123:ひゅうが:2025/07/05(土) 02:53:46 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp


―――ヤシマ派遣学園 海上警備隊(ブルーマーメイド) 一等航洋警備艦「ハツセ」型


全長:328メートル
全幅:50.5メートル
喫水:12.00メートル
基準排水量:12万8620トン
満載排水量:14万3820トン

機関方式:液化メレジン燃焼式ガスタービン・過加熱過給機付きボイラー・高低圧ガスタービン統合電機推進式
機関構成:主GT8基・主B8基・加減速用高圧GT4基・同低圧GT4基
出力:1700メガワット(熱出力)650メガワット(電気出力)
主推進機:超電導非接触型(液体ヘリウム非使用機械冷却型)回転モーター4基4軸(最大52万馬力)
舵:主舵4基(1基艦底引き込み式)+副舵4基(2基引き込み式)

航続距離:1万カイリ/18ノット
最大速力:33ノット(過負荷全力時35.1ノット)

装甲:舷側57ミリ均質圧延装甲+870ミリラミネート装甲+50~150ミリ拘束セラミック主体複合装甲(最大1077ミリ)
   甲板114ミリ均質圧延装甲+330ミリラミネート装甲+50ミリ拘束セラミック主体複合装甲(最大494ミリ)
   主砲塔防盾114ミリ均質圧延装甲+1000ミリラミネート装甲+140ミリ拘束セラミック主体複合装甲(最大1254ミリ)
   主砲塔バーベット737ミリラミネート装甲
   CIC114ミリ均質圧延装甲+568ミリラミネート装甲
   舵機室230ミリラミネート装甲+57ミリ均質圧延装甲

主砲:47口径56センチ(22インチ)電気熱化学・電磁投射複合砲3連装3基
武装:57口径20.3センチ(8インチ)電気熱化学砲単装6基
   15メガワット級戦術レーザーシステム単装8基
   780キロワット級戦術レーザーシステム連装10基
   120口径57ミリ高射機関砲連装15基(レールガンシステム式 発射速度毎分1500発)
   35ミリ回転銃身式機関砲(砲身9基連結)連装22基(ケースレス砲弾式 発射速度毎分5200発)
   12.7ミリ機関銃単装8基
   超大型VLS 32セル(内装直径2.5メートル)
   大型VLS 384セル(内装直径0.9メートル)

124:ひゅうが:2025/07/05(土) 02:54:19 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp

搭載機:VTOL機最大4機(ベルV-2800バロール換算)
    観測用電動UAV常備18機
乗組員:580名(最低90名)

同型艦:「ハツセ」「アマノハラ」「カシワラ」「ワカクサ」「タツタ」「ミナリ」計6隻


※1 特記事項―――電子型仮想「持衰」式対神秘防御システム搭載(艦内3か所)



※2 特記事項――47口径56センチ砲3連装主砲塔

砲身長27.52メートル(補機含む 加速砲身26.32メートル水冷・表面蒸気冷却併用式)
主砲塔全長:22.27メートル(砲身含まず)
重量:3694トン
ターレット内径19.2メートル
主砲弾重量:3.17トン(大重量徹甲弾使用時 通常弾2.6トン)
初速:810メートル(同上 通常装薬時) 7200メートル(最大加速時)
貫通力:1614ミリ(2万メートル垂直入射時) 1242ミリ(3万メートル垂直入射時)
    555.8ミリ(2万メートル水平入射時) 665ミリ(3万メートル水平入射時)
有効射程:3万8000メートル(通常装薬時)
発射速度:3斉射/分
旋回速度:90度/秒(リニア電動機式)
最大仰角:80度(俯角10度 120度/秒機動)
最大加速電力:瞬間120メガワット/門(超電導コイル蓄電式超高圧インバータ制御)


※3 特記事項―――液化メレジン燃焼式

メタンハイドレートを白金系触媒(詳細極秘)によりエタノールと重合させ改質処理を行い常温常圧下で液化した液体
ハイドレーションにより水を多量に含むためにガスタービン燃焼時は水噴射を実施した状態に近い高出力が得られる
キヴォトス人に原子核反応技術を渡すとスナック感覚で核爆発を起こされかねない程度の民度の低さから苦肉の策として採用された発電方式である
本艦はガスタービン燃焼後の排気を電磁誘導式発電およびボイラーによる同燃料再噴射を行った定常発電に加え、艦体の加減速用の負荷追従用の高低圧ガスタービン(燃焼温度は石油系燃料と蒸気タービンの中間程度である)を設置し、液化メレジンタンクと共に艦の重心安定用に「ある程度の重量を持つ機関部」としている
加えて高温超電導配線による統合電機推進採用により各所に電力を供給。主ラミネート装甲はじめカタログスペック以上の攻防性能を手に入れた

