得て、と大変な苦労が続いた。
 その間にパンナムのトリップが死去、マクナマラは国防長官としてビルマ戦争を勝利に導き「ビリオネア将軍」と呼ばれるようになっていた。

 1974年、パンナムと空軍向けの量産初号機と2号機が同時に納入された。
 パンナム初号機はクリッパー・ギャラクシー号と名付けられ、パンナム納入12機は全機天体の名前が付けられた。
 空軍ではC-14と名付けられ、ギャラクシーを巨大化させた機体ということからハイパー・ギャラクシーというペットネームがつけられた。

 最終的には100機以上が20年かけて生産され、その間に段階的に改修や設計変更による改良が実施された。
 そのため後期型のB型の方がやや貨物室が広く、積載量と容積が大きい。

 空軍では戦略輸送航空団に配備されC-5と並んで米軍の戦略航空輸送の中心機体となった。
 初期生産のA型は2017年に全機退役、部品取りとして飛行機の墓場にいる。
 B型は運用可能全機が現在も空軍の輸送機として現役である。

 貨物機としても現在でも現役で、民間ではロッキード社による近代化改修工事が全機に実施されている。
 元々はパンナムが独占して運用していたが、そのパンナムが本機導入前後から経営が悪化、この機体と機を使った貨物事業は好調であったが貨物事業全体は不振に陥り、1990年、当時急激に成長しつつあった貨物航空会社フェデラル・エクスプレスに売却。
 フェデラル・エクスプレスでは機体の特殊性と数から最終的にロッキードと合弁で専門の貨物航空会社スーパー・トランスポート・エクスプレスを設立して運用している。
 NASA運用機は宇宙往還機スペースシャトル自体の輸送は結局747改造機が使用されたため出番はなかった。
 しかしロケット部品輸送やその他宇宙開発に必要な物資輸送などで活躍している。

67:新人艦長:2025/03/18(火) 17:42:27 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
以上です。
もう名前の通りギャラクシーをハイパーにしたハイパー・ギャラクシーです。
ムリーヤ欲しいけどアレは東側ならギャラクシーでムリーヤっぽいのを作ろうというネタ
そしてこれを100機作る国力の暴力

ちなみに史実にもギャラクシーの民間型はありました。
まあ「747とC-5が一緒にいるとか勿体ない。C-5の民間型でいいでしょ」とベトナム戦争中に一回潰そうとしてできた物ですが。
なんで消えたか?慌てたトリップがマクナマラに経済性を説いたらあっさり消えた。

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最終更新:2025年06月12日 20:37