270:戦車の人:2025/09/27(土) 23:22:08 HOST:110-130-196-35.rev.home.ne.jp
もはや転生を何十回繰り返したか分からない
夢幻会メンバー、彼らが久々に生まれ落ちたのは-ほぼ史実の戦後日本であった。
確かに太平洋戦争に敗北し北方領土をロシア人に掠め取られ、朝鮮半島や中国大陸はソ連崩壊後も悩みのタネではある。
だが紛れもなく彼らが生まれ育った日本列島、もしくはそれに限りなく近い世界であり一種の帰郷と言えた。
多くの転生で精神が練られた(練らざるを得なかった)彼らは素直に帰郷、一種の休暇とこの世界を喜んだ。
とはいえGHQと畜生三人衆(吉田、池田、岸)のOSが何れサポート終了となることを、座して放置したわけでもなかった。
1970年代末より政権与党内部で若手保守派として急成長を遂げ、自衛隊法改正と防衛予算枠の拡大。
次いで土地バブルではなく実体経済に基づく堅調な成長を、特に一次及び二次産業を中心に与党長老と手を組み実施。
その過程で農作物から造船、そして半導体産業等を大きく成長させ、国内雇用安定化と生活水準も手堅く向上させた。
なお史実ならば生じる貿易摩擦だが、自衛隊法改正と防衛力拡大などにより対米協力姿勢を取り、史実よりは緩やかなものとした。
防衛力に関しても突飛なものではなく陸海空自衛隊の定員充足、生活環境を含む待遇改善、弾薬燃料備蓄の増大を実施。
その上で陸自は機械化の上で戦車/特科火砲各1200台・門、空自は当初よりF-15C相当(MSIP)をF-15Jとして200機以上導入。
海自は8900トン補給艦4隻の支援体制を整え、イージス艦4隻を含む八八艦隊及びP-3C哨戒機(UpdateⅢ)多数を配備。
冷戦時代全盛期の自衛隊を人員及び予算、そして施設及び自衛隊法等で支えつつ実現し続ける体制を構築したのだ。
また9条以外にも改正が必要な憲法が複数存在したことから、国民投票法という反発の起きにくい前準備も成し遂げている。
因みに金権腐敗が著しいものは自浄作用を示すために検察へ突き出し、史実で防衛省を悩ませた某議員は銀行員のままである。
そんなこんなで80年代末には国民投票法に従い憲法改正を、行政裁判所設立や大蔵省改正を含め議会の提示。
大蔵省にも根を張っていた夢幻会メンバーは、やはりこれまでのハードモードに比べれば休暇のごとくと言わんばかりに内部より支持。
歳出庁・国税庁・金融庁の三分割による財務省へ再編を行い行政改革から憲法改正を着実に進めることとなる。
史実では金のみ出して人は出さないと揶揄された湾岸戦争でも、後方支援部隊を2個連隊相当派遣し治安維持や兵站へ従事。
海上自衛隊からは掃海隊群を派遣し、早い段階でイラク軍が敷設した機雷処理に従事し、一定の国外評価を得た。
国内においても後方支援と機雷除去というイメージが戦争と直結しにくい貢献という形で、過度な民意の反発を防いでいる。
湾岸戦争が終わりソ連も崩壊し、しかし中国と南北朝鮮の軍拡が危険という現実を、夢幻会主体となりつつあった政府は公表。
それもマスメディアを用いるだけではなく、半導体産業を前倒しとしNTT等と提携したインターネットの情報公開さえ行った。
無論、当時の技術でブロードバンドなどは不可能だったが、国や行政がメディアを介さず国民に情報発信を行う第一歩であった。
既得権益を侵された報道各社は当然怒り狂ったが、これまでの人権侵害にさえ及ぶ犯罪に等しい報道行為を国側が立件。
本気になった国家機関が合法的に収集した各種証拠を前に、ある程度の改革を受け入れた司法も裁判申立てを受理。
これまで半ば無視された報道被害者に国が補償を行い、国が度を越した報道企業へ処罰を行う前例を合法的に作り上げた。
