103 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2025/05/12(月) 00:20:27 ID:softbank126075110124.bbtec.net [12/90]

憂鬱SRW ファンタジールートSS 「ペテルブルク大戦略」6


  • F世界 ストパン世界 主観1944年12月 オラーシャ帝国 ペテルブルク 502JFW基地 CDC



 ネウロイの動きは、終極点へ傾いた。
 分散していた状態から、集合を始めたのだ。
 人類側の度重なる攻撃によって、分かれていた集団が虫食い状態になっていて、このままでは有効な攻撃ができないのもあるだろう。
故に密集しての絨毯爆撃と集中攻撃。合理的だ。如何にエーテルバリアでも完全に防ぎきれるかは怪しい。
特に肉弾突撃をされると、流石に負荷が限界を超えてしまい、エーテルバリアは破られてしまうだろう。

「準備は!?」
「順調です、何時でも!」

 ラルの問いに、オペレーターは緊張のこもった声で応じる。
 今、地上でネウロイ集団に向けられているのは、MAP兵器級要塞砲として運び込まれていたアプサラス・キャノン。
その名の通り、MA「アプサラス」の主砲のように、拡散砲撃をして複数ターゲットを妨害された条件でも精密狙撃するものだ。
 だが、微調整や設置などはまだだった。
 それを、MPFにジョイントすることで未完成だった管制制御システムを補い、502JFW基地からのエーテルと電力供給で動かすという荒業で行った。
激戦の中で、実働戦力を捌く中で、半ば大工事であった準備を整え切ったメカニック班には感謝しきれない。
 現在、502基地の滑走路上にいるアウロラとジナイーダの二人が、MPFを纏い、その巨砲を構えている。
ネウロイも探知はしているのだろう、攻撃は502JFW基地の方にも積極的に向けられている。

 けれど、それは間に合わなかったのだ。
 合図を受け、ラルは回線をつなぎ、指示を出した。

「撃て」

 返答は、巨大な砲塔の咆哮によってなされた。
 寸分の遅れもなく、アウロラとジナイーダのひいた引き金が、その引き金の先に存在している機構が、アプサラス・キャノンを稼働させたのだ。
供給される電力、エーテル、そしてそれらを制御する電子信号の塊と物理的な機構の運動の連続。
それらが調和となって、一つの解へとたどり着く。
 即ち、飽和攻撃に対する、殲滅攻撃へ。

「-----」

104 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2025/05/12(月) 00:21:25 ID:softbank126075110124.bbtec.net [13/90]

 現象としてネウロイの大多数の撃滅が生じてから、音が生じた。
 押し寄せていて、空を覆いつくし、ペテルブルクを飲み込もうとしていたネウロイの集団が、一気に破裂したのだ。
その音はすさまじく、建物に反響し、ペテルブルクの人々を、建物を、空気を揺らした。

 だが、その程度で止まってやれるわけがない。
 ネウロイ---より正確にはその残骸---が降り注いでくるからだ。
コアを失っても、あるいは致命傷となるほどのダメージを受けても、ネウロイには物理的な身体がある。
形状崩壊を起こしながらも、それでも、最後に牙をむかんとしている。

「次発は打てないかも……けど、決める!」

 ジナイーダの咆哮と共に、第二射が放たれた。
 急造で組み合せたことの弊害だからこそ、短期に連続しては打てない。
 だが、もう一射。今度こそ綺麗にすることくらいはできるのだ。

「行けぇ!」

 次の掃射が、空ごと砕かんばかりに撃ち抜く。
合わせて放たれるアウロラの掃射と合わせ、今度こそ空がクリアになっていく。
砕き、割れ、粉砕し、粉々にする。口で言うのは簡単だが、途方もない数を一瞬でやるのは、壮観であった。
 そして、最後の仕上げと、残った人々が武器を構えた。

「終わらせるぞ!」

 その言葉は、戦場に出ていた誰もが口に出していた。
 起死回生の一撃で、長い長い戦いに終わりが見えていたのだ。
 最後の総仕上げ---それのために力をふるうのをためらう理由は、欠片も存在していない。
 そして---夜が明ける。

105 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2025/05/12(月) 00:22:23 ID:softbank126075110124.bbtec.net [14/90]

以上、wiki転載はご自由に。

やっとケリがつけられました。他のネタに入れ込み過ぎましたぁ。
戦闘は終わったので、次からは後始末ですね(白目)

では、おやすみなさいませ。
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最終更新:2025年09月08日 21:03