530:霧の咆哮:2024/12/27(金) 22:06:35 HOST:KD124209065105.au-net.ne.jp
〇提督たちの憂鬱系統知らない方が、日蘭世界に転生したらこんな感じになるのかなって反応集その9
「鈴音は虫料理は平気?」
「……………………………………それを食べないと餓死みたいな命の危機なら、何とか食べる」
ー唐突な彼の言葉に悩んで、悩んで、とても悩んだ末に苦虫を嚙み潰したような表情と声で答える鈴音。
基本、虫料理は無理っぽい。
「……食べたいの?」
「いや、別に。虫系郷土料理調べてたら気になっただけ」
ー貴方が食べたいなら頑張って、何とか調理するけどとニュアンスも滲ませて、恐る恐る問いかける鈴音。
彼の返答にあからさまにホッとする。何か、ごめんね。
大陸化により日蘭日本では虫料理のレパートリーや規模も増えてはいる。
史実より食える虫の種類も増えてるので。それがどこまで世間に受け入れられてるかは話は別でも。
「ナウシカの虫とかは平気なのに? あの青き衣を~のナウシカ最大の名シーンの時、一緒にボロボロ泣いた覚えあるし」
「……あの作品の虫は大丈夫。王蟲もユニークだし、怪獣でも虫のモスラが好きだもの」
ー鈴音の虫嫌いな反応に日蘭世界にも有った、天下のジブリ代表作での虫も話題に絡めるが、そういうのは平気らしい。
リアルの虫でもテントウムシやカブトムシだとかは鈴音も好きな部類だし、虫だからってなんでも嫌いってわけでもないようだ。
「……えい」
ー室内に入っていた蜂をハエ叩きでバシンと叩き潰す鈴音。
G相手では逃げるけど、蜂には立ち向かえるようだ。
531:霧の咆哮:2024/12/27(金) 22:07:49 HOST:KD124209065105.au-net.ne.jp
「……ここは、こう」
ー近所の個人スーパーで定期的に行われるワンコイン詰め放題にて、ニンジンやゴボウとかを綺麗に纏めて積み重ねる鈴音。
これもまた将来の主婦の知恵とばかりに練習したのだろうか。
鈴音の方が上手く積めるので彼も隣で真似しているのが常であった。
「明日の詰め放題は何メインでいく?」
「……効率的には冷凍サケの切り身が入れやすいけど、冷凍タコも詰め放題の対象に入ってる。どっちが良い?」
「たこ焼きや唐揚げやお好み焼きとかに派生させ易いから、タコ優先で良いんじゃない?」
「……じゃあ、今度たこ焼きパーティやろっか」
「お、良いねぇ」
ー何時ものように彼の部屋で明日の詰め放題をどうするか話し合っている二人。
コスパ優先の買い物だけでなく、食べたい物、作り易い物を優先しても良いよね。
「~~~♪」
ー鼻歌謡いながらたこ焼きをクルクル綺麗にひっくり返していく鈴音。
鈴音は割と鼻歌謡うことも多いし、それも上手い。
母方が実は関西系で、その習慣からタコ焼き器も常備されてる鈴音家。
史実でも自動でひっくり返せる家庭用も買えるし、日蘭世界のなら更に発展もしてるのだが、少なくとも鈴音や鈴音母からしたら自分でやった方が早く、上手くやれるのでこちらは自動回転はしないタイプで作っていた。
その手捌きはそのままたこ焼きチェーン店で働けるレベルだった。
532:霧の咆哮:2024/12/27(金) 22:09:37 HOST:KD124209065105.au-net.ne.jp
「(ワクワク)」
「……♪」
鈴音がパパっとタコ焼きひっくり返すその手草を見て、彼がワクワクした目で何時も見ているのを鈴音も察している。
自分のタコ焼き調理姿で喜ぶ彼の様子が可愛らしく思って、彼女の機嫌も良くなって鼻歌の調子も良くなっていた。
或いは彼がもっと幼い、前世の記憶もない頃でタコ焼き屋の熟練の手捌きに反応してる姿を、幼馴染として鈴音も見ており。
『自分もやれたら彼も喜ぶ?』といった想いから練習し始めた過去もあるかもしれない。
タコ焼きは作り過ぎたとしても次の日に食べたり、史実より発展している家電とかの保存技術により冷凍しても味も風味も劣化を抑えられて後日食べた。
