844:戦車の人:2025/03/23(日) 03:32:13 HOST:110-130-205-29.rev.home.ne.jp
列島日本時代より、当時は不採用となったイージス・アショアの代替として2隻が計画されていた12000トンの大型護衛艦。
従来のイージス護衛艦から大きく進歩し、特に主レーダーがSPY-1DからAESAのSPY-7(v)1に変更。
窒化ガリウムを半導体に採用し、SPY-1に比較し数倍の探知・警戒能力を有し、BMDやCECへの最適化も行われている。
イージス・システム搭載艦は本レーダー及びベースライン9システムから構築され、米海軍のDDG(X)と比較すればやや保守的である。
同時に技術的成熟しており、早期調達が期待でき、またBMD任務ではSPY-7がより高い能力を発揮したことから採用された。
主たる誘導武器はSM-3Block2、SM-6、07式垂直発射ロケット、トマホークSLCMなどが予定されていた。
なお計画当初は2万トンという大型艦案も検討されたが、恐らく次世代イージス艦の原型として、現状の設計に収まっている。
とはいえ上述した一線を画す新型イージスシステムと、必要十分と言える128セルのVLS、多数の誘導武器は十分有力である。
駆動系はMT30ガスタービン2基を根幹とするガスタービン複合推進で、あさひ型やまや型で実績のあるシステム形態である。
日本国の大陸化に伴い多くの自衛隊装備が数量を増大、あるいは前倒しの配備に至っているが、本クラスも同様であった。
本来であれば令和10年以降の就役の予定だったが、大陸化直後には計画案2隻の4倍に至る8隻が既に竣工していた。
基本的には枯れたシステムで構築され、大きく拡大された日本の造船業の能力を考えれば、無理のない数量である。
但し一点、計画案に存在しない装備。というより同型艦が増えていた。8隻のうち半数がSPY-6搭載艦なのである。
搭載システムはレーダーを独立化したベースライン10で、システムも異なっている。船体や機関、武装は共通化されている。
故にSPY-6搭載艦は準同型艦という扱いで、無論だがレイセオンへの支払いも完結していた。
防衛省、海上幕僚監部、防衛装備庁などの検討や確認の結果、SPY-6とSPY-7評価試験も兼ねて建造されたと判明。
率直に言えば贅沢の極みだが、今後数十隻のSPY-1搭載艦の後継を吟味するという点では、合理的な建造方針でもあった。
SPY-7はSPY-1D搭載艦に換装可能な共通規格が、SPY-6は当初より艦載レーダとして最適化された点が長所である。
搭載武器システムも艦載滑空弾こそ開発段階だが、上述した米国製誘導弾の他に国産長射程艦対艦誘導弾を4連装2基。
そして巡航ミサイル、ドローン迎撃用の高出力レーザーシステムも前倒しで搭載。こちらの運用実績蓄積も兼ねている。
砲熕兵装は62口径5インチ砲1門、高性能20ミリ機関砲2基、ブッシュマスター30ミリ機関砲2基と、手堅いものを搭載している。
既存護衛艦を基準とすれば相当な省力化を果たし、乗員数は240名に収まり、海士でも二段寝台が準備されている。
司厨設備も完全電化され、発電量に比例して冷凍庫も大きいことから、食事提供能力も高度なものを有する。
なお本クラスは艦隊旗艦を務めることも多いため、流石に幹部と海曹・海士の食堂は分離され、士官室もそれなりの調度となっている。
合理性を突き詰めれば多機能護衛艦のように、階級を問わず食堂を一元化してしまうのも、一つの手段ではある。
しかし両者の食事は分離している方が負担が少ないと、海曹海士側から特に改善要求が多かったこと。
戦時治療所も兼ねる士官室は独立化し、ある程度の容積を確保することが望ましいとされ、従来型護衛艦に近い居住区となった。
845:戦車の人:2025/03/23(日) 03:33:36 HOST:110-130-205-29.rev.home.ne.jp
なお運用人員こそ省力化されているが、戦闘指揮所と独立した艦隊指揮所(FIC)も当然設けられている。
規格化された共通コンソール、分散処理システムの導入などにより、陸自や空自幹部。あるいは自治体職員受入体制も整っている。
後者に関しては激甚災害発生時、被災自治体より職員派遣を受け入れ、より実際的な派遣及び支援活動実施のためである。
