878:戦車の人:2025/03/28(金) 04:23:40 HOST:110-130-205-29.rev.home.ne.jp
  • 大陸化日本 F-3戦闘機

日本国が大陸化した際、産業構造や社会インフラなどが大いに拡大、技術面でも一世代進んだことは人口に膾炙している。
その影響が防衛省および自衛隊にも広く及んだことも、よく知られており、海上自衛隊などは4個空母機動部隊を有するに至っていた。
かような防衛装備の進歩、数量増大の中で、特に大きな、別物と呼ぶべき変化を遂げたのが、航空自衛隊F-2戦闘機である。

本機は日米共同の形でF-16Cを原型に開発された、単発単座多目的戦闘機で、単座・複座型合計で98機が完成した。
飛行訓練における事故、東日本大震災による松島基地冠水等により6機が失われ、90機余りが現役にあった。
外観こそF-16Cに近似しているが国産先端技術の導入、複数回の近代化で今なお十分通用する第4世代戦闘機である。

大陸化に伴い数量が増えたのは他の自衛隊装備と同様で、実に600機以上-嘗ての予備機込130機案の5倍近くに増大。
搭乗員、整備員なども同様だったが、問題は増大した「F-2」とされている戦闘機が、全く別物であったことだった。
実に500機以上が増えた「F-2」は双発双尾翼、列島日本時代のF-2より一回り大きな多目的戦闘機であった。


これについて航空幕僚監部、防衛装備庁、三菱重工などが事実確認を行ったところ、やはりコンセプトからして大いに違った。
かの大陸世界線では近代化が現実的ではないPre-MSIP世代のF-15J、F-4EJ改の全面代替も視野に入れ開発。
要撃戦闘、航空優勢の確保も視野に入れ、洋上阻止は超音速対艦ミサイル運用を当初から導入している戦闘機である。

どちらが一方的に優れるというわけではなく、大陸世界線からの空自幹部・隊員から列島出身のF-2の評価はもなかなか高い。
操縦性、運動性、低空飛行安定性に優れ、アビオニクスも誘導武器運用やネットワークを含めて良好であると判断された。
故に列島、大陸世界線のF-2はそれぞれ別の戦闘機として運用を行うのが適当と、防衛省及び航空自衛隊は最終的に判断。

大陸世界線よりやってきたF-2を統合名称として「F-3」に改名し、当面の戦闘機戦力を担うことを決心している。
この点はボーイング社の経営不振により、F-15J(MSIP)の近代化が遅延していることも、大いに影響している。
またエンジンから機体まで完全国産化されており、米国の意向を考慮せず、より自由な近代化を行える点も無視できなかった。


かくしてF-3という名前になった大陸世界線のF-2であるが、本質は第4.5世代戦闘機で、F-35程のステルス性は有していない。
機体形状も双発、双垂直・水平尾翼、ブレンデッドウィングボディにクリップドデルタ形状の主翼と、新味のないものである。
どちらかといえばミグ29の近代化改良型に近い形状で、名前から新型機を期待した航空ファンを拍子抜けさせたという。

一方でエンジンは石川島播磨の開発した、セミスリムハイパワーターボファン2基を備え、推力重量比は1を軽く超えている。
最大速度こそマッハ2とされているが加速力、戦闘行動半径などは列島日本のF-2をかなり凌駕している。
操縦系も手堅いデジタル多重フライ・バイ・ワイヤを用い、サイドスティック操縦に慣れた搭乗員が違和感なく習熟できる。

アビオニクスも電算系に富士通、レーダー等センサに三菱電機、通信及び電子戦機器に日本電気の商用品ベースで構築。
光ファイバを介したホットスワップ接続、そして双発機故の容積の恩恵で発達余裕が大きく、近代化のペースも早い。
大陸世界線では「F-2C/D」と呼ばれており、F-15EXに迫る能力を有していると、防衛装備庁等は判断している。

879:戦車の人:2025/03/28(金) 04:24:15 HOST:110-130-205-29.rev.home.ne.jp
全幅で12メートル、全長で17メートルを超える機体は、軽量合金と複合素材を多用し、自重は12トン以下に収まっている。
必要強度を十分確保したうえでの軽量化故に、高機動や低空高速突破でも問題はなく、操縦性自体も素直である。
旋回直径ではF-2に劣るが、1基最大11トン以上の高効率ターボファン2基の推力により、高速旋回や上昇力で優越している。

