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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間 静かな星 終
負けた馬券もメジロとテイオーの末の名の刻まれた馬券も放り出なげられ万雷の拍手の下、祝福となり日に煌めきながら花びらの様に降り注ぐ。
その祝福の先には存在した、栗毛に緑のメンコを被りあの日の続き、沈黙の日曜日の続きという夢の蹄跡を府中に刻んだ一頭の馬が。
その背に背負うはあの日の『彼』ではなかったけれど、馬は『彼女』となったけれどその馬は確固としてそこに存在した。
そう、ありったけの祝福を受けるは一頭のその馬の名は府中の悲劇と共に語られる伝説。
異次元の逃亡者、その名を示す大逃げでなかったけれどその馬は確かにゴール板を先頭で駆け抜けた。
その栗毛の背にはあの日の彼の代わりに天高く人差し指を伸ばす一人の少女が乗っている。
その姿を見て今日という日、この秋の天皇賞に色々とあって出ず、異世界の彼の代わりも辞退していた観客席の彼は号泣する。
様々な想いが湧き上がり言葉にならない、だがその胸の空洞は埋まり始めていた。
もう一度コースを見ると自分の仲間がサイレンススズカの元に集まっていた。
「えっと電さんだっけ?」
「いやまさかサイレンススズカとはね…。」
人差し指を掲げていた電に幾人かの騎手が馬に乗ったまま近づく。
電は彼ら知っていた。
向こうではなんならおウマさん本人から裏話聞いたりドリームトロフィーリーグでも度々競いあってる仲だ。
「本物かい?」
「はい本物なのです。色々あって別の存在になって戻ってきたサイレンススズカさんなのです。
逝ってしまった方も生きている方も同様の存在になった方はいるのですよ…。
フフフ、電は貴方のよく知る方ならネオユニヴァースさんやエイシンフラッシュさんにも乗っているのです。
他の方もキングヘイローさんやラインクラフトさん。スティルインラブさんやカレンチャンさんやスイープトウショウさんも…。」
「「「っ…!」」
電の口から語られる懐かしい名前。
そんな中、騎手の一人は気性難の馬の名前に気性難で迷惑掛けてないかと苦笑する。
「いえいえ、レース以外では大人(文字通り)なのです…電はスズカさんやトウカイテイオーちゃん主なので乗る機会自体は多くないのですが…。」
電の口から今度は91世代代表馬の名前が上がる。
他にも騎乗した馬の名前聞けば戦前の41世代初代三冠馬から始まり、
51世代の幻の馬、64世代彼を超えろと叫ばれ続けた神馬、73世代の競馬を変えたアイドルホース。
84世代の伝説を現実に変えた皇帝、88世代という魔境で日本にその名を刻んだ怪物、
黄金色に輝く98世代日本総大将、05世代英雄…。
世代とか時代とか騎手経験だとかどうなってるのだと言う感じだ。
「じゃあ口取りがあるので行きましょうか。っとその前に」
そういうと電は馬の踵を返させると再び観客席の前を走らせる。
馬…サイレンススズカここにあり、それを示すように鞍上で人差し指をもう一度高く掲げながら。
その姿をアナウンサーはラジオ越しにインターネット越しに涙を滲ませる声で伝える。
『サイレンススズカが折り返し観客席の前、再び我々の前をこの東京競馬場の芝の上をを走っております…!
