292 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/09(月) 18:30:25
ネタSS ~津州皇国陸軍 戦車事情~
「これは・・・色々と集めたなあ」
陸軍騎兵大尉である三笠光清は目の前にある戦車の山を見て呟いていた。
「まあ、中にはWW1時代の物もありますが、蒼海世界の技術力を鑑みるとこれでもかなりの高性能ですよ?」
「そうなんですか・・・いえ、お力添え感謝します」
日本帝国の武官に礼を言うと向こう側の世界の戦車・・・・もはや旧式となった物に触れつつ光清は思案する。
(これら旧式でも我々には生産が難しいだろう。中には禮國で開発中らしい物まである。だがこれだけあれば
陸軍の技術の底上げや操縦者の育成が可能だろう)
別世界と繋がった津州皇国は早速日本の兵器の購入を行おうとしたが早々に頓挫した。
値段もさることながら、WW1以前のインフラしかない皇国では日本の九七式戦車クラスは運ぶのも一苦労であり、
燃料や弾薬からして補給するには日本から買うしかない。
補給や兵器製造を他国に握られるのは死活問題であるので目の前の兵器を前に指を咥えて見ているしかなかった。
そこで日本から旧式の兵器輸出の提案が行われた。
東南アジアや大陸にあるだろう旧式兵器を日本が購入し、それを皇国に安値で売る。
これは皇国の技術水準に合うだろう事と大陸や東南アジアへの兵器輸出をしたい日本など
各国の思惑から生まれたアイディアであったが皇国にとっては願ったりかなったりの提案で
あり、快諾した。その結果東南アジアなどから植民地時代の兵器などが集められ
FT軽戦車や九二式軽戦車、M2中戦車、一部にはドイツのⅡ号戦車なども混じり
さながら旧式戦車の展示会の様相を呈した。
規格はバラバラだが蒼海世界の列強にも持ちえない戦車の群れに陸軍上層部は嬉々していたが
すぐに燃料などの維持費に顔を青くすることになる。
最終更新:2012年04月09日 21:06