84:ひゅうが:2025/03/18(火) 19:51:56 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp

  鉄槌世界戦後史ネタ


―――倉崎/スホーイ 75式戦闘攻撃機「飛龍」(ソ連名:Su-54「ドラグーン」)


全長:35.2メートル
全幅:20.0メートル(後退翼収納時) 31.4メートル(後退翼20度全展開時)
全高:6.8メートル(内傾双尾翼式)
主機:石川島播磨/クズネツォフ・ミクリンAL-41R/R-179-400可変バイパス比ターボファンエンジン×2
推力:ドライ125kN(12.7トン) ウェット220kN(22.0トン)
乾燥重量:32812キログラム(32.81トン)
最大離陸重量:85119キログラム(85.19トン)
武装搭載量:20.1トン(最大時。航続距離2500キロに減少)15トン(標準時)
武装:長距離ASM×4発(最大)
   中距離AAM×6発(最大)
   誘導熱核爆弾×12発(最大)
   23ミリ多銃身機関砲×1(装弾数1800発)
最大速度:マッハ2.2(標準武装搭載時)
巡航速度:マッハ1.2(スーパークルーズ可能)
航続距離:7500キロメートル(フェリー時) 5500キロメートル(標準時)

旋回制限:6.7G


【概略】――ソ連軍と日本海空軍が対地・対艦攻撃用に開発した戦闘攻撃機(戦闘爆撃機)である
1960年代後半、ソ連軍は主力戦闘攻撃機としてSu-24「フェンサー」(史実のT-6BMことSu-24BM)を大量配備しアルザス軍団を擁する西側諸国を驚嘆させていた
可変翼を用いたソ連お得意の機体で、シモノフ航空局長の反対を押し切ってまで強行されたフルシチョフ書記長肝いりでの日ソ共同開発がもたらしたこの機体は戦闘行動半径2400キロで地を這いつつフランス各所はおろかスペインにまで戦術航空支援が可能という恐るべき機体だったからだ
なお、「また倉崎か!」とアメリカ航空技術陣はキレたが、彼らはSu-27という傑作機を生み出すコンスタチン・フリストフォロビッチ・マルバシェフの存在や、重陸上攻撃機「熾天」こと戦略爆撃機「アズラエル(死告天使)」というさらなる衝撃が待っていることを知らない
インドシナ戦争の泥沼にどっぷり浸かっていたアメリカだったが、対抗のために史実のF-4ファントムを緊急配備
史実のF-20をF-5という名で同盟国にばらまいた
さらには冗談などではなく担当者が空軍に泣いてすがって抱き着いて空軍でも使用するという名目で空母艦載機用にF-14トムキャットの開発すら開始するという力技を見せる(これだからチート国家は…)

これを受け、早くもソ連陸軍および空軍は後継機の開発を計画し始める
そして、あの男たちが呼ばれた
OKB-Jと通称されるドリームチーム、すなわち倉崎・三菱・中島・川崎をはじめとする日本の航空技術陣である
史実と異なり、戦後もコンスタントに航空機を設計し続けていた彼らの腕はこれまでの日ソ共同開発機で証明されており、特に技術者が暴走しがちなソ連において「量産までの欠点潰しや生産性の向上」においては彼らを凌ぐとさえいわれるものを彼らは買ったのだ
とりわけ、北海道新千歳基地に設置されていた世界最大の超音速風洞やソ連にはまだ真似すらできない高性能のスーパーコンピューター群を用いた電子設計技術はソ連の垂涎の的かつ極めて有力な設計ツールとして機能していた

85:ひゅうが:2025/03/18(火) 19:52:35 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp

1969年、予定より4年遅れながらも人類初の月面着陸ならびに2種類の超大型戦略機が就役したことを祝うソ連航空界の仲に「Su-24の後継機開発」が通達
49歳と円熟期を迎えた(そう。こいつ25歳で富嶽を作りやがったのだ。怪物か)倉崎重蔵を筆頭とした日本技術陣も半年も待たず再合流し、開発がスタートする
目標とされたのは、「低空超音速巡航により最低でも10トン以上を搭載し2000キロ以上の行動半径を持つこと」ならびに、「ステルス性能」
そう。ステルス性である
ソ連軍は当時広大な国境にも関わらず常備兵力はわずか150万、これをさらに100万まで縮減するかわりに強大な機械化軍団と圧倒的な航空戦力、さらに精密誘導砲兵の嵐で米アルザス軍団を10日で大西洋に追い落とすか、敵の奇襲に対して機動反撃を展開する計画を立てていた
(なおイタリアやバルカン方面に至っては攻勢計画すら構想段階でしか存在していない。これが明らかになるのは冷戦終結後のことである)
このためには、アメリカ軍を筆頭とした西側が当時配備を始めていた野戦防空システムが極めて邪魔であった
レーダーに捕捉され誘導弾を撃たれては、航空攻撃の効果も微妙になってしまう
そこで提案されたのが、機体の形状を工夫してレーダー反射面積を抑えるステルス技術であった