184:ひゅうが:2025/07/05(土) 16:07:51 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp
とりあえず復旧できた分だけ投下いたします




【概略】―――ヤシマ派遣学園が建造したキヴォトス史上最大の水上戦闘艦にして、キヴォトス北方航路の安全を事実上守っている海上警備隊、通称ブルーマーメイドの主力警備艦である
建造当初は巡視船と称したものの「いやどう見ても戦艦だろ!」「いえ、巡視船です」との連邦生徒会その他とのやりとりの果てに新たに「警備艦」の艦種を新設し、一応の法的枠組みの中に組み込まれる結果となった特殊な艦艇群の一角である
同型の船体はキヴォトスの海上交通路を統括するオデュッセイア海洋学園にも供与されており、武装や装甲こそ異なるものの機関部まで含めれば姉妹艦といえる艦は多岐にわたる
当初は第1バッジだけで8隻の建造が予定されていたものの、泡を食った連邦生徒会の介入により建造は6隻でストップ
現在は常時2隻が洋上にあって、根絶しきれていない海賊ヘルメット団や統制を離れた半グレ海上スケバンたちの恐怖の対象となっている


【前史】――キヴォトス宇宙と接触した地球連合は、現地への直接介入の危険性をのちの連邦生徒会長から説かれたことや現地学校群(のちのヤシマ派遣学園の母体)からの懇願を容れて現地法人による間接アプローチへと舵を切った
しかし、彼らの前に現れたのは、資本主義の暗黒面ともいうべきすさまじい環境汚染に汚しつくされた大地と近海だった
数多の宇宙を観測していた地球連合(以後連合と略記)がドン引きして人道的配慮を思い出す程度には悲惨な状況を受けて、連合による間接アプローチはすぐに環境再生プロジェクトへと化けた
この際問題となったのが、現地治安の回復だった
大規模テラフォーミングに近い土木工事が必須であることや汚染土壌の海洋流出による負の連鎖を止めるためにもアプローチ先の海洋の使用は必須であった
しかし汚染により漁業はおろか海洋資源採掘すら困難な暗礁海域が点在していた地球のスカンジナヴィアによく似た同地は海賊や不良生徒たちの温床となっていたのだった
すべては北方航路(地球における北極海航路に近い立ち位置にある)の要地にあるがゆえにいやでも通らざるを得ない場所にあるための惨状だった
そこで連合は、のちの連邦生徒会長の仲介により同地での治安悪化による海上輸送保険料の高騰に悩んでいたオデュッセイア海洋高校および連邦生徒会交通室に接触
治安回復とバーターでの警備権をもぎ取ると、治安回復を担う実力組織(警察権については当時は曖昧であったことからこう称する)海上警備隊を設置する
当時は赤く染まった汚染海域を再び青く取り戻すという決意を込めて命名されたブルーマーメイドという名でもっぱら知られることになる組織の誕生である
とはいえ、キヴォトスにも(完全に形骸化していたとはいえ)法は存在しており、誕生したばかりのヤシマ派遣学園とその背後の連合はその内容に頭を痛めた

海賊たちは平気でオデュッセイアや連邦生徒会艦隊から強奪した大小艦艇に好き放題にミサイルを搭載しているのに、旧態依然とした連邦法により両者の艦隊以外の「長射程対艦ミサイルなどの誘導兵器を主力とした艦艇の配備」に極めて大きな規制がかかっていたのである

185:ひゅうが:2025/07/05(土) 16:08:38 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp
これを受けて連合上層部は、当初は連合内部でも枯れた技術となりつつあった核融合ないしはその習作としての核分裂動力を用いた大型海上艦艇に多数のレーザー兵器を搭載することで対処しようとした――が、これは当時の現地勢、特にのちの連邦生徒会長が止めた

「冷静に考えてください。このキヴォトスに核エネルギーみたいな桁外れの出力をもった新エネルギーを導入したら、アウトロー生徒さんたちが使いたがらないわけがないでしょう?」

