167:ライスイン:2025/06/13(金) 03:10:23 HOST:g220-215-87-72.scn-net.ne.jp
注意)本編と設定が異なる部分があります。
「大統領閣下、本当によろしいんですか?」
「支持者や支援者の期待に応えるのも大統領の責務だよ。」
1997年1月21日、引退したロバート・ケネディ元大統領の後継候補として当選したビル・クリントン大統領は国務長官の念を押す様な問いかけにハッキリと答えた。
「ですが主権国家連邦や日本との協定を無視して占領下の九州にユダヤ国家と黒人国家を独立させ、安全保障条約を結んで駐屯を継続するというのは不味いですぞ。」
そう・・・クリントン大統領は前政権時代から日本や主権国家連邦と進んでいた南九州“割譲”の話し合いを反故にしてユダヤ国家と黒人国家を建国させようとするものだった。これは選挙で共和党候補に劣勢だった時に国内のユダヤ勢力や黒人団体及び九州の基地固定化を支持する一部軍需企業や空軍系の退役軍人団体などが支援する代償として“お願い”していた事だった。
168:ライスイン:2025/06/13(金) 03:11:05 HOST:g220-215-87-72.scn-net.ne.jp
彼らの支援が無ければ当選できない可能性があった為、日本等との話し合いを無視してでも受け入れるつもりであった。
「ですが代償はどうします?このままでは日本との関係改善は永久に不可能になりますし、メンツをつぶされた主権国家連邦もどういう行動をとるか・・・。」
返還(割譲)への期待に沸く日本や仲介に尽力した主権国家連邦への重大な裏切り行為であり、実行に移せば両国が永遠の敵国になるであろう事に不安になる国務長官に対してクリントン大統領は・・・
「日本に重大な裏切り行為があった為、九州在住のユダヤ人や黒人を守る為に止むを得ず行った事にするのだ。残留日本人による抵抗運動や特務機関による要人暗殺などをでっち上げてでも行うぞ。」
「了解しました。ですが・・・もう引き返せませんよ。」
クリントン大統領の熱意・・・いや、狂気に押された国務長官は念を押した後、CIA長官らと打ち合わせを行うべく執務室を退出していった。
大統領と国務長官の密談が行われた約1年後の1998年1月25日、クリントン大統領は国内のみならず全世界に向けて重大な発表を行った。
169:ライスイン:2025/06/13(金) 03:12:05 HOST:g220-215-87-72.scn-net.ne.jp
「親愛なる合衆国市民の皆さん、そして全世界の市民の皆さんへ重大な報告を私ビル・クリントンは合衆国大統領として行わなければなりません。我が国の統治下にある九州において日本への“割譲”の話が日本及び主権国家連邦と進んでおりました。しかし九州で続発するテロや要人暗殺が日本特務機関の仕業であることが判明しました。彼らは化学兵器による大規模なテロも計画しており、実行前に制圧しましたがもし行われていれば10万人を超える死者が発生していたとの研究結果が出ました。我が国は日本を信頼して彼らの訴えを聞き入れようとしていました・・・しかし、日本人は我が国の信頼を裏切ったのです。このままでは九州に暮らすユダヤ人や黒人の方々が日本人に虐殺されてしまいます。このため我が合衆国は日本への九州の“割譲”を中止し、九州の地にユダヤ人と黒人の国家を建設する事を宣言します。同時にそれら両国は合衆国が責任をもって防衛いたします。日本国民の皆さまは九州の“割譲”が中止になり残念に思う事でしょう、しかしそれらの原因はテロを行った日本特務機関とその指示を出した日本政府にあるのです。
日本政府は今回の事を真摯に受け止めて、ユダヤ人や黒人の国家建設を妨害しないと誓うように求めます。」
と九州“割譲”向けた今までの話し合いの結果を反故にして同地にユダヤ人と黒人の国家を建設すると宣言したのだ。しかもその宣言とほぼ同時刻に
「我々ユダヤの民は約束された地である九州に新たなユダヤの民の国家である東エルサレム共和国(※1)の建設を宣言する。」
「黒人が人間らしく生きる為の地であるテラ・スペイ共和国(※2)を建国します。」
とユダヤ人自治組織ハガナーの指導者と黒人市民協会の代表がそれぞれ独立宣言を出したのだ。しかも日本領との境界線である佐久豊ライン(※3)に駐留米軍を配置しておくという悪辣さを発揮。
170:ライスイン:2025/06/13(金) 03:12:41 HOST:g220-215-87-72.scn-net.ne.jp
「今までの話し合いの結果を反故にする気かっ!!」
日本の首相は駐日米大使を呼び出して激しく問い詰め、同時に駐米日本大使が国務長官に面会して抗議した。しかし結果は
「卑劣なテロを画策し信頼を裏切った日本から黒人やユダヤ人を守り、彼らが人間らしく生きていける為の正当な行為だ。」
と自分たちの好意を正当化するのみで、主権国家連邦による抗議に対しても同様の返事を行った。更には長崎県をフロンティア自治連邦区として実質的に自国領化するという悪辣さを発揮。この事態に日本国民は無表情となり、首相も公式声明で
「もはや我々日本人とアメリカ人・黒人・ユダヤ人との和解の芽は潰えました。返還の約束を破り傀儡国家を建設、その責任を我ら日本人に被せました。