皆様ご覧でしょうかこの声は届いているでしょうか…サイレンススズカがこの府中のコースを走っております…!』
異世界の自分により地下馬道に案内された彼、彼はそこで彼女らと出会う。
白い髪と茶色い髪の少女、その耳と尾はヒトではないことを伝えていた
「お待たせ。」
「おりょ?連れてきたんだ。」
「うん、観客席にいるの見つけてね。どうせなら会いたいだろうから…そういえば問題とかはなかったかい。」
妨害とか…、言外にそう言う。
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「ん…スズカのゲートに細工されてたけどそっちは見ての通り妨害にもならなかった。
直接的な行動はオフサイドトラップやブライト、ステイゴールド達が止めたよ。」
「あの時の子達が…。」
「レースを直接的に妨害しようとしてたみたいですわ。」
「そうか。」
「オフサイドトラップなんかは同じ秋の楯得た者としてたスズカと戦い今度こそ勝つって意気込んでたからねえ。」
ケラケラと笑いながらかつて彼の乗った【彼】と競い合った馬の名を上げる茶色い髪の少女。
「それじゃあそろそろ出迎えに行きましょうか。」
白い髪の少女は彼らに移動するように促す。
地下馬道を進むとレース場の方から懐かしい姿がやって来る。
緑のメンコに栗毛の馬体。
「スズカ!」
堪らず彼は馬の名を呼ぶと駆け寄る。
周囲のスタッフが止めようとするが大丈夫と白毛と茶毛の二人の少女が止める。
明らかにローティーンでしかない少女が何故ここにいるのかと混乱し、頭の耳と臀部の尾で更に混乱する。
その間に彼は馬に抱きついた。
抱きついたまま涙流す彼、対し馬は瞳を少女二人に向け。
「「(諦めが肝心ですわ(だよ)。)」」
「(ウソでしょ…!?)」
「あのー…。」
抱きついている彼に困った様な声が馬…サイレンススズカの上から掛けられる。
見上げるとサイレンススズカには自分より遥かに小柄…というか幼いと言った方がいい容姿の少女が跨っていた。
纏うのは白地に黒い山形三本輪というこの日本では見慣れぬ勝負服。
そうこうしていると新たに集団が近づいてくるのに気づく。
白や茶の少女に似た耳と尾…を模したものを見に付けた女性達、サイレンススズカや他の優駿の魂を宿した少女らの声を演じる女性達だ。
その内の一人が前に出る、サイレンススズカ役だったと彼は記憶していた。
「あ、あの…競走馬サイレンススズカが走ったと聞いて…。」
その女性の視線は彼が抱きついている馬…サイレンススズカに注がれている。
サイレンススズカの鞍上の少女は溜息を吐く。
「私の乗ってる方がそのサイレンススズカさんなのです。」
まさか本物、ウソでしょという声が女性たちから漏れる。
死んだ馬がこの場にいると言われればそういう反応にもなるだろう。
「ああそういえば申し遅れました。私の名前は神崎電…艦娘で向こうでのスズカさんの主戦なのです。」
「艦娘…?」「なんでここに?」
「待ってよ!電は僕の主せムゴッ!?」「テイオー少し黙って下さいまし。」
そのサイレンススズカの騎手の言葉に反応した茶毛の少女は白毛の少女に口を塞がれる。
彼に疑問が浮かぶ自分が主戦で無いのかとの問いに少女、電はサイレンススズカが走るのはJRAの重賞レースではなく、
KRA…神崎島競馬会が主催し電も騎手として出るドリームトロフィー
シリーズという競馬振興の為のチャリティレースシリーズに他の過去の優駿達と共に出走していると答える。
彼は通常のレースもあるので出走出来ない日もあるのだ。
ドリームトロフィー…優駿の魂を宿した少女達が走る夢の杯と同じ名を戴くレースに過去の優駿達が走るという事実に何やら因果なものを感じる彼と女性たち。
実際は因果どころの話ではないのだが…。
「あ、話してる間にすごくすごい時間過ぎてるのです!!スズカさん急ぐのです!」
そんなことを考えると電が焦りだしサイレンススズカを走らせる…彼をついでに引き上げて。
「私達も行きますわよ!」「電待ってよ!!」
茶毛と白毛の少女も続き、もう一人の彼と声優らも後に続く。
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:まだ出てこないのか?
:時間かかってね?
:まだ慌てる時じゃない
:おは仙道
:お出できたぞ
ネットのそんな声が流れる某笑顔な動画のウィナーズサークルの映像の生放送。
そこへ期待したサイレンススズカが出できたのであるが騎手は騎乗したまま、小柄な騎手は何かを抱えている。
:何か担がれてる…
:ぶっ!?
:レジェンド!?
:天皇賞出てない思ってたらなんでそこにいるの!?
