937:ひゅうが:2025/03/23(日) 16:51:43 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp

 鉄槌世界戦後史ネターー「ある会話 1945年 焦土にて」


「訊こうか。君は何者だ?福田赳夫 国軍省次官殿。あなたは『まるで今までやったことがあるかのように海軍に、特に航空機に詳しすぎる』」

「そういう貴方こそ何者です?田中角栄 帝国海軍大佐。『あなたは史実において海軍兵学校への受験を断念し、土建会社社長として辣腕を振るっているはず』」

「お察しの通り。私はかつて『日本国』首相だった記憶を持つ男だよ」

「長男の方は存じていますよ」

「私に息子はいないよ。娘は一人いたがね。妻は早くになくした。これでいいかね?我が政敵の空気を一切感じさせない海の男にしてベテラン軍政家くん」

「…驚きました。閣下。私は別人に生まれ変わるという経験をしております。前世の名前を――『嶋田繁太郎』と申します。これでも大日本帝国首相を『戦後』も長く務めた経験を持っております」

「ほう!それは驚きだ。確か、小松左京氏が書いていたな。『戦争はなかった』だったか」

「いえ、ありましたよ。我々は勝利のために大罪を犯しております。『広島』『長崎』聞き覚えは?」

「うむ。そういうことか。理解したぞ。で、君らの名前は?」

「『夢幻会』と」

「信長公の好んだ『敦盛』の一節か。『下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり』うん。気に入ったぞ!」

「ようこそ、閣下。この地獄へ」

「よっしゃよっしゃ。話を聞かせていただこうか。大先輩」

938:ひゅうが:2025/03/23(日) 16:52:19 HOST:flh2-133-204-83-129.osk.mesh.ad.jp
思いついたんで書いちゃった…

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最終更新:2025年06月12日 21:05