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踊るアウトサイダーズ 第5話
相変わらず拡張が続けられる月面基地(もはや都市の規模)の一角にて、秘密結社【クローバー】が開発を進めていた大型人型ロボット、それも
初代ガンダムたるRX-78を模したロボットのお披露目式が開かれていた。
「おお・・・・・・」
駒田の見つめる先のモニターに映されているのは、かつて別の世界でよく見た記憶がある【軽やかに動く全高19mの人型ロボット】の姿であった。
「どうですかな?」
白衣を纏ったいかにも科学者という格好をした冬月が、駒田の背中から声を掛けた。
駒田は振り返ることもなく返事をする。
「冬月先生、これは素晴らしい。あちらから持ち込んだ設計図をもとにしたものは只の的でしかなかったが・・・・・・これなら使い物になる。しかし・・・・・・」
「しかし?」
「アッザムに頭と手足を生やすような形で重量問題を解決、と」
「気に入らないと?」
「まさか。二足歩行という仕様は満たしている。問題は無い」
見つめる先の人型ロボットは、全ての重量を足で支えている訳ではない。
再現可能なミノフスキークラフトに使われている理論、技術を元にして腕や上半身の部分に浮遊フィールドを発生させる機能を追加しているのだ。
ロボット全体を浮遊させることは不可能であるが、それでも下半身にかかる負荷を大幅に低減させている。
「接地圧の問題もクリアできる」
「何しろ、半ば浮いている訳ですから・・・・・・緊急時となれば、短時間だけ機体全てを浮かせることも出来るでしょう」
見た目は二足歩行だが、実態はMAに足を模した降着装置をつけたようなものだ。
「移動は?」
「平地では足の裏のキャタピラ、あるいは開発中のホバーユニットでしょうか。走るという動作はあまりお勧めできないかと。
段差がある場所などは歩行機能を使用しますが・・・・・・基本的にはフライトシステムで飛行し、敵の頭上から攻撃を見舞う戦術が中心になるでしょう。
正直、市街地や密林に潜む敵と戦うために地上にわざわざ降下させて戦う兵器ではないかと。
PS、或いはVPS装甲を採用することで実弾兵器相手には十分に対応できるでしょうが、やはりこのサイズですから」
奈良の東大寺にある大仏並の大きさ、マンションでいうなら6~7階程度の高さを持っているのだから、目立つことは確実だった。
有人機仕様には開発中のラムダドライバも搭載予定であったが、攻撃、特に不意打ちは受けないことに越したことはないのだ。
「攻撃ヘリのようなものか」
「あるいは空挺と工兵のような使い道かと。敵勢力圏下に強襲降下。周囲の敵勢力の排除及び簡易拠点の造成といったところですかな」
「工兵?」
「ええ」
冬月が合図をすると、ロボットは10tを超えるトラックを片手で持ち上げて見せた。
544:earth:2024/07/06(土) 11:29:58 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
「浮遊フィールドの応用か」
「ええ。フィールドの効果範囲に入ればあのとおりで、更に自重より重い物さえ持てる。マニュピレーターとあわせて工兵としても十分かと」
「ふむ。ビーム兵器でそれなりの対空戦闘にも対応できる。汎用性は確保されていると言って良い。よし、これをベースに量産機の準備を」
満足できる結果に、駒田は機嫌を良くした。
「様々な思考パターンを持つユニットを用意して正解だった」
「確かに。これは銀牛、あのデグレチャフを模して作られた彼女の意見が大きかったので」
「ほう?」
駒田はそう言うと頭を動かし、視線を近くにいるデグレチャフ(を模した幼女)に向ける。
「怠惰、前線で戦うことを嫌うアレが、ね」
「怠惰故に、効率的にものごとを運びたいという気持ちもあるのでは?」
「有能な怠け者、か・・・・・・ふ、ならばちょうど良い役目がある」
後日、銀牛もといデグレチャフ、太った男もとい別世界では少佐と言われる戦争狂【モンティナ・マックス】を模した白虎に対し、
命令が下された。
「MS戦術、運用の研究を彼と?」
基地の一室、対面型の会議室で向かい側の机に座る駒田から直々に言い渡された役目を聞いたデグレチャフは問い返す。
「そうだ。軍である以上、ドクトリンの構築は不可欠だろう?」
駒田の言葉に少佐は面白そうな顔をする。
「いやはや、私はこんな体なのでMSには乗れませんが?」
「ふん、肉体などいくらでも変えれるだろうに。ヘルシング仕様ではなく、ANGEL DUST版の形でもとれば良い」
「おや、それだと暴食の名にふさわしくないのでは?」
「お前は食べたいのは飯だけではないだろう」
「やれやれ」
そういった直後、太っていた男の姿は瞬く間に消え、細身の金髪の美男子が姿を現す。
「こちらは微妙なのだが、まぁ他ならぬ創造主の命令ですからな」
「艦隊で指揮を執る際には、あの太った姿でもとればいい。そこに文句はない。あの姿でロンドンを焼け野原にするのは
実に絵になるだろう」
そういうと駒田はデグレチャフに視線を送る。
「君にはモスクワを焼いて貰うのも良いかもしれないな。歌をながしながら・・・・・・うん、実に絵になりそうだ」
デグレチャフは己の顔が引きつるのを抑えるのに必死だった。
「原作のような、ほぼ生身ではないですよね?」
「当然だとも。MSには乗って貰うことにはなるがね」
「・・・・・・」
「運命を覆してみたいのなら、死力を尽くしてくれ。以上だ」
545:earth:2024/07/06(土) 11:32:23 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
5話目終了。
MSの上半身を中心に浮かせて負荷を減らす形になりました。
UFOに足が生えたSFがありましたが、あれの亜種のような形に・・・・・・。
次はドクトリン開発ですかね。宇宙艦隊の整備も進むことに。
最終更新:2025年12月26日 19:54