631:earth:2024/07/07(日) 23:05:23 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
踊るアウトサイダーズ 第6.5話
月面基地の造船ドック。
宇宙戦艦が3Dプリンターでプラモデルを造形するかのように建造されていく様子を駒田は近くから黙って眺めていた。
「本来ならどちらかで統一したいところなんだけど・・・・・・CE系の艦艇は一部を除いて微妙なのがネックかな」
UC系からはゼネラル・レビル、ラー・カイラム、ネェル・アーガマ、クラップ、サラミス、コロンブス、CEからはアークエンジェル、ガティー・ルー、ミレニアムが
モデルとして採用されて、宇宙艦隊の建造計画が進められている。
最もいきなり大型艦を建造する訳ではなく、検証をかねて使い勝手の良い(かつワークホースとなる)サラミスをベースにした艦の建造に着手していた。
「建造に関して十分なデータが蓄積できれば、あとは一気に増産できます」
芹沢の言葉に「そうだな」とうなずく。
「問題は運用だが」
「護衛艦艇はAI制御。MS、MAを搭載、運用する艦は運用するための兵が乗り込むことになります」
「ふむ・・・・・・それで0083仕様のサラミス改か。念のために量子通信や量子レーダーも組み込む、と」
「はい。ミノフスキー粒子も、NJも持っていない相手である以上、この仕様で過剰になる可能性が高いでしょうが。
そもそも相手の技術レベルを考えるとこのクラスの艦と宙対地爆撃を行えるだけの艦、降下部隊を運ぶ輸送艦だけでも事足りると思っています」
宇宙艦隊を持っていない相手なら、眼前で建造している艦よりも、大型で重武装の艦艇を持ち出してもオーバーキル、と芹沢は暗に主張していた。
「念のため、だ」
「やはり、何かが起きるとお思いで?」
「人類の執念深さは君も判っているだろう」
「・・・・・・」
「とりあえず、予定通りに。何、人類がここの欺瞞装置を突破できるだけの技術を持つのはどう見積もっても21世紀後半だ。我々は21世紀初頭には動く。
それまでには兵器も運用も、更に洗練されたものになっている。そして脅しに使える【レクイエム】も完成しているだろう」
「・・・・・・そして、何かあってもアステロイドベルトや木星圏で再起を図れる、と」
「あまり言いたくないが、そのとおり。最初から負けることを考えるのも面白くないが、始める前に後背地も確保しておく」
「ですが、人類の技術進歩も侮れません。悠長に待ち続ける意味は無いかと」
「下手に介入すれば、藪蛇になることもある。息を潜めて待つのも必要な戦略だよ」
これまでの経験上、駒田は自分が圧倒的有利であっても、即座に攻勢にでることには消極的だった。
「兎にも角にも、十分な戦力を蓄えてからだ」
人類が話を聞いたら「貴方は異星人と戦うつもりなのか?」と聞き返すレベルの艦艇の建造を指示する創造主の姿に、「過去のトラウマに囚われすぎだ」と
いう感情を抱きつつも、決して杞憂ではないと判断し、【当面は】指示通りの計画を遂行することを了承した。
「・・・・・・本当に何事もなければいいのだがな」
司令部に戻った芹沢は、壁に埋め込まれた巨大なモニターに映る地球を見て、そう呟いた。
632:earth:2024/07/07(日) 23:07:17 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
本当に話が進まない。
とりあえず艦隊建造のお話。
改訂前だと建造されていないサラミス(しかも0083仕様)が建造開始。
個人的に好きだった・・・・・・。
あのサラミス改ベースでMS搭載能力付与しても良かった気がするんですがね。
最終更新:2025年12月26日 20:00