17:霧の咆哮:2025/08/01(金) 22:17:32 HOST:KD124209070075.au-net.ne.jp
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戦後夢幻会世界の艦娘(または船魂)達のやり取り、関連ネタ、エピソード集。その2
「こんな、何て、酷い……」
ー沖縄沖海戦前の季節外れの爆弾低気圧直撃により、前部飛行甲板圧潰といったダメージに呻くバンカーヒルの船魂だったが。
一夜明け、嵐一つで敵艦隊との交戦前からボロボロになってしまった機動艦隊の姿に言葉も詰まってしまう。
ひゅうが氏の世界線か、或いはyukikaze氏も共通か、巡洋艦と駆逐艦が合わせて数隻も転覆で戦没もしてるから猶更。
後にこの世界の艦これで彼女が実装された際は台風がトラウマになっていた(同じくダメージでかかったフランクリンや沈没組も恐らく同様)
なお、ひゅうが氏の世界線には
アメリカ艦隊が台風でもっとやばいことになった世界線もある模様(そっちじゃ確か旗艦すら転覆してた大惨事)
「嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょ待って待ってまっ」
ー上記の台風直撃で自身の船体が転覆、沈没しそうになっていく現実を受け入れたくないアメリカ駆逐艦船魂の最後の叫び。
「……戦略的には、一応、一応俺らの、ステイツの勝ちなんだよな。Japanが誇る連合艦隊はこれで本当に、壊滅したのだから」
「……me達のこの有り様で、me達が勝者だ、なんて誇れると思う?」
「「…………」」
ー沖縄沖海戦後、生き残った駆逐艦船魂の二人。
二人とも宿敵連合艦隊を遂に壊滅に追い込んだ勝利の栄光に浸るどころか、敗者としての敗北感や失った余りにも多くのものらへの損失感や悲しみやらで、
背にドヨーンと闇を背負い目のハイライトオフも消えていた。
それでも日米の終戦条約が結ばれた後は、勝者として彼女らは誇るしかない。
そうでなければ敗者の誇りやらも貶めてしまうのだから。
18:霧の咆哮:2025/08/01(金) 22:18:46 HOST:KD124209070075.au-net.ne.jp
「~~~~~~! 無念だ……!」
ー沖縄投入を前に、機関故障のせいで大和達を見送る側になってしまった長門の船魂。
まず間違いなくこれが今生の別れになると双方悟ってたので、何とか表情は取り繕っていた(大和達にも本音バレバレだったが)長門だけども。
彼女らが水平線の彼方で見えなくなると、その余裕も崩れた。
未来ある若人達を生かすためとはいえ、艦隊の主力も主力にして武勲も名高きこの長門が、誉れ高き連合艦隊最後の決戦に不参加になってしまう苦悩はどれほどか。
長門の護衛として残り、共に若者らを乗せる駆逐艦の船魂達からの気遣う視線に応える余裕もなく、握りしめた長門の両手からは血も滲み垂れ落ちていく。
彼女の流す無念の血涙の代わりとばかりに……
「ぴゅうぅ……ごめんね、矢矧ちゃん。酒匂は一緒に行けそうにない……」
「気にしないで酒匂。貴方の分も武勲を稼いで凱旋してあげるから」
「ちゃんと戻ってきてね……。みんなも……帰ってこないと……だめだから……」
ー沖縄への出撃を前に修理が間に合わずしょんぼりして顔もしわしわになって謝る酒匂の船魂と、次、自分が向かうのは死地と理解しててもなお帰ってくると慰める矢矧。
酒匂もそれをわかってるからこそ自身が共に行けないことを悔やんでるし、矢矧達が向かう先が死地としても、それでも帰ってきてほしい切にと願う。
残念ながら、彼女の願いは僅かな生き残り以外は叶わなかったわけだが。
「雪風達の想いを背負ったのもそうだが、我ながら不思議なほど透明な、どこまでも見通せそうなほど気分が落ち着いている。
何だろうな、この気持ちは……」
ー極東危機で奇跡の出撃を果たした長門の船魂。
彼女は今や高揚した気持ちを通り越し、一種のクリアマインド、明鏡止水の境地に辿り着いていた。
19:霧の咆哮:2025/08/01(金) 22:19:26 HOST:KD124209070075.au-net.ne.jp
「え? あの長門様が出撃? え? あの方、もう動けるような整備状態じゃないですよね。誤報では?」
ー極東危機で警備任務を行う駆逐艦(お嬢様系キャラ)の船魂は自身が受信した通信を聞いて、思わず誤報を疑った。
陣龍氏のかつての感想返信や作品の通り、雪風達からの力の譲渡受けるまでの長門はまともな艦隊機動も取れないほどに船体は限界を迎えてたのだから無理もない。
「……本当に長門様がいらっしゃってますわ。あのお方、本当に艦齢80年近い老朽艦なんですか、あの溢れる威圧感で」
ー実際に艦隊合流して信濃と威風堂々戦列を組む長門の姿を確認した、上記の駆逐艦船魂。
奇跡の復活を果たしてる長門はそれでも補いきれないダメージを船体表面とかで主張しながらも、それが傷だらけの歴戦艦めいた風格にも繋げていた。
実際今の長門はこの一戦のみなら、物理法則も何もかもねじ伏せて十全に戦えた。
幸いにも、極東危機において彼女が主砲を放つ機会は訪れなかったが。
極東危機後、元々畏敬のあった戦後組から更にレジェンド中のレジェンド扱いされたり、
記念艦として余生を過ごす彼女の元を戦後組の船魂が挨拶に向かうものなら、陛下と謁見する一般人みたいにガチガチになってしまったという。
「いくら現存艦艇最大級の武勲艦だからって常識に沿って動きなさいよ!
不可能を可能にするなんて、コミックやアニメのヒーローみたいなことしてんじゃないわよ??!!」
ー極東危機で、戦力差は承知の上で復活の連合艦隊やそれと共にするアメリカ艦隊含めた、現代最強の統合艦隊相手に睨み合いを強いられる東側艦隊所属の船魂の渾身の叫び。
長門の偉業がどんだけ常識外れなのか、そのスピリチュアルな感覚から同じ船魂ほど強烈に理解させられてしまう。
安心しろ、この長門の常識外れさに引いてるのは多分味方である戦後日米船魂にも珍しくないから。
以上です。
wiki転載は例の如くご自由に。
初めて船魂達のエピソードのみで台詞集作れましたわ。
戦後世界はやはり特定エピソードでの印象が強烈です。
最終更新:2025年09月15日 21:26