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800:earth:2024/07/20(土) 13:00:52 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp

  踊るアウトサイダーズ 第11話 


 優秀なSFSである【アインラッド】を導入し、これと組み合わせることでMSはその戦闘能力を増大させた。
 これによって初期の構想であった、飛行可能なMSによる近接航空支援だけでなく、本格的地上戦でも戦うだけの力を得たと言える。
 【怠惰】は「いや、もうMSいらなくない?」と内心で思いつつ「まぁMSを人型コアファイターだと思えば」とある意味で割り切った。
 そんな中、拡大し続ける組織を統括する7人の幹部たちは、TV会議を開いた。

「近接航空支援を担当する部隊、地上戦を担当する部隊、両方を担えるようになります。近接航空支援はクローン系ユニットが乗る有人機、
 前線で殴り合うのは無人機、或いはアンドロイドが操縦する機体を当てれば、人型兵器がまともに戦えることになるかと」

 【怠惰】の言葉に【傲慢】は「やれやれ、どれだけコストをかければ気が済むのか」と溜息を吐き、【強欲】は「【創造主がやる気を
失うよりはマシだろう」と肩をすくめる。そして【暴食】は「【創造主】の妄執の産物で、世界の理を一時的にでも塗りつぶす方法は?」と
思索にふける。そんな中、一人の男が嘲るような笑みを浮かべた。

「はっはっは、【創造主】は拘りが強いな。こんな玩具で世界を挽きつぶせとでも? まぁ今は、赤い貴族とそれに唆される知恵足らず共と
 正義を自称する守銭奴共の縄張り争いの真っ最中だからな。これで両方とも挽きつぶせるなら、それはそれで面白いが」

 地上でゲリラ、テロリストの経験を吸い上げる男、原典にて【ガウルン】と言う名を与えられた冷徹で冷酷で陰湿なテロリストの姿を模した
幹部の一人・【色欲】は、創造主の妄執の塊を【玩具】とこき下ろす。

「まぁこんな【大人の玩具】で蹂躙された地上の人類も、さぞかし【そそる】声で泣いてくれるだろうが」
「ふぅ・・・・・・いい加減、口を慎め、【色欲】」

 オールバックにした黒髪、口髭、左目に眼帯をつけた男性が威厳のある声で【色欲】をたしなめたが、【色欲】は原典のテロリストのように
物怖じしない態度をとる。

「【憤怒】、お前はもうそろそろ、色を覚えたらどうだ? 自分達が正義の味方と信じて疑わず、俺を殺しに来る連中を、返り討ちにした時の
 奴らの驚愕と絶望の顔。あれを思い出しただけでも興奮が止まらない」

 歴史に影響が無いレベルに留めているが、この男、地上ですでに多くの人間を殺傷している。
 そしてその殺し方があまりにも鮮やかで、かつ吐き気を催すほど残忍であった為、様々な組織から危険視されていた。
 尤もその正体が露見するようなヘマを犯してはいなかったが。

「有象無象を玩具でひき殺してやるのも一興だが、何度も【創造主】を世界から追放してきた【英雄様】の同類にも興味が引かれるな・・・・・・
 あの澄み切った瞳、純粋な殺意で、世界の後押しを受けて殺しに来る連中だ。ふふふ、連中を殺した時、どれだけの」
「いい加減、黙れ。話が進まん」

 【憤怒】と呼ばれた男は強引に話を終わらせる。
 さすがにこれ以上は拙いと感じたのか、【色欲】も仕切り直した。

「では、大総統のご意見は?」

 大総統、「軍事国家アメストリス」の表向きの頂点に立っていた男、キング・ブラットレーを模した【憤怒】は、【色欲】のやや揶揄が入った
言葉を気にとめる素振りも見せずに、話を切り出す。

801:earth:2024/07/20(土) 13:01:42 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp

「正直に言えば、現在の状況について疑問を抱いている」
「具体的には?」

 【強欲】の問いかけに【憤怒】は顔をしかめつつ続ける。

「【世界】とやらはいつまで我らの跳梁跋扈を黙認するか、だ。【創造主】の記憶を辿る限り、ここまで準備期間を見逃す沈黙期間はそう多くは無い。
 【創造主】は達観しているようだが・・・・・・これが【世界】側の準備期間でもあるなら、訪れる嵐は相当なものだろう」
「「「「「・・・・・・」」」」」

薄々感じていた面々は一様に沈黙する。

「【色欲】ともども、地上での情報収集活動に努めているが、何かが影で進行しているという証拠は無い。人類がこちらに気づいている兆候も無い。
 陰謀論でも、全て既知か、予想範囲の内」
「・・・・・・我々の隠蔽工作がうまくいっている証拠では?」

 【怠惰】はそう発言するが、【憤怒】は「本当にそう思うかね?」と返す。

「被害妄想と嗤われるかもしれない。だが、これまでの記憶に基づけば、可能性はゼロではないだろう」
「・・・・・・【英雄】が秘密裏に用意されている、と」
「物事がそれだけ単純なら、救いなのだがね。中途半端に再現可能な異世界の科学技術、異世界では通じるが、規制される大型二足歩行型ロボットと
 オカルト系技術・・・・・・」

 【憤怒】の危惧を聞いていた【強欲】は興味深げに尋ねる。

「【何かしらの意図】がある場合、我らは意図せぬところで躓く可能性もある、と」
「巨大ロボットとオカルト技術が規制される何かがある、と思えば」
「うむ。世界が巨大ロボットとオカルトを嫌うなら、少なくとも【創造主】の狙いの一部は達成できるが・・・・・・」

 2人の意見を聞いていた【傲慢】が話題を変えるべく口を挟む。

「しかし証明しようが無いものに、いつまでも囚われているわけにはいかん。
 ただ・・・・・・我々の仮想敵の中に【本当に二次元から飛び出てきたような】巨大ロボットを加えるのはどうだろうか?」

 世界が嫌うのであれば、それが【脅威】であるという可能性は否定できない。
 そしてその【脅威】が世界の規制を破って現れた際、自分達の敵にならないとも限らない・・・・・・ならばそれを仮想敵とするのは当然、というのが【傲慢】の見解だった。

「我々のドクトリンは目下、通常兵器相手だが・・・・・・これに対MS戦を加えていく、と」

 【暴食】の確認に対し、【傲慢】は頷く。

「その通り」
「やれやれ。仕事が増えるが、仕方ないか。米軍がUFOを仮想敵とするように、我々はアニメの巨大ロボも仮想敵とは」

 地球に住まう人類からすれば「お前らもアニメの登場人物や組織みたいな存在だよ」と突っ込まれる者達の会議は続く。

802:earth:2024/07/20(土) 13:02:58 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
次回も会議の続きです。
次回で【嫉妬】登場予定で7人そろったか。
・・・・・・悪人大会議みたいになっている(強欲と怠惰除く)。

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最終更新:2025年12月26日 20:15