当初は、プラズマ化した空気を機体に纏うか、受けた電波に逆位相をぶつけて相殺するアクティブステルス技術が考えられていたのだが、日本側技術陣は「そんな時間がかかりすぎるものはいらん」と切って捨てた
さらにスホーイ設計陣や空軍も、「この機体はシュトゥルモビクみたく延々と敵の上空に留まるのか?違うだろう。高速で低空侵入してしまえば、マッハ2なら秒速約700メートル
野戦防空システムのアンテナ高さを最大限に見積もっても地平線までの見通し距離は4キロメートル
6秒以内で西側の液体燃料ミサイルを精密誘導して本機に命中させる?できるならやってみろ」
「というか誘導爆弾を落とすならともかく、この機体はASM(空対地誘導弾)をそのはるか前から発射して離脱しとるわ」
と回答
さらには
「形状ステルスってのはレーダーから見えなくなるわけじゃない。『敵の防空ミサイルから身を守る』ためのものだ。ゆえに妙な電波吸収塗料など今は不要。飛行場で毎回塗り直すなんてやってられるか」
「地上からのレーダーに映らなきゃいいんだろ?AWACS(早期警戒管制機)?そんなもん、アメリカ空軍が量産してしかも対地支援のために送り込むわけないだろうがいくらすると思ってるんだアレ」
「わが東芝の電子力は世界一ィィィ!それをもってしても、地上スレスレを飛ぶ機体とクラッター(地上からのレーダー乱反射)処理にはあと15年はかかるわ!」
「「おい表出ろ」」
などという日本側の意見から、徹底したステルス性は捨てて最大でも通常の50分の1(0.2㎡)程度に反射波を低減することを目標として設計が進められた

これには東芝製スーパーコンピューターをフル活用したコンピューターシミュレーションが行われ、さらに航続距離延伸のために69式「熾天」で発見されたステルス要素も応用したリフティングボディ形状が採用された
結果、のちに西側が投入するF-117などの初期の形状ステルス機と異なり、B-2などに似たのっぺりとした、しかし矢じりのような形状が形成されている
また短距離離着陸(STOL)性能と航続距離の増大を目指し、離着陸時や亜音速巡航時のみに使用される可変翼は超音速巡航時には完全に機体や水平尾翼と一体化する構造がとられている
また、地上ならびに上空からの電波を攪乱する目的で、「熾天」同様に垂直双尾翼は内傾された全遊動方式を採用した

86:ひゅうが:2025/03/18(火) 19:53:10 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp
エンジンは、当初はクズネツォフ・サルトゥーンが開発していたAL-41シリーズを採用される予定だったが、海軍機用に開発が順調に進行していたミクリンのR-179エンジンと計画統合の上で、石川島播磨重工業が開発した新燃料噴射方式(広角スワーラ方式)を採用したところ予想以上の高性能を発揮することが判明
セラミック技術で世界のトップを独走する日本から購入した複合素材の採用が当初は予定されたが、初期型では「烈風」用に開発されたチタン耐熱合金とフィン冷却システムの採用で切り抜けている
この結果、タービン入り口部の温度は実に摂氏1760度に達し、極めて高効率かつ大出力を実現した
燃焼ムラによる局所的な高温を避けて全体の燃焼を均一化した上で耐熱合金を使用した成果であった(2000度を超えると空気中の窒素の酸化が増大し始め、吸熱反応により推力が逆に低下しはじめるほか、エンジン本体やタービンブレードの耐熱性が問題となってきてエンジン寿命が著しく低下し始める)
この結果、本機はその巨体にも関わらず高度50メートル以下での超音速巡航が可能となった(ただし最大速度でのダッシュ時間は整備の都合上、平時は連続最大1時間に制限されている)

