603:earth:2024/07/07(日) 13:27:12 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
踊るアウトサイダーズ 第6話 再改訂
クローバーがV作戦にて開発予定の人型兵器(MS)は有人仕様、無人仕様の2つがあり、有人仕様についてはラムダドライバを
搭載することを計画していた。
これは有人仕様の機体について、操縦者という存在により、更に能力を引き上げるためのものであったが・・・・・・
ラムダドライバは期待していたような能力を発揮できないことが明らかになり、多くの幹部を困惑させた。
「有人仕様は大型MAだけにしたほうが良いのでは?」
もともとMSという存在に懐疑的な芹沢は、開発と運用に難がある有人仕様のMSよりも、MAに軸をおくほうが効率が良いという
考えを捨てきれていなかった。
デグレチャフはラムダドライバは「あるのがベストだが、無いのなら無いで道はある」とのスタンスをとった。
だが同時にこの世界が思ったよりも制限が多いことも自覚せざるを得なかった。
少佐と会食していたデグレチャフは重い口を開く。
「ラムダドライバは人間の精神が創り上げる精神世界であるオムニ・スフィアを利用して、超常現象を発現させている。
そして創造主の記憶を精査する限り、ラムダドライバは別の世界線においても機能はしていた。しかしそれがないということは・・・・・・」
一旦口を閉じたデグレチャフ。
長テーブルの向かい側で食事をとっていた少佐は、彼女の言葉を引き継ぐかのように口を開く。
「俗に言うリアル、或いはそれに近い世界は、フィクションとされた世界の法則、オカルトに近い物ほど持ち込みにくいのだろう。
水は上から下に流れるが、その逆はないように。だがこの手の制約こそあったが、ミノフスキー粒子などかなりの技術は再現できた。
となればまだここは完全なリアルという訳ではないのかも知れないぞ。さしずめ、2.5次元か」
皮肉を込めた口調でそう言い終わった後、少佐は食事を再開する。その旺盛な食欲に幼女は呆れた表情をするが咎めることはなかった。
「2.5次元・・・・・・それは別の意味だった筈なのだがな」
深刻そうな顔をする幼女に対し、太った姿の少佐は気にもとめずにソーセージにフォークを突き刺す。
「もしもこの世界にアーカードが来たら、我らは勝てるかも知れないぞ」
「冗談を。あの化け物と戦いたい、と?」
最強を誇った吸血鬼。
そして結局、この眼前の【暴食】・白虎のモデルとなった少佐では倒しきれず、復活するのだ。
あんな理外の化け物が弱体化したからといって戦いたいと思わないデグレチャフは「理解できぬ」とばかりに怪訝そうな顔をする。
604:earth:2024/07/07(日) 13:27:42 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
「怠惰よ。私はこの飢えを、飢餓感を満たしたいのだよ。そしてこの飢えは食べ物だけでは満たせぬ」
「だから戦う、と?」
「お嬢さん、君は創造主の平穏、平和な日常が欲しい、という願望の現れ。片や私は何をしても満たされないという飢えにも似た感情が生み出した。
【そうあれかし】と創造主が求めたのなら、この腹を満たすために動くだけだ」
「どいつもこいつも・・・・・・」
「正気でない、と?」
「そうは言わない。ただどうして、最後には破綻する可能性が高い戦争に熱意を持てるのやら」
「破綻すると思うかね?」
「仮に勝利したとして、我らはあの星を統治しなければならない。いくら頭の上を抑えているからといって、世界に生きる人間のエゴに向き合う
必要があるのだ。容易ではない」
「そして戦いの間に我らを打倒するような勇者が生まれると?」
「あの創造主は勇者が現れずとも、最後には排除された。世界が滅ばぬように、贄にされる形で。そして別の世界に流される」
「君にとっては憂鬱だろうな。だが私にとっては待ち遠しい」
「破滅の時が?」
「人類だけではない。世界そのものが敵なのだ。これほど食べ応えがあるものはないだろう」
「貴君とはやはりわかり合えないな」
「私もそう思うよ。だが仕事はこなさなければならない」
「やれやれ、あの創造主は何をすることやら」
