942:新人艦長:2025/04/16(水) 01:02:56 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
アメリカ夢幻会世界のアシュランド級強襲揚陸艦できたので投稿します。
アシュランド級強襲揚陸艦
全長:188m
最大幅:20.7m
基準排水量:1万3000トン
速力:18ノット
航続距離:7500カイリ/12ノット
機関:蒸気ピストンエンジン2基
航空機搭載量:最大21機(予備6機)
武装
Mk.10 25口径5インチ単装高角砲4基
28ミリ4連装対空機銃4基(就役時)
M2重機関銃8基(就役時)
20ミリ単装対空機関砲12基(戦中にM2及び28ミリ対空機銃と交換)
兵員輸送力:最大1500名
車両搭載量:約1,000平方メートル、最大1.5トントラック200両(飛行甲板などへの搭載含む)
物資搭載量:約1.5万立法メートル(飛行甲板、格納庫への積載も含む)
搭載舟艇
LCVP最大38隻
LCT最大4隻
アシュランド級強襲揚陸艦は米海軍が1933年軍備計画で開発建造した強襲揚陸艦である。
(開発)
1933年軍備計画は米軍を根底から改造するものだった。
その中で海兵隊の役割が変化した。
海兵隊は有事には諸島部に対して上陸作戦を行い奪還する役目が付与された。
そして上陸作戦には上陸作戦用の大型輸送艦が必要としてノックス海軍長官らが開発を要求した新型輸送艦がアシュランド級である。
アシュランド級は現在の強襲揚陸艦に必要な舟艇輸送用のウェルドック、航空機運用能力などを有した近代的な軍艦に仕上がった。
見た目だけは……
(構造)
喫水線上から順にウェルドック、居住/兵員区画、車両格納区画、艦載機格納甲板、飛行甲板という構造になっている。
船体は喫水線上から箱型の船体に強いフレアがかかって飛行甲板へと至っている。
艦橋は右舷側に大型の艦橋が設置されている。
艦橋は大きめで航空機運用の他に上陸作戦指揮にも使えるようにスペースを設けている。
煙突は舷側に小型の煙突を多数確保する方式で、これはのちにインディペンデンス級にも使用された。
舷側には安定性確保のためバルジが設置されている。
943:新人艦長:2025/04/16(水) 01:03:32 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
艦内構造の中心となるのは喫水線部にあるウェルドックである。
ウェルドックから同時開発されたLCVPを最大38隻運用可能であった。
ウェルドックは前後に分割されて自由水の影響を抑える構造になっている。
後部はヒンジ式のハッチになり、ここからウェルドックに侵入する。
ドックの上と左右の囲いは主に上院区画で、ドックの下が燃料タンクと機関室になっている。
機関は安く、数を揃えやすいとして蒸気レシプロエンジンを使用している。
そのため速力は通常型貨物船よりやや優速程度で、旋回性能や操縦性、加速性は悪く曲がらないし進まない船であった。
車両輸送用エレベーターを通してドックの荷役甲板から格納庫甲板へと繋がっている。
格納庫甲板は大きく最大で100台以上のトラックを輸送可能であった。
さらに舷側エレベーターを通じてもう一段上の格納庫と飛行甲板とも通じていたのでさらに搭載が可能だった。
航空機運用能力は竣工時定数21機であったが、あくまでも補助的な能力として認識されていた。
しかし戦中は代用空母としても使われたため露天駐機などで30機まで増やした艦がいた。
格納庫は艦載機が運用できるギリギリの高さ一層のみで予備機は分解して車両甲板に積載することになっていた。
航空機用弾薬もこの甲板に積載する構造になっている。
搭載機数は増減が多く戦中は大多数の艦でSBD8機、戦闘機12機もしくは戦闘爆撃機20機であった。
舷側には対空武装などが設置されている。
主な対空装備は単装の5インチ高角砲4基などである。
基本的に個艦防空でその上規模的にもあまり大したものは装備していない。
レーダーも最低限の対空と火器管制レーダーのみである。
さて、アシュランド級最大の問題は構造的な脆さであった。
当時同時に大量の主力艦や補助艦艇が発注され予算が圧迫される中での建造であったため各部は徹底的に予算が切り詰められていた。
そのため防御構造は重要部に配されたモノコックの外板と二重底、格納庫甲板床を兼ねた30ミリ装甲のみ。それも一部艦艇はコストや装甲に使える鋼板の一時的な不足の関係で品質がダウングレードされていたり、通常鋼板を重ねて代用したものまであった。
それ以外は全てブロック工法かつ商船構造であった。
電気溶接を多用した結果、構造的に脆い部分が発生した艦があり、アシュランドを含めた7隻が就役後クラックや歪み、構造上の破損を起こして修理を受けている。
また構造上、全体的にトップヘビーの傾向があり、特に物資輸送時はこの傾向が悪化した。
ウェルドックから車両甲板まで直通のエレベーターもまた問題であった。