私は日本国首相として残された地を守る為に防衛力を増強し、また奪われた地を何時になろうともての手段を用いて奪還する事を宣言します。また講和時に強要された海軍軍縮を破棄いたします。」
と宣言。クリントン大統領は反発してホットラインで直接抗議するも
「文句は九州を返還してから言えや不〇野郎!!」
と一蹴した。時を同じくして他の国々も
171:ライスイン:2025/06/13(金) 03:13:15 HOST:g220-215-87-72.scn-net.ne.jp
「かつて差別されてきたはずの彼らは今度は自分が差別をしている。最早どのような目に合おうとも同情されることは無いだろう。」
=エリツィン主権国家連邦大統領=
「アメリカ人の辞書には恥という項目が無いらしい。」
=ブレア英首相=
更には同じユダヤ系や黒人系からも
「恩を仇で返す恥知らず共には何があろうとも支援はするな。」
=ロスチャイルド家当主=
「彼らは黒いKKKとなった、同じ黒人と思いたくない。」
=穏健派の全米黒人地位向上協会現代表=
と猛烈に非難された。
また
アメリカ国内でも国際関係を無視した今回の行いに党派を超えて反発が広がっていたが強固な支持者の後援を得ているクリントン大統領を弾劾には追い込めず勢力は拮抗。しかし今回の件でクリントン大統領を問い詰めようとしてホワイトハウスに向かっていたロバート・ケネディ前大統領がトラックに轢かれるという交通事故(※4)で陰謀論が浮上してアメリカの政治は大混乱に陥った。
そんな中で無事?に国家を建設したユダヤ人や黒人が何を行っていたかというと・・・徹底的に国内の日本色を消し去る事だった。流石に残留日本人を虐殺することは無かったが、資産を接収し着の身着のままで佐久豊ラインに追いやっていた。更に史跡や重要文化財に神社や寺を破壊して自分達風の家や教会、そしてユダヤ寺院の建設を開始。この事態に日本政府は追い立てられた残留日本人の保護と同時に各種工作を開始。また両国を承認していない為、両国が主張する領海内に海軍に護衛された漁船団を突入させて漁を行い、空軍の戦略爆撃機を突入させて威嚇飛行を行った。両国は安全保障条約を結んでいるアメリカに支援を求めるも政治的混乱や自治領化した長崎の統治や安保により提供された空軍基地の整備にのみ熱心で、形ばかりの迎撃を行うだけであった。
172:ライスイン:2025/06/13(金) 03:13:47 HOST:g220-215-87-72.scn-net.ne.jp
後日、クリントン大統領は日本側が仕掛けたスキャンダル暴露などが原因で大統領を辞職。以後の大統領は何とか対日関係を改善しようとするも全く改善の気配は生まれなかった。
奪われた九州が日本に戻ってくるのは2019年にアメリカ発の新型コロナ(※5)おいて初動対応の失敗とワクチン開発の失敗が重なり、マスクや消毒液など医療物資の不足もあり1000万人を超える死者が発生。この事態にトランプ大統領は急遽日本を訪問。自治領フロンティア(長崎)の返還と東エルサレム及びテラ・スペイ両国と結んでいる安全保障条約を破棄して日本による旧領奪還行動に一切の妨害はしない事と引き換えにワクチン及び製造技術の提供を定めた東京戦後処理条約を締結した同年の8月15日だった(※6)。
※1:佐賀市以南の佐賀県・久留米以南の福岡県・熊本県・鹿児島県を領土とするユダヤ人国家。
※2:大分県・宮崎県を領土とする黒人国家。なおテラ・スペイとはラテン語で希望の地を意味する。
※3:占領地との境である佐賀市・久留米市・豊前市の頭文字からとった。
※4:泥酔した黒人の運転する大型トラックに轢かれた事で即死したというただの死亡交通事故。しかし運転手の黒人がかつてCIA職員だった過去が報道された事で現大統領の指示で暗殺されたという陰謀論が拡散した。
※5:ロックフェラー大学の研究所で生物兵器として極秘裏に研究されていたコロナウイルスが不注意や隔離の不徹底から流出して感染が拡大した事が原因。
※6:突如アメリカから見捨てられた両国は激しく反発するも、締結と同時に行われた日本軍による“降伏しない者は民間人でも消し飛ばす”という猛攻になす術も無く敗退を繰り返した。そして最後まで抵抗していた東エルサレム共和国が壊滅したのが8月15日であった。なお攻撃されている間、両国は世界中に助けを求めたが相手にされなかった。
いかがでしたでしょうか?
鉄槌世界の項目が追加された記念に戦後鉄槌世界のIFで占領下の九州地方が返還されなかったらを書いてみました。
切っ掛けは選挙で当選が危ぶまれた栗金団がユダヤ財閥などから支持を得る事と引き換えに返還を反故にしてユダヤ国家及び黒人国家を建国させたという物です。なお安全保障条約を結んで有望な空軍基地を確保し、長崎を自治領化して海軍基地を確保するというクズっぷりです。なおユダヤ国家及び黒人国家を国家承認したのはアメリカだけで、反日色の強い国家やアメリカの援助漬けとなっている国家すらも両国を国家承認していません。なお両国が滅んだ後で生き残ったユダヤ人や黒人はアラスカ及びアリューシャン列島内に作られた自治区に追放されています(難民扱い)。
掲載お願いします。
最終更新:2025年06月13日 22:45