戦闘行動半径は要撃任務で600海里以上、洋上阻止任務で500海里に達し、長大な領海を守るに適している。
操縦席は完全なグラスコクピットであり、HUDとHMD双方を用い、一部ではタッチパネル端末操作も導入されている。
航法システムはGPSとレーザーリングジャイロと堅実で、民間空路を用いる際の事故防止にも最大限努力が払われている。

センサ系は三菱電機製の大型多機能AESAレーダで、技術系統はJ/APG-2と同様だが、アンテナ直径と出力が大きい。
当然探知距離、同時追尾・誘導目標数にも優れ、富士通製分散処理システムや日本電気製電子戦システムと統合化を実施。
ECCM能力、多種多様な誘導武器運用能力でもF-2の一歩先を行き、当初より電子光学センサも併載している。


固定武装は「日本製鋼所」がライセンス生産した20ミリバルカン砲M61A2で、A1に比べ最大発射速度への時間を短縮。
1発の威力面では大口径機関砲に劣るが、即応性や信頼性では勝っており、搭載弾薬数は500発以上である。
大陸世界線の航空自衛隊も、バルカン砲の洗練、最適化で必要十分と判断したことは、列島日本と同様であった。

空対空誘導弾は概ねF-2と同等で、AAM-4B及びAAM-5B空対空誘導弾各4発を定数搭載可能である。
巡航ミサイル迎撃などを想定した場合、双発機ならではの余裕を活用し、AAM-4Bを最大6発まで搭載できる。
またAESAレーダの探知領域、処理能力の向上により、実質的な有効射程ではかなり優越しているとされている。

F-2/F-3の欠かせない一義である洋上阻止任務では、ASM-3系に統一された超音速対艦誘導弾を4発搭載する。
本体重量1トン以下ながら全領域でマッハ3以上で飛翔し、有効射程は300キロ以上と飛翔効率に優れている。
光ジャイロ・GPS併用の中間誘導及びAESAシーカによる終末誘導を併用し、駆逐艦程度なら一撃で無力化出来る。


近接航空支援においてはGPS誘導爆弾、自己鍛造多弾頭爆弾、マーベリック対地誘導弾等を常用可能である。
F-2ほどではないが低空飛行時の安定性と運動性も良好で、対地対艦任務時のNOE飛行にも十分対応している。
余裕ある出力重量比と手堅い多重デジタルフライ・バイ・ワイヤ、機体設計のシナジーはそれなり以上に大きい。

総合的に評価すればF-35など第5世代には及ばないが、2020年代以降も十分実用に耐える多目的戦闘機である。
電子装備を筆頭に戦闘艤装が光ファイバを介したホットスワップ接続ゆえ、COTSによる性能向上が容易な点も長所である。
昨今は東芝や三菱共同開発の電子戦ポッドも準備され、電子情報収集や電波妨害任務などにも対応を果たしている。

将来的には国際共同開発の形を用いる、XF9-1エンジン搭載の国産第5世代戦闘機に代替される予定ではある。
だがF-2と並び高い汎用性、国産故の近代化改修の平易さから、将来10-20年は現役にあると推察されている。
なお海自航空護衛艦での運用も考慮され、実験で概ね及第点を修めたが、こちらはF-35C戦闘機が主流である。

880:戦車の人:2025/03/28(金) 04:31:32 HOST:110-130-205-29.rev.home.ne.jp
  • あとがき

はい。F-2開発当時に三菱などが計画した、双発型FSXを21世紀現在の技術でリファインした戦闘機です。
外観はミグ29M/35の西側仕様といった感じで、用いている技術も列島日本と近い手堅い。
率直に言えば面白みのない技術ばかりで、総合的には第4.5世代戦闘機の枠内に留まっています。

史実F-2との違いは双発戦闘機故に機体規模が大きく、武装搭載量や発達余裕が大きい。
故にASM-3改良型相当を4発搭載して、500海里以上先の脅威目標への阻止攻撃も可能です。
推力重量比も1を超えており、JADGEシステムの適切な支援を受ければ、要撃戦闘機としても戦えます。

低空安定性や軽快性ではF-2が優れ、F-2とF-3は共に国産戦闘機として相互補完を行う。
国内COTSによる能力向上を重ね、F-15J初期型の代替。あるいはF-15MJやF-35A大量配備までの場繋ぎを担います。
…どっちもライセンスないし輸入ですし、ボーイングの経営状況悪化も無視できないものです。

この双発型F-2ことF-3はボーイングのF-15J近代化、ロッキード・マーティンのF-35A納品遅延対応。
そのために作った戦闘機です。まさか航空大国の合衆国があんなことになるなんて…(白目)
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最終更新:2025年08月24日 22:53