機体は全チタン…といいたいところだが、別にマッハ3以上で飛ぶわけでもないために、軽量化も兼ねて複合素材と合成樹脂を用いている
重量比でチタンの量は25パーセント前後である
また、当初はファスナレス構造により全体を「プラモデルのように」組み立てることすら考えられていたが、開発期間の長期化を嫌い、また単に作ってみたいと言っているソ連側を日本側がシバき上げた結果オーソドックスなファスナー接合の上を整流のための合成樹脂で埋めるという構造となった
このため、製造はもとより整備性も向上している

かわりに気を配られたのがコクピットおよびキャノピー(風防)で、「熾天」用に開発されたポリカーボネート材二層構造の間に酸化インジウムをコーティングすることでレーダー波のコクピット内への侵入を防いでいる
(これは東レが生産し、のちにソ連もライセンス生産)

特異なのはエンジン配置で、機体の背面に空気取り入れ口を設けてDSIといわれる凸部を設けて効率化し空気取り入れ口を可動式にはしていない
さらには機動性向上およびステルス性に配慮した結果、こちらは開発されたばかりの二次元ノズルを採用し後方からのステルス性にも気を配っている

機首には、こちらは東芝製の素子と東京電子通信工業(のちのSONY)が開発したコンピューターを使用した世界初の航空用パッシブ・フェイズドアレイレーダーを搭載している
(のちに近代化改修でアクティブ・フェイズドアレイレーダーに換装された)
必要な電力は莫大で精度も要求されたものであったものの、こちらも日本製電子技術の発展に加えてエンジン自体が当時としては桁外れの出力(烈風などは参考にしてはいけない。あれは直径自体がデカい)を持っていたことからまったく問題とはならなかった
さらに日本製地対艦ミサイル開発用に研究されていたフラッター(地上からの乱反射)処理技術も取り入れた結果、本機は夜間においても地上から50メートル以下を超音速巡航できる性能に加えて機体に余裕があることから半自動化された電子地紋飛行すら可能としている
当時のアメリカ空軍やフランス空軍のF-104が対地攻撃任務にあてられた結果「未亡人製造機」と呼ばれていたのとは雲泥の差である

87:ひゅうが:2025/03/18(火) 19:54:09 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp

搭載兵装は、基本的には対地上目標用の誘導爆弾であるが、奇襲核攻撃に対する報復兼敵の飛行場や地下壕破壊用に最大威力150キロトン級の熱核爆弾12発(ないしメガトン級弾頭最大威力10メガトン級2発)の搭載、あるいは対地・対艦攻撃用の長射程ASMを4発搭載できた
対空戦闘用に、日ソともに中距離AAMを搭載できるがこれは副次的な運用にとどまっている(そもそも防空戦闘機はきちんと配備されているし本機を敵AWACS迎撃にあてる必要もないため)
左翼基部にはおなじみとなった23ミリ多銃身機関砲を搭載しているが、対地攻撃での使用も一応は考慮して装弾数は1800発と多めである

ただし、これらの高性能の結果として、旋回制限は6.7Gとされており、全チタン製で高価な「烈風」と比べるといささか低機動に思われたが、戦闘攻撃機であるために仕方がないとされており現場では特に問題視されていない(そもそものちの米海軍機F-14はさらに低い6.5G制限がかかっている)

乗員数は2名で、これを前後タンデム式に搭乗させて後部座席をレーダー手兼爆撃手として用いている
特筆すべきなのが、レーダー画面は2色式とはいえバックライト式の液晶画面が採用されており従来の円形のPPIスコープに慣れたパイロットたちからは未来的だと好評だった
ただし操作自体はスイッチ式である

こうして出来上がった機体は、「烈風」同様のかなりの巨体となったものの、試験においては特に問題などは発生せずに部隊配備が開始
海上艦用として大成したSu-27とは棲み分けてソ連軍においては陸上用のみとして用いられた
ただし、狂っている…もといカタパルトが不要な地面効果翼機を空中空母として使用している日本海空軍では着艦改装を施した100機程度(改装していないものは200機程度)を陸上と海上の両方で運用している
生産数はSu-24と同様の1200機あまりで、2025年現在は改装を続けつつ500機あまりが現役
ただし旧式化が否めないために、後継機に急速に代替されており早晩退役することは確実であろう

88:ひゅうが:2025/03/18(火) 19:55:11 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp
以上になります
なお、本機はモデルの画像が残っております

ttps://www.deviantart.com/bagera3005/art/Sukhoi-T-54-Bucher-179405110

恰好よかろ?

89:ひゅうが:2025/03/18(火) 19:57:43 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp
間違えたこっちの方です

ttps://topwar.ru/uploads/posts/2013-01/1358565881_54102.jpg

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最終更新:2025年06月27日 11:28