111 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/04(水) 22:31:05
ネタSS ~あの人たちが日本軍に来ちゃいました~

第二次世界大戦直前 ソ連

「その情報は確かかね、同志ベリヤ」
「は、間違いなく日本がドイツ軍人らの一部と接触しております」
「うむ・・・伍長はともかく軍部から日独関係が改善されでもしたら厄介だ。
ドイツの情報部にそれらの人物らを日本のスパイとしてリークしろ」
「畏まりました、同志スターリン」

日米開戦後 中国

「いくぞガーデルマン!」
「了解!」

日本陸軍航空隊所属ハンス・ウルリッヒ・ルーデルは後部座席の同僚に叫ぶと痛い子中隊と争うように愛機の九七式双発戦闘機を
パットン戦車軍団に向けていた。次々に撃破されていく米軍戦車。支援するはずの航空部隊もハルトマンや
マルセイユが駆る一式戦闘機により次々と落とされていく。

一方の陸でもロンメル将軍が前線指揮を取り、圧倒的な物量と機動力で米軍を包囲し、
カリウスやヴィットマンらの九七式戦車改が残存の米軍を蹂躙しつつあった。

「どうしてこういう事になってしまったんだろう・・・」
「仕方ありません。まさかファンレターでちょび髭が勘違いするとは想像できませんでしたし」

東条は遠い目をしながら元ドイツ軍のエースらの活躍を見守っている。

戦前から夢幻会メンバーのドイツ軍オタクらは後に有名になる様々なドイツ軍人にファンレターという形で
接触を持っていた。もらった当人らも遥か極東の国の自分のファンという人物に戸惑いつつもお返しの手紙を
書くなどをしていたがその行為がソ連の情報部にキャッチされた。
内容を調べればすぐに消される内容であったが日本に関する情報に過敏になっていたスターリンの目に止まり、
日本がドイツ軍部と接触を図ってるのではないかと邪推しこれらの人物らをスパイとして伍長に潰させることにした。
その情報が日本へ届き、夢幻会ドイツ軍派の面々は彼らの日本への誘致を強硬に主張し、紆余曲折を経て伍長に拘束
される前にドイツを脱出させ、対ドイツ戦には出さないという条件下で日本軍に編入された。

「まあ、その分こっちは楽できるが・・・・スコツェ二―と船坂を組ませるとは・・・・」

満州の奥深くでアメリカ軍人と奉天軍に化けて好き勝手に暴れているであろう2人を想像する。

その後も彼らは日本軍の下で有効利用され、戦後ソ連の資料によって無実であると判明しドイツに
帰還していった。しかし、その間に立てた戦果は「彼らがあの時にいれば・・・」と後悔の念を伍長に抱かせるのに十分であった。

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最終更新:2012年04月08日 19:44