「あの・・・言いにくいのですけど、この威力見たら、土木使用名目で大量配備して敵対する自治区を焼き始めるような集団を3桁単位で知ってるんですけど・・・」

連合は頭を抱えた
こいつらどうかしている
そもそもサーモバリック爆弾すらまだ非人道的兵器として禁止されていなかった当時のキヴォトスは大きいことはいいことだといわんばかりにトンでもない超大型爆弾の投下が日常茶飯事となっていたのだ
重ねて言おう
こいつらどうかしている

というわけで、核エネルギーを利用した1万トン級の中型海上打撃艦建造計画は頓挫した
部品を連合が完全に握ることでコントロール可能ではという案も出るには出た。が、

「冷静に考えてください。このてのエネルギーがあることを知ったら試したがる脳の持ち主を、私は数千名単位で知っています」

「具体的にはミレニアム・サイエンススクールとか」

という珍しく焦った様子の後の連邦生徒会長の必死の説得でボツとなった
なお、いい加減うんざりした連合技術陣はキヴォトス世界の恒星光を利用した反物質製造やフォトンバッテリーによるエネルギー貯蔵も案として出したが「そもそもこいつらに相対性理論に基づく質量のエネルギー転換を教える方がヤバい」「せっかく空に飛行船か回転翼機しか飛ばさないようになったところに『宇宙!そういうものもあるのか!!』と思わせたら大変なことになる」との意見によりあえなくボツとなっている

こうして連合ならびにヤシマ派遣学園上層部は手足を封じられたかにみえた

「どうするんだよ!ミサイルも光学兵器も使えないって、昔懐かしの艦砲でも使えって・・・」

「「「それだ!!」」」×多数

おおむねこんな流れで、頭がゆだった彼らは正解にたどりついた
考えてみれば、航空機なんて使わせたら隣の自治区を1000機爆撃で焼きかねない、というか焼いた前例が多数存在した危険性から固定翼機の配備がタブー化していたキヴォトスにおいては、水上艦艇の天敵が存在していないのである
これはいける
こう思ってしまった時点でいかに彼らがこのキヴォトスというマッポーの世に辟易していたかがよくわかる
限りなく不幸に近い幸運の果てに、化石燃料の類似物にも目途がたっていた
石油などは地球同様に偏在していたものの、実に皮肉なことに深刻過ぎる環境汚染とその改善テラフォーミング作業の結果、ヤシマ派遣学園の海上プラント部直下において大量のメタンハイドレートが変質
常温下において液体のあたかも石油に近い状態の物質が大量に生成されていたのである
水の底に天然の漆が貯まっているような幸運であった
これを見た連合は戦慄した
その液体の状態は、彼らが知るある物質と酷似していたのだ

186:ひゅうが:2025/07/05(土) 16:09:20 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp

アイス・セカンド

常温常圧下で相転移を起こしているために宇宙空間での亜光速巡航すら可能とする「氷の同位体」にそれは連合の技術をもってすれば転換可能な前駆物質だったのだ
当然ながらこの事実は封印され、化学反応レベルで可能な限り水と二酸化炭素へ分解して物質自体を希釈してしまう方針がとられていた
灯油に匹敵する燃焼の安定性とガソリンに匹敵する高エネルギーの化学反応を起こす(そしてアイス・セカンド同様に時空次元に存在を偏らせていることから重力エネルギーを発することからこれは量子トンネル効果を利用し遠隔回収可能であった)この物質は可能な限り早期に消費尽くしてまう方針がとられていたのだった
とりあえず連合お得意のアルゴリズム・イメージにより物理法則を書き換えることでの触媒反応によりエタノールと重合させることで安定性を増大させることはできたため即座の介入こそ行われなかったものの、一歩間違えればこの世界に存在するかもしれない宇宙怪獣軍団が殺到して来かねない事態だった

こうして得られたいわば「危険な廃棄物」は、別の面でいえば超高効率の新型化学燃料とものなるのである
燃やすならば、超大型船舶は最適だった
実に皮肉なことではあるが、ブルーマーメイドが超大型艦を保有するのはこの必要性により決まったのだった

そして武装でも頭のゆだった連合勢はトンでもないものを考え付いていた

「光学兵器は対大型艦用レベルまでの出力が用意できず、誘導兵器は使っちゃダメ?
逆に考えるんだ。誘導兵器が主力じゃないくらいの威力があるものをメインに据えればいいんだって」