かように史実日本をベースとしつつも防衛を含む行政改革、司法改編、防衛力拡大で微妙に異なる世界線の日本国である。
なおバブル崩壊が存在せず雇用安定も続いており、大蔵省の財務省改編で積極財政への理解が進み消費税は施行されていない。
堅調な経済成長に基づく既存税制からの税収拡大を是とし、一度制定されれば廃止困難な新税は見送られたのである。
かくして90年代以降も防衛予算は年7兆円前後で左右し、雇用待遇改善から隊員充足率も概ね満たされ続けた。
F-2戦闘機はF-16CベースのままであるがCCVのみならずミッションコンピュータも国産開発され、電子機器は完全国産化された。
勿論予備機を削減し非常時の冗長性を失うこともなく、F-4EJ代替も含めて140機以上が生産されることになる。
海上自衛隊では上に述べた通り、こんごう型イージス艦4隻が史実通り-ただしベースライン5相当を搭載して竣工。
むらさめ型護衛艦も史実たかなみ型相当を前倒しとし、将来的にはUYQ-70へCDS置き換えを前提に12隻が建造された。
堅調な経済成長、風通しの良くなった行政機構、面白みはないが重厚な防衛力など、日本は平和を謳歌していた。
271:戦車の人:2025/09/27(土) 23:22:50 HOST:110-130-196-35.rev.home.ne.jp
しかし西暦2000年、将軍様がトチ狂った!いや元々トチ狂っているんだが日本人の逆鱗に触れることをしでかした。
例年日本海や太平洋へ発射していた弾道ミサイルが、計算したのかミスなのか東京湾へと落着してしまったのだ。
幸いにして被害は皆無であったが何時、弾頭をを熱核兵器に置き換え首都圏に降り注ぐかもしれない恐怖を日本人に与えた。
防衛庁から格上げされた防衛省は当然責任を問われ幕僚長等が辞任したが、それで済む問題ではなかった。
従来合衆国と比較的緩やかなペースで共同開発が進んでいたイージス及びペトリオットBMDは、議決を経て急加速されることになった。
空自のペトリオットシステム更新はまだ常識の範疇であった、技術進捗は促進されたが8個高射群の部隊枠はそのままである。
より遠距離から弾道ミサイルを阻止できるポテンシャルを持つイージスBMDは、半ば予算無制限で整備拡大が決定された。
それほどまでに首都の玄関先に落ちた弾道ミサイルの衝撃は大きく、他部門の予算を削らない予算純増が通るほどであった。
これに対し防衛省はこんごう型護衛艦4隻をイージスベースライン7、BMDシステム4.0搭載への改装を実施。
当初よりこんごう型BMD改修後のシステムに最適化されたあたご型イージス艦を、はたかぜ型早期退役さえ強行し4隻追加建造。
ここまでは良かったが弾道ミサイル防衛への民意の要求は強烈で、時の内閣はイージス艦12隻体制を防衛省に発令。
如何に隊員数が史実よりよほど充足されているとは言え、護衛艦隊の隻数を大きく増やせるほどではない海自は懊悩。
最終的に内閣と財務省などから既存ヘリ搭載護衛艦(DDH)早期退役と代艦建造の予算を、民意に基づき獲得。
あたご型を原型に後部VLS32セルを廃止、ヘリ甲板を延長しSH-60哨戒ヘリ3機運用能力を獲得。
同時にベースライン7及びBMD4.0をあたご型同様に搭載し、DDHをイージス艦とすることで辛うじて政府要求に応えることとなった。
全通甲板DDH-将来のF-35軽空母を企図していた夢幻会面々は愕然としたが、必ずしも悪いことばかりではなかった。
少なくとも当面のイージス艦が艦隊防空とBMD両立が困難なことから、史実あきづき型相当の先進型汎用護衛艦8隻の予算が通過。
