105:モントゴメリー:2024/04/12(金) 00:09:54 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
ネタSS——未知との遭遇です!!②
『…アカンなぁ。完全に迷ったわ』
所は変わり、こちらはアンツィオ高校学園艦。
脂の乗った中年の伊達男が一人途方に暮れていた。
彼の口から出たため息には酒精の香りが混ざっている。
『いつも通り仕事抜け出して、ワイルはんの店で昼飯を食って帰るだけやのに、何で道に迷っとるんや?まだワイン1杯で酔っ払うほど衰えてないでワイ…』
独り言を言いつつ歩を進める彼の足取りは確かにしっかりしていた。されど脳内は混乱の極致であった。
行けども行けども、街並みが記憶にあるどの地区とも合致しないのである。
ローマ市内は自分の庭と呼んでも良いくらい知り抜いているはずなのに!!(主に仕事サボって散策した結果である)
もしかしてボケた?と軽く絶望しかけてる彼の嗅覚センサーが突如反応した。そして彼は瞬時に判断し決断する。
——これは、何かはわからないが料理の匂いだ。それも、間違いなく美味いやつ!!
先ほどまでの狼狽など無かったかのように彼は力強く匂いが指し示す先に足を進めた。
さっき昼食を取ったばかりであるが、美食と出会える機会を逃したとあっては浪速(ローマ)の男の名が廃る。
少しばかり歩くと大通りに出た。そこから見えた光景に彼は驚愕した。
『コロッセオやと⁉そんなアホな、あの辺りなら目隠しされても迷わんわい!!!』
しかし目の前に見えるのは間違いなくローマのシンボルである円形闘技場である。だが、その周囲の建物に全く見覚えが無いので混乱に拍車がかかっている。
それによく見るとコロッセオ自体も何かがおかしい。何というか、“新しい”のである。
106:モントゴメリー:2024/04/12(金) 00:10:24 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
「おじさん、そんなとこで突っ立ってどうしたんですか?」
「道に迷ったんですか?」
そんな彼に声がかかる。イタリア語ではないその声に我に返った彼が振り向くと『イタリア少女隊』の制服を着た少女たちが立っていた。
『おお!ええ所にいたでお嬢はん方!!ここはどこや?恥ずかしいけどワシ迷子になってしまったんや』
「うわっ、イタリア語だ⁉どうしよう、私この前のイタリア語のテスト赤点だったんだよ!!」
「取り敢えず挨拶しよう!ちゃ、Ciao!!」
アンツィオ高校はイタリア文化に対する教育が盛んであり、そこには当然語学も含まれる。
しかし当然ながら、生徒全員がその教育を理解できているわけではない。
『Ciao!
あー…イタリア語わからんかぁ。ん?キミたち、どこの子や??』
改めて見ると顔立ちは東洋人のそれである。しかし、『イタリア少女隊』に外国人の入隊を許可した覚えはない。
「少し、待ちます、ください。“ドゥーチェ”、呼びます」
少女たちは片言のイタリア語で男に語り掛けたあと、走り去ってしまった。
『あ、ちょっと待ってやお嬢はん!!
…“ドゥーチェ”を呼んでくるなんて、ワイの他にどこにドゥーチェがいるんや』
まあ単語を間違えたのだろうと自己完結した彼は、おとなしく待つことにした。
待つことしばし、先ほどの少女たちがもう一人の少女を連れて戻ってきた。
「お困りですか、お客人。後輩が失礼を働いたようで申し訳ありません」
今度の少女は少女隊どころか王国陸軍の制服?を着て、それなり以上に流暢なイタリア語を話してきた。
だがそんなことはどうでも良い。
『(おお、けったいな髪色と髪型しとるが中々の美人やないか。もうちょい大きなったらローマ中の男が声をかけるで)』
改めて見れば、先ほどの少女たちも中々に美形である。
不覚!!
美女や美女になるであろう少女を前に取り乱すとは浪速(ローマ)の男の恥である。
『いやいや、失礼なんてされてへんで。むしろこっちが申し訳ないわ。本当ならみんなをお茶にでも誘いたいんやけども、道に迷ってしまったんや』
「ははは…。(流石は本場のイタリア人だなぁ。こんな時までナンパなんて)
やはり道に迷われましたか。サンダースほどではありませんが、我がアンツィオの学園艦も大きいですからね。初めての方は仕方がありません。」
ツインテールを黒いリボンで結んだ少女は苦笑しつつ応える。
『ん?今“アンツィオ”と言うたかお嬢はん?…ここ、ローマと違うん?』
「え?確かに我がアンツィオは“ローマよりもローマらしい”と言われますが……。
あ、申し遅れました。私“安斎”と申します。失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか」
『ああ、ワイの名前か…』
自分から名乗るのは久しぶりだな、と彼は思いつつ名乗り始めた。
『ベニート。ベニート・アミルカレ・アンドレア・ムッソリーニや』
107:モントゴメリー:2024/04/12(金) 00:11:22 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
以上です。
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提督たちの憂鬱とガルパンのクロスオーバーです。
②となっているのは、本来は嶋田さんが大洗に迷い込むのが①なのですが、何故かドゥーチェの方が先に出来てしまったのでこの順番になりました…。
最終更新:2025年12月26日 18:59