味変で銀だこみたいな半ば揚げタコ焼きにしても美味しかったという。
「食品保存一つ取っても前世より凄いもんだな、この世界は」
ー日々活用している冷凍庫とかの日蘭世界での進歩も実感している彼。
そこらの反応はまだ描写していないが、軌道エレベーターや月面基地も建造されてる世界なのだからさもあらん。
食品保存技術だって宇宙で活動する人らの為にも重要な技術なのだから。
「……あーん」
「(ハフハフ)こちらもあーん」
「(ハフハフ)……美味しいね」
「あぁ(好物のたこ焼きをこの値段・サイズ・味で食べれ、子供の行ける範囲にあるお店のありがたみ)」
ー地元で評判の、かつて彼がキラキラした目で見てたタコ焼き屋と同じ店で違う味のたこ焼きを味わい、あーんし合ってどっちの味も頂いている彼と鈴音。
店員さんはいちゃつく子供らを自分の手は休めずに微笑ましい目でチラッと見ていた。
あっつあつでついハフハフしてしまうが、こうしながら出来立てのたこ焼きを食べるのが一番美味いのだ。
デフォのソース・マヨネーズ味の大きめのタコ焼き8つ(銀だこのたこ焼きより大きい)で400円(刻みゆで卵乗せとか中身違いやトッピングや味変バリエーションは同額から最大+150円まで)と。
彼の前世で銀だこが消費税込みで700円近くにまで値上げしてたのと思えば、食料自給率100パー超えで消費勢も取らないこの世界の物価の安さ、暮らし易さをタコ焼き一つでも実感してしまう彼。
他のタコ焼き屋(この世界にもあった銀だこも)だって前世より安いのだから。この店の分は一つ一つが大きいので6個300円に減らしても満足感ある。
不景気で彼の馴染みのタコ焼き屋が潰れ、最寄が銀だこの支店になったが、そこも割と遠く頻繁に買える位置でもなく、値上げも酷くなってで冷凍たこ焼きで慰めてた寂しさを胸の奥にしまって、口内の口福に集中する。
因みに彼が前世を思い起こす追懐的な、遠い目をしてる時の変化を鈴音は察しており、何も言わず気を紛らわせるように、慰めるようにあーんしたタイミングもその時である。
彼と食べさせあいっこしたかったのも事実だが。
使ってる箸の触れ合い的に半ば間接キスみたいなものだが、それで一々反応する領域は二人は既に超えていた。
二人の関係知ってて、傍にどこぞのデジタンみたいな子いたらそれを察して勝手に尊死してたかもしれない。
533:霧の咆哮:2024/12/27(金) 22:10:13 HOST:KD124209065105.au-net.ne.jp
「おかーさんただいまー、イカ入りであたしにもちょうだーい」
「はいはい、お帰り」
ー帰って来た自分の子供のおやつ分を、お客さんの分とはスペース開けたところで焼き始めるタコ焼き屋の店員もとい店主(当代)
周りの客らもいつものことと気にしない、古き良き下町的な光景が鈴音達の前で繰り広げられていた。
以上です。
wiki転載は例の如くご自由に。
今回は鈴音との日常とイチャイチャしかしてませんがw
文字数のキリ的に丁度良いところまで伸ばしたら、この
シリーズにしては今回は長めです。
Amazon検索でチラッと見かけたタコ焼き器と、自作の虫ネタから浮かんだ発想だけで一話分話が造れるとは思いませんだわ。
534:霧の咆哮:2024/12/27(金) 22:11:19 HOST:KD124209065105.au-net.ne.jp
今年復帰してからの投下作品割合
戦後世界:掲示板ネタ3つ
大陸日本:固有生物系5つ、彼と鈴音シリーズ8つ(9つ)、モンハンネタ2つ、商品や作品ネタ1つ、艦娘台詞ネタ4つ、艦娘化関係3つ
大陸クロス:憂鬱SRW台詞集1つ、大陸SEEDセリフ集4つ
日企連系:セリフ集8つ
- 改めて数えたら、今年最後の投下になる今回の分で、記念すべき?復帰後40作目の投下になりました
一年での投下数に関しては大陸SEEDや日企連支援に集中してた時期より下手したら多く、結果的には今年が最盛期にもなります?
最終更新:2025年06月28日 23:44