半導体産業への投資と技術発展により窒化ガリウム半導体を、当初からFCS-3に適用し処理系にUYQ-70を採用。
史実では2010年代竣工であったあきづき型護衛艦を概ね史実通りの仕様で、2000年代に8隻竣工させ僚艦防空能力を獲得。
ヘリ搭載護衛艦、ミサイル護衛艦、汎用護衛艦が全艦がUYQ-70及びLink16を標準で搭載し共同交戦能力を確立。
有事に際しては艦隊防空で連携必須の空自F-15J及びF-2改善型、JADGEシステムとの連携も概ねスムーズに確立している。
何よりMRBMまでなら確実に阻止可能なBMD能力を付与されたイージス艦12隻の、MHIやJMUの献身に基づく早期配備は大きかった。
2010年までに竣工した新型イージス艦8隻、近代化を終えた既存イージス艦4隻が提供する弾道弾防衛への傘はそれほどのものであった。
空自や陸自とLink16系列を主体としたネットワークを用い、常時情報共有と対BM戦闘における序列最適化も長足の進歩である。
00年の東京湾弾道ミサイル落着事件以降、弾道ミサイル破壊命令は恒常的なものとなり段階的にその阻止能力を発揮。
少なくとも領海落着が確実視されるものは無条件で破壊命令対象とされ、SRBMやMRBMクラスまではほぼ確実に撃墜可能となった。
やがて2010年代に入り日米共同開発事案となったイージスBMDは、艦隊防空とBMDをCOTSコンピュータ分散処理で両立に成功。
ベースライン9
シリーズとして大成した本システムはIRBMの確実な迎撃を可能とし、共同交戦能力もより確実なものとなった。
海上自衛隊ではあたご型護衛艦、そしていずも型ヘリ搭載護衛艦の合計8隻がベースライン9への近代化を実施。
こんごう型は船体寿命や設計の古さから代艦予算が降り、8200トン型護衛艦として4隻の建造予算が成立。
2010年代末にネームシップが竣工したまや型は当初より最新ベースラインへ最適化され、主機を複合電気推進へ更新。
ライフサイクルコスト低減と将来への発達余裕の獲得、省力化などを成し遂げ2023年までに4隻が竣工。
これにより海自のイージスBMDは、あきづき型護衛艦への国産長SAM適用を含め一応の完成を見ることとなった。
なお2010年代ともなると守りだけではなく積極阻止任務も自衛隊に要求され、イージス艦へトマホークSLCMの搭載配備が。
汎用護衛艦にも射程1000キロ前後の長射程対艦・対地誘導弾を搭載。空自のF-2も国産巡航ミサイルへの対応を実施。
陸自に至っては事実上のIRBMである高速滑空弾大隊4個を新設し、寄らば斬るという剣呑な抑止力構築を進めている。
272:戦車の人:2025/09/27(土) 23:23:25 HOST:110-130-196-35.rev.home.ne.jp
…当初はイージスDDG8隻、
ジパングのみらいをあたごベースで是正したイージスDDH4隻を揃えたいところから文章が滑りました。
結果として海自はほぼ全ての護衛艦が巡航ミサイルや長射程対艦ミサイルを備え、空母型DDHの代償として固定翼哨戒機80機を維持。
空自はF-15J全てをMSIP形態2型相当に近代化し、F-2も予備機込で140機を保有する頭のおかしい空軍へ。
陸自も戦車・特科各1200体制を維持しつつ高速滑空弾大隊4個を持ち、上陸侵攻だろうが洋上阻止だろうが殺す。
何かそんなガンギマリ防衛体制になってしまいました、どうしてこうなった。
地球の世界大戦からファンタジー世界まで転生を続けてきた夢幻会メンバーの「休暇の手抜き」の結果なんですけどね。
あくまで一発ネタです、一種のジョークグッズと捉えていただければ幸いです。ウィキへの転載はご自由に願います。
最終更新:2025年10月27日 16:22