サイレンススズカの騎手に抱えられていたのはこの世界でも伝説な騎手。
抱えたままウィナーズサークルまで来ると騎手は彼を抱えたままサイレンススズカを降り彼を立たせ、
ヘルメットを外すと長い茶色い髪が溢れ容姿が露わとなり東京競馬場がざわつく。
皆テレビで一度は見たことのある世間でも有名な艦娘の一人である電。
彼女が騎手と知っていても実際目にすると驚くというもの。
ヘルメットをスタッフに渡すと告げる。
「スタッフさん、関係者の皆様がまだ来るのでもう少し待ってほしいのです。」
え?関係者?という顔をすると地下馬道より続々と集団が出てくる。
結果、誕生する前代未聞の大所帯口取り式。
:関係者…?
:関係者(競馬民グラスの中の人)がいるやろ?
:スズカ(声優)やスペちゃん(声優)もいるから関係者やろ…関係者やろ?
:レジェンドももう一人居るんですが(震え)
:明らかに地球人類外の女の子二人は一体…?
綱を離しても微動だにしないサイレンススズカを中心に脇に電とこの世界の彼、そのさらに外側にウマ娘のスズカの声優と異世界の彼が並ぶ。
スズカの声優と異世界の彼の隣は白毛と茶毛の少女だ。
残りの声優らはその外側に並ぶ。
そしてサイレンススズカの背には秋の楯のレイが掛けられ記念撮影が行われる。
その光景だけで泣きそうに成るものも居る。
漸く落ち着いたところで電にマイクが渡されアナウンサーが電に声を掛ける。
「神崎騎手、優勝おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「優勝したお気持ちとか聞きたいところではあるんですが皆さんが疑問に思われていることを質問してもよろしいでしょうか?」
「ああスズカさんのことですね?この馬は確かに98年の秋の天皇賞で亡くなられたサイレンススズカさん御本人なのです。色々あって地上に戻ってきたのです。」
府中の観客席がざわつく、やはり関係者から言われると驚くものだ。
「そ、そうですか…生き返ったとか聞きたいこともありますが…、
関係者ということでサイレンススズカの鞍上だった〇〇騎手がお二人いらっしゃるのはわかるのですが…そちらの〇〇騎手とはどういったご関係で?」
「私達の世界では時折同じレースシリーズに出走する仲なのです。
初めてお会いしたのは北海道の牧場で行っていたスズカさんの調整の時にスズカさんとあの人の騎乗したスペシャルウィークさん、ディープインパクトさんとシンボリルドルフさんのレースだったのです。」
「そ…そうですか…。」
「勿論電が乗ったスズカさんが逃げ切ったのです!」
フンスと胸を張る電だがその他事情知らない者達は困惑しかない。
何だそのレース、金払ってでも見たいだのの声が出る。
そこへ別のスタッフがカメラ外で【ライブ開始時間超過!】のボードを掲げ声優達があっと声を上げる。
本来始まる筈だったレース後のライブ…その時間を過ぎてしまったのだ。
「だったら短くともここでライブすればいいのです。」
電がそんなことを言い出す。なんならば神崎島競馬会を通しJRAに掛け合っても良いと。
「だけど馬って大きな音は…。」
「スズカさんなら大丈夫なのです。いつもレース後に一緒にウィニングライブやってますし。」
渋る人に電はウィニングライブをスズカとやっていると言い出した。
彼らの頭の中ではサイレンススズカに跨った電が祭りを歌っていたりする。
85:635:2024/05/31(金) 07:10:35 HOST:119-171-231-99.rev.home.ne.jp
そして暫し経ち声優たちはウィナーズサークルに立つ。
そのウィナーズサークルの傍らにはサイレンススズカと騎手の電と白と茶の少女…そしてこちらとあちらでスズカの鞍上を務めた騎手が二人。
ユメヲカケル、第二期のテーマでもある歌。
トウカイテイオーの歌である筈のなのにサイレンススズカの歌のように。
サイレンススズカと夢を駆ける、秋の楯のその先に…込められたのはそんな想い。
いつか決めたゴールに届いた今だからこそその意味は重い。
サイレンススズカに重ねていた夢が瞳に現在(いま)映っているのだから。
躓いてももう一度、無かった夢想の筈のそれをサイレンススズカはびゅんと追い越して運命さえも変えてしまった。
歌のクライマックスがやってくる。彼女らはイレンススズカと夢を駆けると歌い上げる、希望と共に。
歌い終えネット競馬場問わず湧き上がる歓声。
歌い終えると声優らの目にはサイレンススズカが目に入る…スズカはじっとこちらを見ていた。
その姿に泣きそうになるが熱いものを拭い息を整え最後となるGIRLS' LEGEND Uを歌う。
やっと会えたと万感の言葉と共に始まる。
歌詞を見てあるあの日の場に居た男性が思ったのは譲りたくなかったスズカのその後という夢、ある女性が思ったのはスズカの悲劇を知ってこの場でスズカが走る姿を見た時のドキドキ。
伝説の騎手に浮かぶのはスズカと駆け抜けた日々、語った栄光。
『生きてる』と応えたい、夢は夢のまま追われない…その言葉が重くあの日流した涙、共に綴った記憶を思い出す。
歌い踊る彼女達の視界に悲劇の馬が入り涙が溢れる。
キミ(サイレンススズカ)と勝ちたい…!
