178 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/06(金) 20:28:44
蒼海訣戰ネタSS ~坦蓮港共同租界~

リャオトン半島、ここは津楠戦争によって楠叙朝が津州皇国に割譲した領土である。
そして、その坦蓮港では続々と真新しい建造物が建てられていた。
坦蓮港共同租界、それはゲートによる津州皇国と大日本帝國の接触によって生まれた皇国の苦渋の決断により誕生した。
国防の要と見ていたG動力はゲートの影響からか使えず、列強は日本の情報を得ようと皇国に圧力を掛け、日本帝國が
こちらに侵攻してくる前にと楠叙朝の切り取りを急ぐ気配すらあった。
更に皇国に来た日本人から伝わった少数民族の迫害に日本の世論も顔を顰め追那人・汐見人の待遇改善を呼びかけ
秋津人とも衝突が増えていった。日本側の列強も汐見人限定だが同じ動きをしたため津州皇国は両列強の板挟みに陥った。

そんな時に日本側から共同租界創設の提案が行われた。租界により皇国に技術と資本を流しつつ租界での会議で
両世界の列強の意見調整を行おうという内容に皇国は提案を受けるか迷ったが最終的にリャオトン半島に設置することに
なった。

かくして皇国には向こうの世界の艦船の寄港地となり、数々の技術や文化などが流入し急速に発展していくことになるので
あるがその分、割を食っていたのが租界を設置されたリャオトン半島であった。
皇国人はともかく楠叙人は見た目からして中国人と同一視され、枢軸国の住民などから面白半分で殺されるなど
悲惨な状況に陥り、こちらの世界の列強も似たり寄ったりの待遇でこれを機に皇国人を追い出そうとしていた楠叙人は
逆に皇国人なしでは碌に生活できないことになってしまったのだ。そして多くの楠叙人は如何に皇国人の方が遥かに
善政を敷いていたかを理解させられていた。

「操江、逃げろ!」
「兄さん!!」

迫りくる列強の軍の鎮圧と言う名の皆殺しの前に張平遠はせめて妹の張操江だけでも逃がそうとしていた。
反津州皇国組織であった癸酉党も日々増強されていく各国の租界に危機感を持ち原作と違い党総出での爆破テロを
計画したが情報が漏れ、租界を守るドイツ武装SSなどの列強軍に追い詰められつつあった。
日本人以外の有色人種はすべて劣等とばかりに投降したテロリストすら殺しているためその悪名は轟いている。

「津州皇国へ行け!それ以外に選択はない!」

かくして張操江は兄との一生の別れと自分らを捨てた父親の国に行かざる得ないことに顔を歪ませながら
なんとか包囲網からの脱出に成功することになる。
その後、着の身着のままで皇国に辿りついた操江が行き倒れていた所を三笠家に助けられ主人公と会うことになる。

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最終更新:2012年04月08日 20:44