416:earth:2024/06/30(日) 18:43:31 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
踊るアウトサイダーズ 第2話
冷戦の最中、米ソという二大超大国が宇宙開発競争を繰り広げる中、国の後援を受けない一人の男が操る一機の航宙機が
月面の裏側に着陸していた。
この時代の人間が見たら「SFから出てきた飛行機」と言われそうな機体、別世界にてEX-SガンダムのGクルーザーと言われる
機体から宇宙服を着込んだ駒田が降り立つ。
「人類初の有人着陸を大幅更新といったところか・・・・・・いや、私を人類の枠に入れるのは失礼か」
周りを見渡し、自分以外の生命体がいないことを改めて確認する。
「よし誰もない。YAIBA世界のように実は宇宙人がいました、とかは洒落にならないからな」
リアル近似世界線と思って行動したら、実はトンデモ存在が後ろにいたという経験があるために男は慎重だった。
「MA形態なら、従来兵器の延長線上の存在として能力は発揮可能、と・・・・・・月までつけるように改造した甲斐があったというものだ。
できれば地上だけで何とかしたかったが・・・・・・やはり地上だと大規模な生産ラインはつくりにくい」
わざわざEX-Sガンダムを建造、改造し、自らの能力で燃料を補給しつつ月まで来たのは極秘裏に軍を編制しうる拠点を欲したためだ。
「量子変換で他世界からの物資、技術の持ち込み。物質変換で資材の確保を行っても組立工場は必要・・・・・・誤魔化すことは出来るが、限度があるし
煩わしい・・・・・・初期投資に多少手が掛かるが、未開の地が多い宇宙のほうが面倒が少なくて良い」
地球圏を舞台に大戦争をするつもりである以上、彼が知るジオン残党程度の規模の軍勢では物足りない。
連邦軍が総力を挙げざるを得なかったジオン公国軍程度の戦力を整備するため、それなりの空間を駒田は欲した。
「欺瞞装置を設置した後は、物質変換装置と自律制御の生産設備を置いておけば良いか」
男が少し目をつむり、開いた瞬間には周囲が人工物によって覆われていた。
その気になれば人類の様々な問題を瞬く間に解決しうるポテンシャルを持つそれらは、駒田という男の願望を叶えるために稼働を開始する。
「最低限の施設を【次に】持ち越しできるのは大きいな。スパロボでも二周目以降、色々と引き継げたら楽だったからな。あのウサ耳博士の発明には感謝だ」
賑やかなかつての同級生たちを思い出すと男は苦笑する。
「・・・・・・ああ、未練だな」
かつての友、知人が次々に敵回り、最後には唾棄すべき【敵】、【黒幕】として打ち倒された記憶が蘇る。
あまたの世界にて笑みを浮かべ、肩を並べて同じ釜の飯を食べた友が、或いは恋人が、まるで親の仇を見るような視線を向けてくる・・・・・・その光景はいつ
思い出しても気持ちの良い物ではなかった。
そんな感情を向けられなかったのは、憎みきられる前に悪党共もろとも自爆したとき位だろう。
417:earth:2024/06/30(日) 18:44:02 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
「まぁ良い。今回はまだ【黒幕】にされていない。ならば、【開幕】までそれなりに時間があるということだ」
刻一刻と拡張されていく施設を見て、駒田は嗤う。
「できる限り、派手な戦争をしよう。そう、アニメや漫画の宇宙戦争のような戦争を。二次元の存在が三次元に飛び出してきたと錯覚できるほどの戦争を。
出来れば長く戦い続けよう。人類史が続く限り、永遠に忘れ去られないような傷跡を残せるように」
地上はすでに必要な根を張った以上、彼にしか出来ないことはない。
あとは宇宙での拠点作りが彼にしか出来ないことだ。
「全て自力となるとガンダム系列の艦艇でいく、か・・・・・・N2リアクターは欲しいか。斥力制御が可能になる。大気圏でも戦艦を浮かべることも出来る。
古代火星文明由来の相転移炉や、イスカンダル由来の波動機関は複雑すぎて、私の頭脳では理解が完全ではないし、下手に再現すると事故が起きかねない」
「私にも真田さんやイネスさん並の頭脳があればな」と溜息を吐き、気分を切り替える。
「・・・・・・木星とアステロイドベルトに後方拠点は築いておきたいな。ミノフスキードライブ再現した艦を建造して行き来すれば短期間で済む、か」
何はともあれ、人類が未だに月にすら降り立つことができてない時点で、男は本格的な宇宙軍の整備に着手していく。
人的資源の確保も必要のため、自分の記録を転写した高性能のヒューマノイドロボット、人造兵士(異世界では怪人と呼称される部類)、遺伝子改造した
クローン兵士の量産という、正義の味方がみたら「アウト判定」を降すこと間違いなしの所業にも手を染めた。
「生命倫理無視の悪の秘密組織・・・・・・と言いたいけど、リアルだともっと反吐が出る所業しかねないのが恐ろしいところだ」
駒田は月面基地に置かれた仮の執務室の机で、地上から寄せられるアカの所業を見ていて溜息をつく。
そんな駒田の前に立っていた老軍人風の男が口を開く。
「嘆くようなら、我らが世界を管理すれば良いだけでは?」
「なかなかに傲慢な物言いだな。プライド、いや【緑獅子】のほうが良いか」
「そうあれかしと仕様を決めたのは、貴方でしょう。7つの大罪・・・・・・これをベースに幹部を作るとは」
「ははは、場合によっては裏切られると? 君のオリジナルがクーデターを引き起こしたように?」
呆れたように溜息をつく軍人風の男。
見る物が見れば「なぜにヤマトの芹沢虎徹?」と突っ込むだろうが、この場に突っ込む人間はいない。
緑獅子と呼ばれた男も、自らの外観のモデルとした芹沢虎徹の事は知っていた。
しかしこの背格好を変更するような真似はしなかった。
確かに彼は傲慢な面があった。野心家ではあった。だが故郷と同胞を守る意識があったことも認識していた。
「私は貴方のようにどちらでも良いとは思っておりません、やる以上は勝つ」
「構わないよ。私も勝てるなら勝ちたいしね・・・・・・ああ、期待しているとも」
緑獅子が退室した後、駒田は端末を操作し、【緑色のライオンが太陽をくわえて食べようとしている】絵を映し出す。
そして錬金術の暗号では緑の獅子=酸、太陽=黄金を示す。つまり酸で金を溶かすという意味でもある。
「軍事部門の№2。あれが食らう黄金が【世界の理】となるか、それとも別の物になるか・・・・・・この手の楽しみがあるのも悪くないさ」
418:earth:2024/06/30(日) 18:47:05 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
というわけで二話目終了。
改訂版の幹部はそれぞれ他作品の外見をしています。
しかしこの調子だと木星帝国+ジオンみたいな存在になりそう。
最終更新:2025年12月26日 19:36