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336:奥羽人:2024/06/22(土) 23:35:19 HOST:M014009102000.v4.enabler.ne.jp

北九州から畿内に掛けて強力な神権的邑国連合国家を築き上げた夢幻会メンバーは、これからの統治の行く末に悩んでいた。
日本を発展させて強固な国を作る……これ自体は問題無い。
なにせ、メソポタミアに史実最古の都市文明が出来るのはまだ数千年先で、この頃に存在する勢力といえば、川沿いで山地と平野の中間地に点在する集合居住郡程度でしかない。
それらも最大数十人単位の狩猟採集生活と極初期的な小規模原野耕作くらいで、つまりは事実上外敵が存在しない。

問題なのは……いや、将来的に問題となり得るのは、内側の腐敗だった。

栄枯盛衰とあるように、そもそも権力というのは何れ滅びる。
肝心なのは、それが1万年というタイムスケールの前では誤差に等しい程度でしかない事だ。

世界史を鑑みても、一つの王朝を保てるのはいい方の平均で200~300年、長くても500年。伝説の古代王国でも1000年単位がやっとである。
そう考えると日本は、西暦が始まるまでに最低数十回は政変を経験しないといけないことになる。
転生を繰り返す夢幻会メンバーというジョーカーがあるにしても綱渡りもいい所であるし、どこかで破局すればたちまち勃興した中華に飲み込まれるなんてことも十分あり得る。

原始社会生活が色濃い内はまだ腐敗のしようがないものの、文明や経済を発展させて必然的に富の偏在が起これば、それに伴う腐敗も加速度的に起こって来るだろう。
史実日本のような権威と権力の分離によって“国体”を維持しつつ政変を乗り切るという方法もあるにはあるが、それでももう少し何とかならないかと考えるのが人情であった。

夢幻会は一つの手として琵琶湖以東の開拓を進め始めた。
信頼のおける夢幻会メンバーをトップに置いた開拓団は、農作物の寒冷地対応品種改良を行いながら徐々に列島を東進していく。
この動きは、ヤマト王権中央とは隔絶した状態で行われた。
これは、ヤマトのお膝元で何かしらの事態が発生した場合、開拓団の作った勢力を外科的一撃の手段とする為であり、その為に王権周辺の利害関係から離れた所に強力な勢力を置きたかったからだ。
あえて国のお膝元に置かれた転生者以外の有力者は、これを左遷・追放と捉えて安心して政争に臨んでいたが、それも情報統制の上では都合がよかった。

とはいえ、結局のところそれも根本的な解決にはならない。
というか、例え未来だとしてもこの手の問題を解決する糸口などそうそう掴めないだろう。
故に、今はなるべく「制御された内紛」を起こせるように歴史を誘導するような方向性を持って議論が進められているのだった。


紀元前10千年紀
ヤマト王権成立から400年と少し
紀元前でいうと9500年代

【先史夢幻会:約1万1500年前】

337:奥羽人:2024/06/22(土) 23:38:23 HOST:M014009102000.v4.enabler.ne.jp
以上です。転載大丈夫です。
400年にも渡る古代王国造りも、1万年からすると一瞬ですね。

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最終更新:2025年12月26日 19:31