476 名前:ひゅうが[sage] 投稿日:2025/09/06(土) 01:42:16 ID:opt-123-254-9-3.client.pikara.ne.jp [2/11]
――Dマイナス2.0時間 ヤシマ派遣学園
「『アマノハラ』より司令部へ。主融合機関出力安定。非常用マニュアル系も同様。第2巡視船隊全艦十全の機能を発揮できます」
「『ワカクサ』以下第4巡視船隊全艦も同様であります」
「『カシワラ』以下第3巡視船隊以下同文」
「『タツタ』同上であります!!第5巡視船隊もやる気十分です!」
「『ミナリ』および第6巡視船隊、弾薬および燃料補給を完了。シフト明けではありますが目を見張る戦果をお約束いたしましょう!」
「西部総隊、知名閣下よりも準備完了との入電であります」
総参謀長こと宗谷ましろ三等海上保安監はふっと息を止めた
「閣下。いえ、『艦長』」
海軍独特の、「かん」を下げ気味に言い、「ちょう」で上げるアクセントである
かつてと同様に、白い半袖の制服に袖を通し、半身に長の補佐役の証である飾紐を吊り下げた身である
であるが、その瞳に宿ったものは変わらない
信頼。自分の身は誰かの補佐役こそが最適であり、またあまりうれしくない事実ではあるが自分は運が悪いのだから判断までの材料提供こそが最良というものは、彼女のある種の信念でもあった
だからこそ彼女は言った
「皆が、あなたの号令を待っています。『岬アケノ統合艦隊司令長官閣下』」
彼女の主であるところの同窓生は、しばし制帽を目深にかぶっていた
彼女の感情が深く沈み、そして高ぶっている証拠である
あるいは、高揚しつつもそれを厭うている、ともいえた
かつて彼女らの在した海洋学院――実際はオデュッセイアに押されて自領の警備権すら喪失しつつあった残骸未満の存在であるが――生徒会が廃校やむなしの結論に至った時とは方向こそ変わっているものの同じ情熱を内に秘めている
「みんな、バカだね」
それが第一声だった
「ええ。バカ者です。だからここにおります」
「うん。なら、こう言わせてもらうね
『この大バカ者たち、よく来てくれた!』
私たちは、あの時死んだはずだったのに、また筒をとってくれた」
電子的に接続された全ての者たちが栗毛の彼女の言葉を聞いていた
その髪は「あの頃」よりだいぶ丈が伸びており、それを下の方で束ねている
「『先生』および『学園長』から命令が下った!
敵は、D.U.サンクトゥムタワー、いや、『虚妄のサンクトゥム』!」
ザッ!という音とともに、白いスカートに青い返しがアクセントに加わったブルーマーメイドの乙女たちは姿勢を正す
477 名前:ひゅうが[sage] 投稿日:2025/09/06(土) 01:42:56 ID:opt-123-254-9-3.client.pikara.ne.jp [3/11]
「『先生』の保有する戦力では、『虚妄のサンクトゥム』の護衛をつとめる大物はともかく、その他の小物たちはあまりに数が多すぎる。この事態を『上』、いや『連合』ははるか前から想定していた
だから『あたしたち』がいる!!」
その言葉に、青いネクタイを締め直す者、黄金の縁を持つ制服をもてあそぶ者もいたが背筋はまったく変わらない
「実体弾を主体とした、ある意味で『野蛮』な『戦艦』を中心とした水上砲戦部隊は、UAVや大型無人兵器群の掃討に最適
大戦力の『キヴォトスの生徒』だけでは足りない多対一の戦闘こそわたしたち『ヤシマ派遣学園海上警備隊』『ブルーマーメイド』の本領」
それは何かを告白するような口調だった
まるで、世界に自分たちの罪を告白するような、あるいはマジックの種明かしをするようなものだったのかもしれない
ふだんは「シロちゃん」「岬さん」という口調で呼び合うようなフレンドリーさはそこにはなかった
いや、押し隠されていた
一世一代の大舞台にあっては、あとで埋め合わせをすると事前に約束しつつ、演じ切るほかはない
それが彼女の、これまでの――すなわち廃校寸前でヘルメット団の同類に堕ちるところを泥の中から極めて打算的な意図をもって救い上げられた者たちの代表としての――学園都市キヴォトスでの全てに対する礼儀であり対抗手段であると心得ているからだった
「全艦、出撃!目標、D.U.虚妄のサンクトゥム!我らブルーマーメイドの総力を挙げて、『先生』たちの突入を支援する!
敵(対抗部隊ではなく敵、とはっきり彼女は言った)電子戦能力をもって艦隊の情報伝達手段が失われようとも、艦隊、戦隊、個艦、あるいは各個の判断にて抗戦を継続せよ!
リンクシステムが消えても音声通信、音声通信が消えても電信、電信が消えても発光信号、発光信号が妨害されても手旗信号で、あるいは伝声管で、自分の腕で各々持ち場にて艦を動かし、撃ち続けるよう!これがブルーマーメイド最期の戦いである!!」
異口同音に、「かくあれかし」という同胞たちの叫びが点を突いた
「連邦生徒会はじめ、私たちを忘れた生徒たちに、強い娘たちに『ブルーマーメイドかく戦えり』と刻み付けなさい…!!」
――ヤシマ派遣学園海上警備隊、参戦す
478 名前:ひゅうが[age] 投稿日:2025/09/06(土) 01:43:37 ID:opt-123-254-9-3.client.pikara.ne.jp [4/11]
と、いうわけで、ひとつでっち上げてみました
こういうの、好きな人、います?
最終更新:2025年12月27日 22:52