501:ホワイトベアー:2025/02/24(月) 23:54:27 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
富士型強襲揚陸艦
満載排水量:40,190トン
全長:255.2m
全幅:42.63 m
乗員:902名(乗組員及び航空パイロット)
  :1,905名(海兵隊将兵)
機関:ギアード・タービン方式
主管:IZUMO製ボイラー×2基
推進機
  :スクリュープロペラ×2軸
最大速力
  :24ノット
航続距離
  :10,000海里/20ノット
兵装
  :18式8連装対空ミサイル発射機×2基
  :50口径12.7mm機関銃銃座×10基
  :20ミリ多連装機関砲×6基
搭載機
  :航空機運用能力を参照
レーダー
  :AA/FBR-13(艦載用3次元レーダー)
  :AS/FBR-11(対空捜索レーダー)
  :TA/FBR-3(水上捜索レーダー)
  :OPS-16(航海用レーダー)
FRAM改修後
  :AA/FBR-15E(艦載用3次元レーダー)
  :AS/FBR-11E(対空捜索レーダー)
  :TA/FBR-34 (水上捜索レーダー)
  :OPS-16(航海用レーダー)
  :OPS-30(低空警戒レーダー)
電子戦対抗手段
  :NOLR-16(電波探知装置)
  :NOLA-11(電波妨害装置)
  :NOLR-13(レーダー警報受信値)
  :7式6連装チャフ発射機
同型艦×12隻
1番艦:富士
2番艦:八島
3番艦:ヨークタウン
4番艦:釜山
5番艦:スエズ
6番艦:ハレパ
7番艦:ウィリアムズバーグ
8番艦:奉天
9番艦:リッチモンド
10番艦:アトランタ
11番艦:遼陽
12番艦:クレタ

502:ホワイトベアー:2025/02/24(月) 23:55:48 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
概要
富士型強襲揚陸艦は日本海軍が運用している強襲揚陸艦の艦型。
世界初の新造時から強襲揚陸艦として設計された艦艇で、満州戦争時に活躍した鳳祥型軽空母を改修したヘリ空母群での実証データを下に、より高性能な航空機や上陸用舟艇を運用できるよう新規に設計・建造された。

その満載排水量は4万トン近くと当時の日本海軍の主力正規空母『蒼龍型航空母艦』に匹敵する規模で、本型の建造費を獲得するため『1914年度年度海軍補充法』では正規空母の建造が認められなかったと言わている。

本艦は船体容積を確保しつつヘリコプター運用を効率的に行うため、空母を思わせる全通式の飛行甲板を有し、艦内後部にはウェルドックが設けられている。
揚陸艦として海軍海兵隊の陸戦遠征部隊のほぼ全兵力を輸送可能な艦艇として設計され、兵力を迅速に敵地に展開・揚陸させる手段として各種揚陸艇やヘリコプターの運用を可能する。
その輸送能力と救難ヘリコプターにも対応できる運用能力から、災害派遣や国際平和活動など戦争以外の軍事作戦、水陸両用作戦の支援など多彩な任務に対応可能だった

1914年度海軍補充法にて7隻の建造が、その後1916年度海軍補充法で5隻の追加建造が認められ、1920年までに計12隻が建造された。
艦名は2番艦がかつての日本の雅名から、3番艦以降は日本海軍海兵隊が参加した戦いから名付けられた。

帝国海軍協会が発行している「海軍艦艇図鑑」などでは「強襲揚陸艦」として区分されている本型であるが、その航空機運用能力と他国に似た概念がなかったことから、ジェーン海軍年鑑やアメリカ海軍協会などにおいては強襲揚陸艦(Amphibious assault ship,LHA)ではなく攻撃空母(Attack aircraft carrier,CVA)や軽空母(light aircraft carrier,CVL)と区分されている。

来歴
19世紀の日本軍は仮想敵国が軒並み海洋を挟んだ別の大陸に存在していることから、遠征軍としての特性を強く持っていた。
そのため日本海軍はシーレーン防衛と並んで輸送・揚陸部隊にも力を注いでおり、1900年には揚陸艦だけでも1,600隻を超える大船団を抱えていた。

20世紀初頭、ヘリコプターの実用化に成功した日本海軍では旧式化を迎えていた鳳祥型軽空母「瑞祥」をヘリ空母として改装し、各種試験やノウハウの獲得が行われるなど、ヘリコプターの発展を受けヘリボーンという新たな戦術を水陸両用作戦で活用するための研究を積極的に進めていた。

