365:霧の咆哮:2025/08/22(金) 22:16:49 HOST:KD027093002186.au-net.ne.jp
戦後夢幻会世界の艦娘(または船魂)達のやり取り、関連ネタ、エピソード集。その3



「そんな! Mississippiが、Battleshipが一撃で落ちるなんてあり得るの!?」

ーフィリピン沖海戦にて、大和の放った砲撃の直撃で一発も耐えられずに即轟沈してしまったミシシッピの報を聞いて愕然の声を上げるメリーランド。
この後彼女も仲間達の後を追うことになるのだが。


「Oh my God……冗談でしょう? この私が、沈むっての?……sorry、姉貴」

ー姉妹のウェストバージニアが大和の手にかかり、自身も武蔵の手で沈められゆくメリーランドは、最後に姉妹でただ一人残されてしまう姉コロラドに謝罪の言葉を残す。
その言葉が届く筈もなくとも。


「どどどどどど、どうしよう、逃げ、逃げないと!」
「逃げるってどうやってよ!」
「うぇぇ、死にたくないよう……! shipsoul(英語で船魂)として乗員さんらみたいなgrave(英語でお墓)に入れるlast(最後)にはなれないとわかってても、こんなlastはやだやだぁ」
「艦隊は、ステイツの誇る大艦隊はどうしたの!?」
「■■■■■■■■(放送禁止用語連発中)」
「もうやられちまったから、敵艦隊がこっちに来てんだろ……」

ー連合艦隊の突入寸前。
レイテ湾の奥に遊弋していたアメリカの大船団が狂乱の渦に叩き込まれてたってことは、輸送船団の船魂達とて当然大パニックだったわけで。
逃げようとするもの、自身に迫る死の匂いの恐怖に泣きじゃくるもの、自分達を守るべき筈の、ハルゼー艦隊(絶対間に合わない位置)以外はもうまともに残ってない艦隊はどこだと叫ぶもの。
放送禁止用語な悪態しか最早つけないもの、何もかも終わりだと諦観に沈んでるもの等と、酷い有り様だった。

366:霧の咆哮:2025/08/22(金) 22:17:20 HOST:KD027093002186.au-net.ne.jp
「chance of winning(英語で勝ち目)は、あるわけないよねぇ」
「連中の真上に今すぐmeteorite fall(英語で隕石落下)でも起きたら? その場合連中が全滅するlevelのsizeのmeteorite(英語で隕石)が落ちて発生した津波とかでme達も全滅しそうだけど」
「つまり、僕らに残されてるのはmiracle(英語で奇跡)が起きてギリギリ引き分けになるか、僅かでも輸送船団が逃げられる時間を稼ぐか、一人でも多く道ずれにしてやるか、か」

ー絶望感や悲壮感とかひっっでぇことになっている輸送船団側だったが、それは輸送船団に残った最後の守りであるキンケイド艦隊(艦隊と言っても駆逐艦中心の僅かな規模)の船魂達もまた同じ。
彼女らの間も陰鬱とした空気に満ちていた。


「キャアアアアアア!」
「アハ、アハハ ハハハハハハハ!」
「いやー! 〇〇〇ー!」
「そうか、hell(英語で地獄)はafterlife(英語であの世)になんか無い。だって今、この場でmanifestation(英語で顕現)してるもの……」

ー連合艦隊が来る前の時点で終末的雰囲気だったレイテ湾は、突入後には煉獄が現世に顕現していた。
魚雷直撃で悲鳴を上げて沈没していく輸送船の船魂、錯乱して壊れた笑いしか上げられなくなったものが駆逐艦達に船体を穴だらけにされて沈みゆくし。
目の前で戦艦部隊の主砲で消し飛ばされた姉妹の名を叫ぶもの、現実逃避のままブツブツ独り言呟くしかなくなったものも。
皆連合艦隊が全て区別なく、何もかも沈め、焼き尽くしていく。


「長門、この勝利は貴方から受け継いだ想いのお陰よ……!」

ー戦艦としては格上のウィスコンシンを意地と根性で沈めた陸奥の船魂。
生き残った乗員達が総員退艦していくのを、ボロボロの身体に鞭打って(例え彼らに見えなくとも)手を振って見送っていく。
誘爆した自身の砲塔の爆炎に飲み込まれていく彼女だが、戦い抜いた満足感に満ちた表情を浮かべていたという。

367:霧の咆哮:2025/08/22(金) 22:18:15 HOST:KD027093002186.au-net.ne.jp
「大和さんのあの勇姿見たら、私らも限界の一つや二つや三つ超えないといけないからさ……悪いけど、私と一緒に死んでくれ」

ー宜野湾での最後の戦いにて。
自ら囮になって敵艦載機隊の集中攻撃を受ける大和を見送りながら突撃した長波。
前半の台詞は戦場にいっそ似つかわしくないほどにこやかな笑顔、声音で、されど最後は表情は変わらないまま、処刑鎌の様に冷え切った声で敵の旧式軽巡洋艦と刺し違えて沈んでいく長波の船魂。


「っ! いいえ、まだよ。まだ、私は戦えるわ!」

ー宜野湾へ突入し、勢いのままに座礁してからも受ける爆撃ダメージに顔をしかめながら、目標と定められた地点に向けてありったけ砲撃を加え続ける天津風の船魂。
追加の爆撃をいくつも受けて力尽きるまで彼女は死力を尽くした。



以上です。
wiki転載は例の如くご自由に。

船魂視点で描写すると勿論戦略的に必要だったとはいえ、フィリピンでファイヤーされた組の絶望感とか酷いことに。
まぁ、日米双方でえらい被害出し合った戦争なのでお互い様ではあるんですけど。
史実世界ならアイオワとかこちらみたいな軍関係どころか、室蘭みたいな市街地も焼いてるわけですし。

因みに輸送船団組の描写はもっと凄惨さや詳細さ高める予定もありましたが、彼女らのそういう描写は自分のメンタル的にもきついので簡略化しました。
自分に漆黒世界みたいなえぐさマシマシの描写は無理ですたい……

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最終更新:2025年09月15日 21:32