水密区画を垂直に貫通する構造であったので被弾後ここを通じて車両甲板にまで浸水すると一気に沈降が早まり多数の将兵が巻き添えになった。
さらにCAMシップやMACシップよりはマシな航空機運用能力を持っていたことと初期の護衛空母の不足から護衛空母の代用に使われる場合があった。
このような運用の場合車両甲板全体が弾薬庫状態で同時に航空機燃料も追加で積載しないといけない状態だった。
42年2月にグリーンランド沖で撃沈されたガンストン・ホールはまさにこの状態であった。
ガンストン・ホールは当時、車両甲板には欧州に輸送する弾薬1500トンが積載され、その余りスペースには弾薬庫に入りきらなかった航空機用の弾薬が所狭しと置かれていた。
Uボートの雷撃を回避できず、魚雷が命中、命中した場所が弾薬庫直下であったため命中の衝撃で弾薬が爆発、艦中央部が80m吹き飛び一切の機能を喪失して僅か20分で横転沈没。
輸送中の米陸軍第2歩兵師団の将兵約1500名と乗員約400名のうち生存者合計38名という大惨事になった。
この被害は大戦以後も一度に米陸軍兵士が死亡した数では最大の事件である。
最終的に建造23隻中戦中に9隻を喪失している。
とにかく脆く、機雷一発の触雷や魚雷一本で撃沈された艦艇が続出。
防御の不足、電気溶接による構造上の欠陥、機動性の欠如など弱点が多い船であった。
兵士達からはジープですらなくT型フォード(数は多いが旧式で脆い)や浮かんだイワシ(弱い)、沈没級強襲揚陸艦などと渾名された。
これらの要素は戦前には判明していたが戦争に備えて大量の強襲揚陸艦が必要であったため建造は続行、次級トーマストン級が就役し始めた1944年まで建造された。
944:新人艦長:2025/04/16(水) 01:04:04 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
(運用)
アシュランド級は初期は護衛空母の代用と輸送船の代用両方ができるとして遣欧陸軍部隊の輸送に供された。
しかしガンストン・ホールが輸送中に撃沈され乗員がほぼ全員死亡する大惨事が発生。
この大惨事でアシュランド級の脆弱性が発覚。
大西洋艦隊は直ちに全艦艇を護衛任務から除くように要請したが、護衛艦不足によりその年の夏に北アフリカ上陸作戦が実施されるまでは護衛艦として使用。
上陸艦艇としての初任務は北アフリカ上陸作戦で、この作戦では予定通りに陸軍部隊の上陸と航空支援両方を実施することに成功した。
翌年には上海上陸作戦で海兵隊を上陸、シシリー島上陸作戦やイタリア本土上陸作戦、アンツィオ上陸作戦を成功させた。
1944年には冬にベトナム上陸作戦、春にノルウェー上陸作戦、フランス上陸作戦では三方向からの大規模上陸作戦を成功させた。
翌年にはポーランド上陸作戦を実施した。
終戦後後継のトーマストン級の就役と極めて脆弱であり現代の戦闘には耐えられないとして急速に退役が進み1948年までに全艦が退役してスクラップになった。
(同型艦)
アシュランド:1943年6月8日、イタリアでドイツ空軍の空爆により被弾炎上して撃沈。
ベレ・グローヴ
カーター・ホール
エッピング・フォレスト
ガンストン・ホール:1942年2月11日、グリーンランド沖でUボートの雷撃により轟沈。
リンデンワルド:1943年10月、バーリにて空襲を受けて爆発炎上、横転。
オーク・ヒル:1944年4月30日、ノルウェーでドイツ軍の砲撃により大破炎上。
ホワイト・マシュー
カサ・グランデ:1943年10月、バーリで空襲を受けて大破炎上し放棄。
ラシュモア:1940年12月4日、客船と衝突して沈没。
シャドウェル
カピルド
カタマウント:1944年4月11日、ノルマンディ上陸作戦中にドイツ軍魚雷艇の雷撃により撃沈。
コロニアル
カムストック:1942年11月13日、イギリス沖で触雷し沈没。
ドナー:1945年4月18日、ポーランド沖でUボートの雷撃により沈没。
フォート・マンダン
フォート・マリオン
フォート・スネリング
ポイント・デファイアンス
サン・マルコス
トーテュガ
ウェットストーン
945:新人艦長:2025/04/16(水) 01:08:21 HOST:182-166-38-132f1.osk2.eonet.ne.jp
以上です。
夢幻会が頑張ってミストラル級のアイデアを出したはいいんだけど、よくわかってない転生者じゃない大多数の将校と技術者が変な理解をしてしまった結果、変な構造になってしまい、その上軍全体の予算と軍備拡張の皺寄せが行った結果、見かけだけいい強襲揚陸艦に。
脆性破壊、鋼材不足、ノウハウ不足、設計上の欠陥、全部盛りにした結果の使い勝手の悪さ、性能表的には護衛空母に使えそうで一緒に物資も輸送できるので両方に使うという運用の不味さも乗るという最悪コンボを決めてしまった。
そして何より強襲揚陸艦はこれしかないので使うしかない。
最終更新:2025年06月13日 22:12