423 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2025/08/22(金) 00:23:43 ID:softbank126063230178.bbtec.net [32/96]
憂鬱SRW支援ネタ 青春記録世界編SS 「天童アリスの勇者修行」
ゲーム開発部が金策で始めて、ミレニアムを一時パニックに巻き込んだ棍棒ブームからしばし。
発端となり、ミレニアムに棍棒の嵐を引き起こしたゲーム開発部の動きは沈静化していた。
発端である開発部が、門外漢ではあるが「あぶく銭を稼ぐのは手段であって目的ではない」とナギに強く言われて、へこんでいるのが大きい。
TSC2を作って以来、ゲーム開発部はその名に恥じないゲーム開発をできていたとはいいがたいのを突かれたのであるから当然と言えた。
勿論、部員4名という少人数の部活動であるから、早々にゲーム開発ができるわけではない。
学生である以上は学業を修めねばならず、あるいはシャーレに呼ばれることだってあるのだ。
そうなれば、捻出できる時間もリソースも有限で、開発のペースはお世辞に良いとはいいがたい。
だから仕方がない……のではあるが、それはそれである。研究と称してゲームを買って遊んでいるのも事実なのだし。
さて、そんな中にあって、ゲーム開発部の一員にして、棍棒騒動でその膂力やパワーを見せつけたアリスは、割とショックを受けていた。
頼まれたからとはいえ自分の選択と行動が、ミレニアムの生徒たちを暴走させ、治安の悪化を招き騒動を引き起こしたのだ。
それらの被害を克明に教えられて、止めとばかりに勇者らしからぬ行動だと糾弾を受けたのがクリティカルに刺さった。
ナギとしても、作る立場にあるからにはそういった覚悟や心構えを持っていてほしかったのもある。
作り手が望んだこととは違う結果を買い手や使い手がしてしまうことはそれなりにあることだ。
とはいえ、作って送り出したからこそ手に入れた誰かが行動を起こしてしまうことはあるわけで、咎められるとは限らないが責任を負わなければならないのだ。
同時に、ナギは他の生徒とは一線を画すアリスをこのまま放置はできなかった。
のびのびと自由に学び、遊び、楽しんでいくのが子供の本分であるが、それは決して野放図や無秩序であってよいわけではない。
時には諫め、時には諭し、時には力で止めてやらねばならない。それが大人の責任であり義務なのだ。
故にこそ、最も幼いアリスを連れ出すことにしたのだ。安心していられるゲーム開発部の部室から、ちょっと屋外へと。
- ミレニアムサイエンススクール 学区内 ゲーム開発部 部室
「さあ、今日もゲームを作っていこうか!……あれ、アリスはどこいったの?」
部室に入ってきたモモイとミドリは、先にいると思っていたアリスの姿がないことに目を瞬かせた。
先だってようやく入手できたヤシマの企業が売り出したゲームをプレイする予定だったのだ。
先日の棍棒騒ぎで得た資金で入手したそれは、ヤシマの教員と総合剣術部の生徒たちに痛い目にあわされても何とか死守できたものだった。
王道のRPGという触れ込みのそれは、アリスも楽しみにしていた筈の一作。レビューでも高評価で期待値は高かったというのに。
席を外しているかと思ったが、光の剣:スーパーノヴァの姿も見えない。
「ユズ、アリス知らない?」
「えっと、アリスちゃんは、ヤシマの、あの先生に呼ばれているって……」
424 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2025/08/22(金) 00:25:19 ID:softbank126063230178.bbtec.net [33/96]
あの先生、というと、部室に乗り込んできた巴ナギのことか。
ヤシマの教員であり、総合剣術部師範の彼女のことはよく覚えている。
ユウカ共々、あの騒ぎにおいてゲーム開発部に深刻なダメージを与えたのだから当然だろう。
ミレニアムの技術を生かした棍棒があっけなく切り裂かれた時の恐怖は今も身に染みている。
思い出してみれば、あの後にアリスに対してナギはよく話をしていた。
勇者になりたいというからには、と行動を諫めていたとアリスから聞かされたのだ。
「なんでまた?」
「アリスちゃんが教わりたいことがあるって、頼み込んでいたみたい」
「ふーん……」
ゲームを差し置いてもアリスが学びたいことがあるということか。
どことなく、興味がそそられた。アリスの言い方を借りれば、冒険の気配がする、といったところ。
「行ってみようか、アリスのところに。ユズ、場所は聞いている?」
「う、うん。東丈山だって言ってた……」
「え、お姉ちゃんゲームしないの?」
「アリスがいないのに先にやっても、不公平だしさ。
それになんというか、もっと面白いことに出会えそうなんだよね」
そう、それはゲーム開発部が存亡の危機に陥って、状況の打破のためにG.Bibleを求め、廃墟に赴いた時のような感覚。
何が起こるか分からないが、そこに行ってみれば何かに出会えそうな、そんな予感がしてならないのだ。
「あのヤシマの師範の人は怖いけどさ……」
それに、と付け加える。
「ユウカに報告できるような活動をしないと、流石にやばいからね」
「あう……」
「それを言われると痛い……」
ただでさえ、棍棒騒動で厳しい目を向けられているのだ。ユウカの機嫌を損ねないように、ちゃんと取材などもしておきたかった。
「それじゃあ、いこうか」
目指すは東丈山。
モモトークでアリスに連絡を入れて、いざ出発。
ゲーム開発のための取材---それ以上の何かが始まる気がした。
425 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2025/08/22(金) 00:25:57 ID:softbank126063230178.bbtec.net [34/96]
以上、wiki転載はご自由に。
棍棒騒動から派生してヤシマとの交流イベントです。
ゆっくり書きます。
最終更新:2025年11月15日 16:54