901 :ham ◆sneo5SWWRw:2012/03/30(金) 15:49:33
1942年8月26日。
突如として起きたカナリア諸島ラ・パルマ島のケンブレビエハ山の噴火は世界の終わりを思わせるような事態へと発展した。
噴火により大規模な地滑りが大西洋沿岸部は壊滅させる大津波となり、噴火による火山灰が大規模な冷害となり食糧危機を引き起こした。
更に世界では戦争真っ只中ということもあり、全世界の死傷者数に更なる拍車をかけた。
まさに世界はこの世の終わりが来たのかという事態であった。
しかし、人類はその苦境にも何とか耐え、やがて戦争も収まり、人々は村を、街を、そして国を立て直し、再び平和で戦争も災害もない幸せな生活を手に入れようとしていた。
だが、彼らは気付かなかった。
その火山の噴火がもたらした不幸が、まだ一つ残っていることに・・・。
その不幸が人類にとって過去最大のもの、いや、人類が初めて触れる最凶の脅威となり、光の国から来たからの使者との出会いを生むことになることを彼らは知るよしもなかった。
「まさか、怪獣が出現するとは・・・これも衝号の影響でしょうか?」
「・・・それ、誰の提案でしたっけ?」
「もちろん、私ですが?。でも、そうしなければここにいる皆さんは全員縛り首ですよ。」
「「「くっ・・・。」」」
「まぁそれは置いといて、まずは怪獣対策のための専門部隊が必要ですね。」
その言葉に
夢幻会会員の何名かの逆行者たちが体をわずかに震わせて反応した。
「名称は怪獣攻撃チームということでMATとしましょう。」
「いや、戦うのは怪獣だけとは限らない。宇宙人対策も考え、ウルトラ警備隊を。」
「いやいや、超獣が来る可能性もある。超獣攻撃チームTACを。」
「いえ、ここは怪獣・宇宙人等の全種類総合撃破一位の記録を持つ科学特捜隊を。」
「アットホームなZATを。」
「マイナスエネルギー対策にUGMを。」
)
夢幻会常識派の面々は変態達の醜い争いが始まったことにある者は頭を痛め、ある者は目を逸らしだした。
「普通に考えて怪獣攻撃チームということでMATという名が合うでしょう。やはりここはMATを。」
「上層部にしかられて、解散、解散言われ付いたあだ名が解散MAT。こんな不名誉な称号を貰うよりはやはりウルトラ警備隊を。」
「宇宙人の撃破記録はすばらしいが、怪獣に対する記録は今一つ。おまけに本部をやられ放棄寸前までに追い詰められたじゃないか。やはり超獣攻撃チームTACを。」
「主人公が勝手なことばっかして、付いたあだ名が謹慎TAC。おまけに謹慎中にでも勝手な行動をする。統率が取れてないチームよりここは初代にあやかり科学特捜隊を。」
「所詮は警察組織から発展したもの。怪獣退治が本職ではありません。様々な作戦を立案し、ウルトラマンとの協力関係も充分に取れ、部下のムチャな具申にも答えるアットホームな素晴らしい職場ZATを。」
「搭乗機が怪獣の攻撃にやられ易く、脱出シーンの多さから付いたあだ名は脱出ZATでしたっけ?。今の世の中、戦争と衝号の影響で不幸に見舞われ、人々の感情には悲しみに満ち溢れている。そして、その感情が怪獣を生み出す事例もある。マイナスエネルギーで生み出された怪獣との戦闘経験のあるUGMを。」
「UGMに怪獣撃破記録ってありましたっけ?、宇宙人だけでも一体だけだったはずだと記憶していますが?」
)
常識派達はそう思った。
ただ、ここでMACを言わないだけマシだろう。
MACは全防衛チームで唯一、敵の攻撃によって主人公と隊長以外全員戦死というショッキングな出来事が起き、全滅MACという非常に不名誉なあだ名がついいているからだ。
嶋田は頭を痛めながらも変態どもを宥めようとした。
「名前は後ででも決めましょうよ。とりあえず今は組織をどう編成するか決めましょう。」
「「「だが、断る!!!」」」
最終更新:2012年04月09日 20:37