ラムダドライバが想定していた能力を発揮できないことを正式に執務室で冬月から報告された駒田は、一つの決断を下していた。
「やむを得ない。MSについてはVガンダム時代並のバイコンピュータの搭載で一旦はお茶を濁そう」
「サイコフレームは?」
「オカルト系技術が相性がよくない以上、本格採用は様子見で。まぁ一部の強化兵士の機体には搭載することに・・・・・・
うん、安全性を考えると、未来世紀(Gガンダム世界)の技術の再現が急務か」
宇宙世紀、及びCE世界系列の技術の再現は早期に達成できたものの、ガンダム系
シリーズでは最高峰の一角といえる未来世紀の
技術再現には、さしもの駒田も四苦八苦していた。
「ガンマ・ユニフィケイショナル・ディマリウム合金、それに慣性制御、重力機関・・・・・・まぁ古代火星文明由来のものよりは【まだ】難易度が
低いので、見込みはあるが・・・・・・」
特にディマリウムは重力子の発生や制御を含む慣性制御を可能としており、重力制御の機関にも使われる。
未来世紀の技術基盤にもなるものであるが、ミノフスキー系技術を超えるものであるために、その再現にはかなりの労力が掛かる。
更にこれらの技術ツリーはDG細胞にも繋がるので、下手に妥協も出来ないのだ。
駒田は肩をすくめる。
「全く、あんな複雑怪奇な品物を物にしてみせる天才たちには嫉妬してしまう・・・・・・これが凡人と天才の差か」
605:earth:2024/07/07(日) 13:28:12 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
自分より遙かに短命な天才達がなしえた偉業の数々を思い出し、改めて自らの才能の浅さを駒田は嘆いた。
「いずれにせよ、この世界は他世界とリンクする形での物理法則の行使については制限がつくのは確実、か」
「あくまで【この世界】の法則性に基づくか、世界を騙すか、のどちらかと」
「知恵比べか。まぁそのあたりは先生たちに期待しているので。長い間生きると、知識は増えても、色々と頭が固くなる。いやはや、歳はとりたくない」
この基地どころか、この世界の人類の誰よりも長い時間を生きている男は自嘲する。
「オカルト能力無しだとすると、攻防能力が低下する・・・・・・不本意ではあるが、CEの地球連合系列の戦術を採用するしかなくなるか」
「MAを戦車、MSを歩兵とする、と。芹沢が得意げな顔をするでしょうな」
「不本意だがね。まぁ搭乗員の負担を考えると、芹沢のほうが合理的なのだろう。短期的には」
いくら機体性能を上げても、有人操縦である以上、限界が来る。
オカルト技術でそれを補う計画であったが、当面は先送りせざるを得ない。
「英雄はまだ生まれておらず、我らの存在を地球諸国は気づいていない。ならば、まだ時間はあると思うが・・・・・・
世界が待ってくれない可能性もある。芹沢が言うように、MAと宇宙艦隊の生産を先行で」
宇宙艦隊に採用する主力艦(主に数的な面で)は主に宇宙世紀系、一部の艦艇はCE系列を採用していた。
そして宇宙世紀由来の核融合炉を搭載したCE系の大型MAの開発も急ピッチで進んでいる。MSよりもMAのほうが早く形になるのは確実だった。
「N2リアクターも小型化できれば良いのだが」
エヴァ系列世界から持ち込んだ技術の再現も並行して進めているが、こちらは信頼性を維持しつつ小型化するにはまだ時間が掛かりそうだった。
そもそも20m前後の機体に搭載するのは無理があるというのが現在の見解でもあるが。
「何はともあれ、初代ガンダムの放映も近い。いよいよMSという単語が広まる・・・・・・」
「願わくば、広がりきったタイミングで、と」
「インパクトは大きい方が良い。そうでしょう?」
駒田の願いが叶うかどうか、この場で知る者は誰もいなかった。
606:earth:2024/07/07(日) 13:30:04 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
オカルトというか精神感応系はサイコフレーム、そして開発中の
Gガン世界のディマリウム合金でいきます。
Gガン世界の技術が再現可能になれば日本列島型のコロニーが宇宙に浮かぶ・・・・・・
日本列島の形をしたコロニーがリアルで浮かんだら、世界中が絶句しそうですが。
最終更新:2025年12月26日 19:59