705:earth:2024/07/14(日) 13:23:07 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
踊るアウトサイダーズ 第9話
クローバーが進めるMS開発計画【V作戦】。
試作MSは出来たものの、【有人操縦】という縛りがあるのが、関係者にとっては頭痛の種になっていた。
「いやはや、やはり操縦者の保護にはかなりの労力がいるな」
サラミス級をベースに左右両舷にMSデッキを搭載した【ユウバリ】。
その艦橋で【暴食】が、面白そうに【怠惰】に語りかけていた。
【怠惰】の幼女は肩をすくめる。
「まぁ何とか操縦席回りの衝撃を抑えるように手立ては整えたが、あくまでも【抑える】に過ぎない。
変身ヒーロー系の技術さえ応用した強化服を作って何とかするしかあるまい」
「操縦者はある意味、変身ヒーローレベルの防護服を着ることになる・・・・・・勿論、これに操縦をサポートする各種機能も付与。
いやはや、あれ一着で、どれだけの兵器が作れるだけの労力と資源がいることやら。【傲慢】、いや芹沢が渋い顔をするのも判る」
「素直に航空機(MA)と戦車とパワードスーツ装着した歩兵部隊を揃えたほうがコスパは良さそうだからな。特に精密誘導兵器が使える環境下なら」
「だろうな。地上だとただのデカい的になりかねん。しかし誘導方式はレーダーだけではない以上、使うのは電子機器にダメージを与えられる
ミノフスキー粒子になるだろうが・・・・・・戦略的に見ると多用は禁物だな」
【暴食】の意見に【怠惰】はうなずく。
「ミノスフキー粒子が散布されていないエリアのレーダーからすれば、散布エリアには電波障害が起きるのだから何かがあると丸わかりだからな。
だとすると理想はNJとの併用、か」
「うむ。地球全土をNJの影響下とし、地球全土でレーダー、通信を使用不能にはしたいな」
「膨大な犠牲が出そうですね。恨まれそうだ」
原子力関係が全てダウンするのだ。その影響は計り知れない。
原発に頼る国々はエネルギー不足に陥るのは言うまでも無いが、核兵器、原子力空母、原子力潜水艦が国家の安全保障の根幹となっている国々は大打撃となる。
更に無線が軒並み使えなくなるのだから、通信も多くが遮断されるだろうし、GPSも全て使い物にならなくなるので、流通も大打撃となる。
「だがMSを十全に使いたいなら、まずそのような環境は欲しい。使い道も、やはり奇襲が手っ取り早いな。
戦場までの移動でも可能な限り陸路で歩いての移動は避け、ミラージュコロイドを使ったステルス輸送機を使って運搬。
レーダーの目を潰し、軍の連携を阻害し、光学観測も誤魔化す。
そして戦場に展開寸前にミノフスキー粒子を散布して電子機器を可能な限り無効化、と言ったところかな。
粒子を散布しておけば、21世紀に登場する小煩い小型のドローン兵器もそれなりに無効化できるだろう。
この状態で敵中枢に直接攻撃。敵後方に橋頭堡を確保し、後続の受入、と言ったところか。
【強欲】の提案どおり、工兵のまねごとも出来るから、簡易拠点建設ぐらいは可能だろう」
「・・・・・・開き直ってグングニールの改良型でも使用した方が早いのでは?」
706:earth:2024/07/14(日) 13:23:42 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
この【怠惰】の突っ込みに【暴食】は珍しく困った顔をする。
「それを言ったら身も蓋もないだろう」
地球全土のレーダーを無力化し、その状態でミラージュコロイドを利用したステルス機で敵地奥深くに侵攻できるのだ。
それならグングニールで敵中枢や主力を無力化してしまえば、残るのは連携が取れず、更にハイテク兵器も無力化された有象無象の集団。
そんな相手なら、わざわざ高価なMSを使うまでもなく、量産した通常兵器やドローン兵器の平押しで事足りる・・・・・・身も蓋もない突っ込みだった。
「まぁ見せ札としては使えるだろう。人型兵器という非合理的な兵器を多用して戦果を挙げれば、人類側の研究リソースを浪費させられる」
「戦果を挙げる以上、軍事的には無視できない、と」
「そして人類が無駄に人型兵器開発にリソースを浪費するなら言うことはない。それに・・・・・・」
「それに?」
「もしも人類側に英雄が現れ、それが人型兵器に乗って戦場に乗り込んでくることを考えてみたまえ」
「・・・・・・ああ、あの創造主は面白がりそうだ」
色々と拗らせている自らの【創造主】がどう反応するか、それを予想した【怠惰】は溜息をついた。
表向き、可憐な美少女にもかかわらず、そこには上から無茶を押しつけられて黄昏れているサラリーマンのような風格を漂わせていた。
「この姿、ターニャ・デグレチャフを模した以上、無茶振りはあるとは覚悟していましたが」
「ははは。諦めたまえ」
「・・・・・・はぁ。しかしこの使い方だと、敵の戦車部隊との真っ向からの殴り合いは想定していない、と?」
「殴り合いというより、敵の頭(制空権)を抑えて、頭上からビームや砲弾、ミサイルの雨を降らせるのが良いだろう」
「陸戦兵器というより、人型の近接航空支援機といったところですね。まぁそのほうが良いでしょうが。
私も好き好んで重力下であの巨大と重量をもつ機体で、跳んだり跳ねたりする戦いをしたくはないですし」
「あと水中用は、まぁ奇襲というか特殊作戦用だな・・・・・・連邦水泳部よりも少なくて良い程だ」
「・・・・・・後は例のサイコフレームですか」
「うむ。ユニコーン系列の機体は扱いが難しい。運用には慎重を期する必要がある。まぁνガンダム系が精々だと思うが」
「悪魔の力が発動しないことを祈りますよ」
707:earth:2024/07/14(日) 13:26:02 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
というわけで四苦八苦する2人の話でした。
MSで見た目こそ、派手に敵を蹂躙しても、クローバー側はMSをかなり慎重に扱うことになりそう。
最終更新:2025年12月26日 20:08