895 名前:ひゅうが[age] 投稿日:2025/07/31(木) 02:21:07 ID:opt-133-123-172-168.client.pikara.ne.jp [3/45]
――地球連合軍 第1任務部隊(JTF-1)所属 T式戦術航空機動要塞(DAG-MBS-SX3-B 陸上自衛軍/陸上自衛隊 99式本土防衛移動要塞 通称スーパーXⅢ改)
全長:42メートル
全幅:62.7メートル
全高:7.5メートル
重量:282トン(空虚重量)
機関:主ミューオン触媒核融合ジェットエンジン2基(推力最大120トン×2)
補助レーザー熱核ジェットエンジン4基(推力最大12トン×4)
最大速度:マッハ1.6
巡航速度:マッハ1.1
航続距離:最大4万5000キロメートル
装甲:超耐熱合金NT-2S+人口ダイヤモンド・立方晶窒化炭素積層コーティング(ラミネート装甲)
武装:超低温レーザー発射機1門(1500万ボルト級戦術レーザー転用。連続最大照射時間約30秒 インターバル2秒)
スパイラルグレネードミサイル発射機4連装4基(直径80センチメートル 最大速度マッハ8)
同軸105ミリ電磁砲1門
乗員数:4名
生産機数:15機(最終的に全機がM世界に投入)
【概略】――地球連合軍の同盟世界(通称T世界)からマブラヴ世界(以下M世界と略記)への介入に使用された特殊航空機
M世界投入時点においては旧式化しており新型機への切り替えが進行していたことから国連G対策センターへの移管を待つ予備機状態だったものの地球連合軍からの要請を受けて急遽現役に復帰
最低限の改装を経て実戦に投入された
活躍の期間も短く、また全機が製造されたT世界では東日本大震災時の災害派遣以外に投入されなかったことから改良前の初号機と混同されがちであるが実際は別の機体である
【派遣経緯】――T世界はM世界と同じく、地球連合軍を形成する各世界において珍しく
日本大陸が日本列島である世界である
しかし彼らは絶対的国力では他世界に圧倒的に劣るものの地球連合の中でも決して侮られてはいなかった
というのも、この世界の人類には天敵が存在したからである
ビキニ環礁における水爆実験の副産物として誕生してしまったジュラ紀の古代生物の突然変異体は1954年の初襲来では倒すことに成功したものの、時空干渉の結果1984年に再度出現
幾度となく主として日本列島を中心とした世界各地に被害をもたらしており、これに耐え抜いたT世界では時空干渉を行った未来人(実際は並行他世界人)からの技術奪取により極めて高度な科学技術の構築に成功していた
1990年代には木星への有人定期探査を実現し、地球連合軍ですら実用化が困難を極めた超低温レーザーの兵器転用までやってのけている
とりわけ強力だったのは、くだんの人類の天敵に対抗するために急速に発達した装甲・素材技術だった
ともすれば核兵器の直撃にすら対抗可能な「直接防御力」を、地球連合軍が誇るコスモナイト装甲抜きで実現してしまった執念は、ひとえに「ヤツ」に対する執念そのものであった
とはいえ、1996年にいったん終息したこの生物災害以後はこれも落ち着き、「ヤツ」のこの世で唯一生き残った同族が比較的人類に敵対的でなかったことから営々と築かれていた(常設国連軍的な組織として国連内部にG対策センターと称する組織まで作っていた)巨大兵器群は順次縮小され――地球連合との接触を迎える
896 名前:ひゅうが[age] 投稿日:2025/07/31(木) 02:21:50 ID:opt-133-123-172-168.client.pikara.ne.jp [4/45]
その後紆余曲折(超古代に地球へ落下した地球外生命体を確認したり、何より「ヤツ」の細胞は既に宇宙空間へ拡散してT世界へ災厄をもたらしていたのだから警戒を解くことなどできなかった)を経てもこれを維持していた彼らがようやく災厄を忘れかけたその時だった
T世界のトラウマを思い切りえぐる情報が地球連合からもたらされる
並行他世界からの時空どころか因果律レベルでの干渉
これによって「ヤツ」を兵器利用されていたT世界としては見過ごせない事態である
既に西暦2000年には在来型の熱核兵器の類の全廃にまで至っていた彼らは、案の定過剰反応した
そして四半世紀を経た2025年、ついにその時がやってくる
最初は地球連合へのお義理で、持て余していた予備機を提供するだけで済ませていたT世界にとってはまさに凶報が到来したのである
「並行他世界からの時空干渉に加え、M世界は大量の熱核兵器を北米およびユーラシア大陸各地にて使用。一部は因果律操作まで行われた形跡がある」
これをT世界は、宇宙空間に開いた「門」「ゲート」の存在からこう推測した
「G細胞ないしはそれに類する突然変異細胞の宇宙空間への拡散の懸念あり。早急な封じ込めが必要と考えられる」
T世界の本来の歴史においては超大国化し地球上の陸地の3分の1以上を領土とするはずだった日本列島の、それもあまりに大量に破壊され続けたことから急激な需要が発生しまくり経済発展を続けてしまった日本国の決断はT世界の国連加盟国の総意となった
それは、誰だってアメリカ独立革命がどこかから失敗させられたりロシアがこれ以上ヤバい何かになったり、あるいは民主化運動鎮圧に成功しちゃって祖国が一党独裁国家のまんまだったりベルリンの壁がまだあったりしたいはずなどあろうはずもない
かくして、要請した地球連合軍がドン引きするレベルでT世界は本気になった
なってしまったのである
こうして投入された本機の数、実に15機
これらすべてが「甲21号作戦」から「桜花作戦」まで、T世界から派遣された多くの兵器群(一部を除いて無人化されたものが大多数であった)とともに戦い抜くことになるのである
その結果は、以下の一言に集約される
「人類は、空を取り戻した」
897 名前:ひゅうが[sage] 投稿日:2025/07/31(木) 02:22:36 ID:opt-133-123-172-168.client.pikara.ne.jp [5/45]
以上になります
楽しんでいただければ幸いです
最終更新:2025年09月14日 17:34