1910年には『瑞祥』と6式輸送ヘリコプター(CH-6)を22機装備する海兵隊第1海兵ヘリコプター飛行隊が、海軍と海軍海兵隊による上陸演習にてヘリボーンを実施して、その有用性を立証した。
これを受けて海軍軍令部内では1911年よりヘリコプターによる空中強襲という構想と、そのための専用母艦の本格的な検討がはじめられる。
当初はコスト面やノウハウの不足から既存の改装空母や軽空母、蒼龍型航空母艦を改装する計画が最有力であったが、改装空母の転用は速力が不安視され、軽空母や蒼龍型航空母艦の転用は艦隊航空戦力の減少を危惧する海軍主流派によって棄却された。

その他既成艦改造案が複数出たが、これらは新規艦艇より効率に劣る上に早期老朽化の問題もあって全て棄却され、最終的に新規建造を要求することが決定された。
1912年には当時の日本海軍揚陸部隊の主力であった攻撃型輸送艦と攻撃型貨物艦に、ヘリ空母としての機能を付与した自己完結型揚陸艦という要求仕様が策定される。
また、この決定と同時にこれらの艦が航空母艦の保有枠を圧迫しないよう、ヘリ空母から揚陸艦のカテゴリに移すことになり、強襲揚陸艦揚という新艦種が創設された。
1914年度海軍補正予算では世界大戦が勃発していたことから8隻の建造予算が一括で認められ、1916年度海軍予算で6隻の建造が認められた。

503:ホワイトベアー:2025/02/24(月) 23:56:36 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
設計
船体
1912年4月の検討段階では、艦橋構造物で前後の甲板を分断し艦橋の前後にヘリコプター甲板を持たせる案や、空母のように艦の全長に渡って発着甲板を有する全通飛行甲板型とする案の2案が検討されていた。
両案を検討した結果、本級は艦内容積の確保と船価の低減のため軍艦構造ではなく商船構造とされ、上部が空母形式とし後半部に格納庫とウェルドックを設け、前半部には上陸部隊の居住区画、車両・装備品の搭載区画などを設けた。

具体的な区画配置としては艦尾の喫水線直上に全長81.7mのウェルドックを配し、その前方に車両甲板、その上に搭載機格納庫が設けられた。そして最上層に航空機用の全通式飛行甲板と艦橋構造物が設けられた。
陸戦部隊に属する将兵用の兵員室は、彼らが飛行甲板を用いることもあればウェルドックを用いることもあるため、航空機用格納庫及び車両甲板の前方及び周辺に配置され、戦闘指揮所(CIC)などの指揮・統制区画は抗堪性の観点からギャラリーデッキに配置された。

船体規模は検討当初は18,00トンと軽空母程度であったが、海軍海兵遠征部隊主力の輸送に求められる輸送揚陸機能やヘリコプター運用能力、遠征打撃群の旗艦能力などの向上から当初の規模よりはるかに大型化、最終的には約40,200トンと蒼龍型航空母艦に匹敵する規模となった。

機関
機関方式としてはギアード・タービン方式を採用し、動力は二段減速機を介して2基の三菱重工製蒸気タービンに接続された2基のIZUMO製ボイラーによって供給されている。
ボイラーの蒸気性状は圧力600 lbf/in2 (42 kgf/cm2)、温度900 °F (482 °C)とされ、海上公試では25.3ノットを記録している。

メイン発電機としては、最大出力2,500キロワットのIZUMO製GT-10ディーゼル発電機が4基と、補助用に最大出力2,000メガワットの川崎製KM150Aディーゼル発電機4基を搭載している。

能力
航空運用機能
富士型は全通飛行甲板として長さ250メートル×幅36メートルを確保しており、12個所のヘリコプター発着スポットが設定されている。
これにより中型のCH-10なら12機、より大型のCH-14やCH-6でも9機を同時に運用可能とする一方で、カタパルトやアレスティング・ギアなど固定翼機の運用設備は有しておらず、通常の固定翼機を運用することはできない。

ギャラリーデッキを挟んで下方には床面積は長さ74.0メートル、幅26メートル、高さは6.4メートルの格納庫が設けられ、飛行甲板に航空機を輸送する航空機用のエレベーターとして左右舷側に1基ずつ計2基装備し、これとは別に航空機に搭載する弾薬を輸送するためとして、計6基の弾薬輸送用エレベーターが装備されている。
航空燃料の搭載量は1,960トンとされている。

正規空母並に大型な船体によって多くの航空機を搭載可能で、標準的な搭載機は、CH-10×16機、CH-14×8機、AH-18×4機、UH-18×4機であった。
また、本型の設計が進められていた当時、倉崎と日本海軍海兵隊が共同で開発を進めていたSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)機も実用化間近であったため、V/STOL機の運用母艦としての運用も設計段階から考慮されていた。

その結果、1917年に制式採用された17式艦上攻撃機を最大で28機を搭載でき、軽空母として行動する場合でも17式艦上攻撃機20機とSH-29ヘリコプター4~6機を搭載可能である。
この場合は上陸部隊用の資機材スペースに弾薬が、必要になる車両や航空機の予備部品は車両甲板に搭載されることになり、ソーティ数としては、1日あたり60ソーティまで引き上げられると予想されている。