その言葉が引き金となり限界だった。
感情が決壊し、サイレンススズカの声優が涙を流し膝をつき、駆け寄った他の声優らも共感から同じく声にならない声を上げ涙する。
それでも曲は流れ…涼やかに鮮やかに誰も歌えぬ筈の言の葉の続きが紡がれる。
未来を描き果てを目指す…と。
歌声が声優達の横を通り過ぎる。その歌声に顔を上げると涙に滲む瞳が大きく開かれる。
映り込むのは鮮やかな白と緑そして艶やかな栗色の髪風に揺らす乙女。
乙女は勝利を狙い挑み掴めと歌う。
知らぬはずもない…この場に、この世界に存在するはずのない異次元の逃亡者と呼ばれた馬の魂を継いだ筈の少女。
想い続けた夢は叶うと歌う彼女より幾分少女らしい声が続く。
その声の主は白いフリルがあしらわれた黒いコートドレスを身に纏い紫掛かった長く白い髪を持つ名優の名を持つ少女。
あの日、貴方が流したその熱いものを信じましょうと高らかに高い声で歌うのは王族が纏う様な白い軍服の様な衣装を着た茶色い髪をポニーテールで纏めた帝王と呼ばれる少女。
前に出て歌う彼女らに目を奪われる人々を他所に溜息をつくと騎手の勝負服を着た電。
同じ世界から着た伝説と呼ばれる騎手は笑いかける。
「結局こうなったのです…。」
「僕の時もそうだけどあの子達の姿だからかな。」
二人の眼の前で彼女らは歌う。
共に走り、未来を描き果てを目指す。歌声よ届け!勝利を掴め!と力強く歌う。
三人は誰かに伝える様に全てを超え願い焦がれ走れと果てまで駆け抜けろ叫ぶと人差し指だけを伸ばした腕を高く掲げる。
「「「「「…………。」」」」」
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歌が終わり、その場を沈黙が支配する。
声優も動画共有サイトのコメントも配信者も掲示板のスレもSNSの反応も全てが止まった。
皆感情がグチャグチャだ。
歴史のIF…秋の楯を得たサイレンススズカという夢。
その夢の前で願われた歴史のIFの歌を歌っただけでも情緒がおかしくなったのに、
声優たちが自分等と同じく感情が溢れ歌が終わってしまうと思った矢先に歌を続けたのは競走馬の魂を持つ少女たち。
歌い終えた少女らは声優達を起き上がらせるが皆グズグズと泣いている。
それを見て苦笑いすると栗色の髪の少女がふわりと典雅に一礼すると声を発した。
「皆様ご静聴ありがとうございました。」
その涼やか声は間違いなく彼女…ウマ娘サイレンススズカ。
皆が目を丸くしさらに瞳を大きく開く。
良く見れば電の隣に居た筈のサイレンススズカが存在しない。
観客席の眼前で大型モニターある街角でお茶の間のテレビ中でスマートフォンの画面の向こうで彼女は口を開く。
「私…競走馬サイレンススズカ号があの秋の天皇賞で虹の橋を渡り今年で22年…短いとはいえない長い長い月日が経ちました。」
「そして今日という秋の日曜日…府中の大ケヤキを超えたことをここにご報告させて頂きます。」
to be continued "神崎島おウマさんVS日本ウマ娘"
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以上になります。転載はご自由にどうぞ。間が空きましたが静かな星はこれにて閉幕となります。
最終更新:2025年12月27日 01:06