航空機運用能力はSH-60L哨戒ヘリコプター2機まで対応し、着艦拘束装置もRAST最新型2セットが準備されている。
無論、より小型の無人機運用にも対応しており、災害派遣時にはMCH-101大型ヘリコプターも1機なら収容可能である。
通常任務においてはSH-60L哨戒ヘリ2機と搭載しており、SQQ-89対潜システム最新型搭載もあり、ASWも怠りはない。
勿論、BMD能力に特に優れた本クラスが災害派遣即応待機を受けることはないが、災害発生後の出動は視野に入っている。
イージスベースライン9ないし10の高い処理能力と通信能力、独立したFICを持つ大型艦は災害派遣時にも有力な存在である。
また激甚災害に自衛隊の相当数が派遣された状況を悪用し、弾道ミサイル攻撃を行うリスクにも常時備えている。
昨今多用されるチープキル攻撃にも相応の対処能力が施され、イージスシステムと連接したブッシュマスター30ミリ機関砲2基。
あるいは不審船、海賊船立入検査のための複合高速艇も搭載され、特別警備隊からの人員受入体制も整っている。
航空護衛艦と並び最新イージスシステムによる、極めて高度なBMD能力を持つ本クラスは、この種の攻撃を受けやすい。
それも我が国周辺の仮想敵の平時からの軍事力行使を考慮すれば、この種の自衛手段も必須と言えた。
自衛手段といえば電波探知妨害装置も該当するが、イージスシステムへの最適化のため、ついにSLQ-59を導入。
国産電子戦システムは汎用護衛艦、多機能護衛艦、航空護衛艦に用い、イージス艦は米国製システム搭載に踏み切った。
無論、国産システムの搭載も不可能ではないが、システムインテグレーションに相応のコストと時間が必要であること。
既存のNOLQ-2では設計が古く、今後の各種経空脅威への対処能力に限界があるとされ、米国製導入が行われた。
但し完全な輸入方式ではなく三菱電機がライセンス生産権を取得し、国内半導体産業を活用した調達迅速化にも努めている。
現状の運用実績は何れも概ね良好であり、運用維持コストではSPY-7系列が、将来性や汎用性ではSPY-6系列が優れている。
何れのシステムを将来イージス艦に導入するかは、未だに防衛省も断言はしておらず、今しばらく慎重な姿勢を示している。
この点は性能面でやや古いとは言え、ベースライン7-9を搭載する既存イージス艦多数による冗長性が、余裕を確保している。
ただ海上自衛隊OBを含む軍事研究関係者の憶測としては、本クラス8隻はSPY-7搭載に統一。BMD任務に特化。
SPY-1D搭載艦の代替には、汎用性の高いSPY-6及びベースライン10を採用するのではないかとの推察も多い。
何れを採用するかについては本家米国の意向、レイセオン等の製造能力も大いに影響することも、確実視されている。
異なるシステムを用いているとは言え、現状最良の広域防空・弾道ミサイル迎撃能力を有する護衛艦のではある。
日米共同にうよるSM-6へのMRBM、HGV対処能力研究も含め、向こう30年は本土の盾として運用は確実視されている。
なお自国の製造業を見限った米軍が、本クラスの船体と機関を含む建造を求めているというニュースも、先日公表された。
846:戦車の人:2025/03/23(日) 03:47:05 HOST:110-130-205-29.rev.home.ne.jp
wikiへの転載はご自由に願います。
イージス・システム搭載艦、4倍に増えた上でSPY-6と7搭載艦を各4隻建造。
BMDのみならず既存イージス艦後継の試金石として比較検証というネタを盛り込んでみました。
どちらも必要十分以上の高性能を有し。後はコストと実用性という段階でしょう。
SPY-1と互換性のあるSPY-7を選ぶか、将来性で優れるSPY-6を米軍と歩調を合わせ導入するか。
このあたりは本当にさじ加減レベルでして、既存海自路線ならばSPY-6が本命となるでしょうか。
一方で大陸化日本世界線ではSPY-7を有するアショアシステムが、相当数陸上で稼働してます。
既存システムとのインテグレーションが容易で、JADGEシステムと機材共通化という点ではSPY-7も捨てきれません。
故に…
アメリカ本国の意向、米国軍需産業との契約関係が一番鍵かもしれません。
ただ2選目のトランプ大統領が、あそこまでボケてるのはちょっと不安ですね。
最終更新:2025年08月24日 22:50