連邦生徒会法のある種ザルであったのは「誘導弾を主力とする」と定義することによって、既存の大学園やオデュッセイアが保有するような大型水上戦闘艦が保有できない中小学園自治区に配慮して実体弾武器の規制を行っていないことだった
ある意味当然だった
これを規制しはじめると、トリニティの砲術委員会のような牽引砲の保有規制にまで手を突っ込まざるを得なくなる
とんでもない厄ネタだった

かくして、海上警備隊(ブルーマーメイド)には、既存の対艦ミサイルの威力をさらに上回る威力を持つ「主砲」の装備が求められることとなった
この時点で、計画段階で主力とみられていた46センチ主砲弾の使用は断念された
威力、というより重量と付与エネルギー不足だったのである
際限ない艦体の肥大化はかろうじてはたらいた理性によって港湾での運用限界という理由から避けられたものの、こうなると今度は「ミサイル以上の主力とする」という定義に失格な主砲威力しか確保できない

187:ひゅうが:2025/07/05(土) 16:09:55 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp
そこで、彼らは禁断の手法に手を出した

「なら砲弾の速度上げればいいだろ速度!」

「電気が足りない? 誰がレールガンだって言った?」

と、こうした暴走の果てにできてしまった設計案を見たブルーマーメイドたちはちょっと引いたが、不幸にも彼女らは異世界なんだからそんなもんなんだろう、で済ませてしまった
常識人だったがゆえに主張を強くできず学園存亡の危機に立っていたことが彼女らの感覚を狂わせていたのだった
実に不幸なすれ違いである

かくて――主砲には、電気熱化学加速と電磁投射による低反動加速をあわせて採用
瞬間的に磁気でできた仮想砲身を展開することで、第1宇宙速度に限りなく近い最大初速すら手にしてみせた
むろん、連邦生徒会にツっこまれる隙はなくするべく、通常装薬での射撃時の威力も連邦生徒会艦隊が保有していた大型艦対艦ミサイルの一斉発射(超音速での800キログラム誘導弾8発発射)に匹敵するものが確保されている

こうなってはじめて、設計陣はやりすぎに気付き始め…ついに諦めた
ここはキヴォトス。常人に口なし
いみじくもそう託宣を下した直後だったため引っ込みがつかなかった、ともいう
それにどうせ、宇宙空間を縦横無尽に使っている連合勢ならどうにかなるだろうとナメてたともいえる

こうして、出来上がったのは、怪物以外の何者でもなかった


どこかの世界の大和型戦艦や播磨型戦艦のごとき日本的な塔型艦橋を有し、モビルスーツを運用する世界で作られたエネルギーを分散吸収するラミネート装甲とそれでも耐えられない場合に備えた偏執的な装甲群を有し――さらに常軌を逸した威力の主砲があった
ついでにいえば、空いた空間が勿体ないからという理由で「最大威力の主砲未満の威力だから」という理由で超大型VLSと、迎撃用だからという理由で380以上のVLSまで追加している

188:ひゅうが:2025/07/05(土) 16:10:39 HOST:opt-133-123-162-250.client.pikara.ne.jp

これを見たのちの連邦生徒会長および、ヤシマ派遣学園の学園長就任予定者たちは異口同音にこう叫んだ

「「誰がここまでやれといった!!」」

遅かった

完全に遅かった

巨大すぎる本艦をはじめとする六六艦隊は第一次ケープ・コッド沖海戦でノリノリのブルーマーメイドたちに叩き潰されており、この威力に注目した大学園たちの間に建艦競争が勃発していたのだ
投入される鉄量や資材の量でいえばはるかに巨大なヤシマ派遣学園自治区内の環境再生計画や、本土との連絡橋ビッグブリッジ建造、そして超大型浮体構造物も兼ねる箱庭学園などの建造が進行していたためについついそちらに注目していたせいで起きてしまった見落としは、取り返しのつかない結果を生んでしまったのだった

何より、キラキラした目で浮かべるくろがねの城――いや純白と紺碧に塗り分けられた「巡視船」を見つめる内外のにわか大艦巨砲主義者たちは…あまりに多すぎた

ヤシマ派遣学園および連合にできたのは、青筋をたててこちらを見ている連邦生徒会に硬軟織り交ぜた説得工作を行うことくらいだったのであった・・・
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最終更新:2025年09月13日 13:14