504:ホワイトベアー:2025/02/24(月) 23:57:35 HOST:softbank060067081109.bbtec.net
輸送揚陸機能

本級は単艦で1個陸戦増強大隊を基幹とする陸戦遠征部隊主力(将兵2,073名)と彼らが扱う各種機材を収容できるように設計されている。
そのため艦内には乗組員用とは別に海兵隊将兵向けの兵員室が設けられてている他、彼らの装備を収容するため格納庫とは別に車両甲板2,270 平方メートルと貨物搭載スペース3,000 立方メートルが設けられた。

標準的な搭載車両としては主力戦車8両、装甲兵員輸送車30両、火砲12門、トラック等70両、兵站支援車両10両を搭載し、これらを揚陸させる手段として汎用揚陸艇3隻、機動揚陸艇12隻、もしくは水陸両用強襲車40両を収容できる。

個艦防衛機能
富士型強襲揚陸艦は遠征打撃部隊の中核ユニットとしてヘリコプター運用能力と地上部隊の展開能力に重点を置いた艦艇で、艦そのものの戦闘能力は低く抑えられ、個艦防衛機能は個艦防空を重視した構成となっている。

主な兵装は近接防空用の20ミリ多連装機関砲6基と50口径12.7mm機関銃銃座10基のみと非常に割り切ったものであった。
しかし、欧州諸国でもジェット戦闘機が登場し始めたことを受け、世界大戦後に行われた艦隊再建近代化改修にて8連装艦対空ミサイル発射機2基が後日装備された。

電子戦装置としてはNOLQ-16とNOLA-11を搭載する他、物理的なチャフ展開装置として7式6連装チャフ発射機4基が装備されている。

艦歴
初期の計画時は8隻のみだったが、悪化する世界情勢を受けて追加で4隻の建造が承認され最終的には14隻の建造が行われた。
本型の建造は神奈川県のIZUMO横浜造船所と長崎の三菱重工業長崎造船所、呉の川崎造船
、日立造船所の横須賀造船所の4箇所で建造が行われた。
富士型はその巨体と優れた海兵隊展開能力から、日本海軍海兵隊陸戦遠征部隊の母艦としての役割を担い、「大隅型ドック型揚陸艦」2隻、「三浦型ドック型輸送揚陸艦」2隻、護衛のミサイル巡洋艦1隻、軽巡洋艦2隻、ミサイル駆逐艦1隻、艦隊型駆逐艦6隻と共に両用即応群を構成して世界中に派遣・展開された。

1917年2月7日に日本が世界大戦に参戦した際には1番艦「富士」、2番艦「八島」、3番艦「ヨークタウン」、4番艦「釜山」、5番艦「スエズ」を中核とした5個遠征打撃群と共にイギリスに派遣させ、レコンキスタ作戦の際にはベルギー解放のために乗艦していた海兵隊陸戦遠征群をベルギー沿岸部に強襲上陸させた。

1920年にアイルランド独立戦争への介入が決定した際には3番艦『ヨークタウン』と6番艦『ハレパ』の2隻を含む計10隻の揚陸艦と護衛艦艇20隻を主力とする艦隊が派遣され、平和維持部隊として2個海兵陸戦遠征群をアイルランドに上陸させた。

その後の1925年にはアメリカで拡大を続けるKKKとそれに伴い増加するKKK支持者による在米日本人への様々な事件、そして煮え切らないアメリカ連邦政府に我慢の限界を迎えた日本政府の意向を受け、3番艦「ヨークタウン」、7番艦「ウィリアムズバーグ」、9番艦「リッチモンド」、10番艦「アトランタ」の計4隻を中核とした20隻が『近代化を遂げる欧州諸国海軍への対応能力向上のための大西洋艦隊の増強』を名目にハンプトン・ローズ統合基地群(ハンプトン・ローズ・コンプレックス)に派遣された。
これらの艦艇は全て日本海軍海兵隊が南軍をフルボッコにした戦いの名前を関するもので、明らかにKKKやその支持者への徴発行為であった。
実際にこれに反発した一部過激派が在米日本軍基地に迫撃砲弾を叩き込むという大事件をおこし、アメリカ合衆国史上初の合衆国憲法修正第16条の適用と連邦軍によるKKKの弾圧を招くことになった。

1934年度より花瑠瑠型強襲揚陸艦6隻が建造されたことで強襲揚陸艦22隻体制が完成し、その後は富士型強襲揚陸艦代艦の花瑠瑠型強襲揚陸艦の就役と同時に段階的に退役が進んでいった。

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最終更新:2025年08月17日 18:49