886:モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:29:57 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
MAS7.5㎜小銃Mle1950ter(MAS50ter)
口径:7.5㎜
全長:1200㎜(銃床折り畳み時約800㎜)
重量:約4㎏
総弾数:20発(着脱式箱型弾倉)
想定射撃距離:800m
【概要】
フランス連邦共和国(以下、FFR)で制式採用された小銃。その名が示す通りMAS50の3番目(ter)の改良型である。
改良の主眼はMAS50bisの激烈なる反動の低減であり、その目標は見事に達成された。
兵士たちからは慣例に従い“MAS50ter”と呼ばれ、初代MAS50から三世代に渡る信頼を保持している。
【計画】
チュール造兵廠(Manufacture Nationale d'Armes de Tulle:MAT)が世に送り出したMAT82bis短機関銃は、大人気商品となった。
特に若い女性から根強い支持を受けたそれは、FFR全体で社会現象と言えるほどの存在となった。
しかし、それを面白く思わない勢力もあった。
——サン=テティエンヌ造兵廠(Manufacture d'armes de Saint-Étienne:MAS)である。
「FFRの魂」とまで言われる名銃MAS50
シリーズを生み出したMASからしてみれば、ライバル企業の成功など面白くないのは当然である。
“主役”の座をMATから奪還するべく、MASも独自設計の「新商品」の開発を決定、起死回生を狙った。
なお、この報を聞いたアナイス・ベルナルド国防参謀総長は
「ああ素晴らしきかな意地の張り合いよ! やはり『破壊的革新』は民間企業同士の競争から生まれるのね!!」
と宣い、即座にお付きのラ・ピュセルから
「MASもMATも官営の工廠では?」
と突っ込まれたという。
そんなことは露知らないMASは、“第一陣”としてMAS50シリーズの最新型を設計することに決め、邁進することになる。
(MAT82シリーズに正面から挑む連発銃も開発するが、そちらは第二陣とした)
887:モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:30:45 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【設計】
今回の改良の主眼は『反動の軽減』であった。
当たり前の話であるが、弾丸の運動エネルギーが13㎜級の重機関銃に匹敵するのであれば、反作用のエネルギーもそれに準じるのである。
現状はそれを兵士たちのエラン・ヴィタールで押さえつけているのであるが、そのままにしていい問題ではない。
これまでも幾度か言及しているが、上層部や技術者が現場の努力に胡坐をかくのは“怠慢”以外の何物でもないのである。
そして「『我らが指揮官』隷下の兵士たちの辞書には怠惰という文字はない」のだ。
(「『ただし、あくまで原則的に』だけどね~♪」
「閣下、誰に向かって話しているのですか?それ以上加えますとコーヒーとアルコールの適切な比率から離れます。私のタンクから抜き取ったコアントローなのですから浪費は控えてください」)
反動軽減という目標を達成するために、MASは実用化されたあらゆる技術を投入するという方針を取った。
同時に、そのための費用増大は看過することも決断した。
此度の新型銃はMATシリーズと異なり軍の制式装備となることを目標として設計するのだ。
ならば過度に費用圧縮を試みるよりも、性能を追求した方が得策なのである(武人の蛮用に耐える耐久性を確保するのは大前提であるが)。
まず始めに、銃床部分にMAT82bisにも採用された反動軽減機構を搭載した。
これはヴァレ155㎜簡易自走砲で初めて採用された機構であり、その特許はシュナイダー社が保有しているため素直に頭を下げるだけでいい。
しかし、これだけでは反動を50%しか軽減できない。これに組み合わせる他の機構が必要であった。
次に採用したのはM1974 50mm狙撃擲弾砲にも採用された反作用錘であり、この錘の動作により発射の反動を相殺する。
なお、M1974ではこの錘の性能限界により、発射速度が制限(最大30発/分)されていたが、半世紀に渡る技術革新によりその制限はほぼ無くなっている。
加えて射撃時に銃身・機関部が後座するように変更しこれにより更に反動を吸収する。
この機構の副産物として、ボルト・アクション式のままながら排莢を自動化することに成功している。
これは往年の対戦車砲などに見られる機構である。
(著名なものでは旧ソ連のPTRD1941対戦車ライフルが採用している)
これにより、射手の負担はより一層軽減された。
(「閣下、ここまでするのならば完全な自動小銃にするか半自動式にした方がよろしいのでは?」
「流石に毎分数百発も撃ったら射手の前に銃そのものが持たないわよ。そして半自動式は歩兵閥が絶対に認めないわ」)
銃口制退器(マズルブレーキ)の採用ももちろん検討されたが、装着した場合凄まじい発射音と衝撃波及び発砲炎が発生してしまう。
それでは伏撃時に不利となるだけでなく、射手自身やの周囲の味方にも悪影響が出るので不採用となった。
これら各種機構を搭載した結果、射撃時の反動はMAS50bisからおよそ80%削減することに成功した。
このように様々な機構を追加した結果、目標とした反動軽減は達成された。
と同時に新たな問題も発生した。
———重量の増大である。
特に反作用錘の影響が大きかった(というより、これはある程度の重量がなければ効果を発揮しない)が、その他諸々合わせ最終的には約1kgも重量が増加してしまった。
「重量が増えれば更に反動を吸収できる」と楽観的な声もあったが、試作品を扱った兵士たちや将校たちからの評価は低かった。
前線では1g単位で重量軽減に苦心しているのに、そこに1kgも増やすなんてとても受け入れられないのである。
そうした声を受けて、MASは銃全体に手を加えることにした。
具体的には「新素材への置換え」である。
従来は木製や金属製であった箇所で変更可能なものを、新開発されたVP(Vêtements en Papier:紙の衣)や特許が切れたスターライト樹脂などに変更したのである。
当時VPはまだまだ高価であったが、MASはここで採用すれば逆に量産効果で安くなるはずだとして採用することに押し切った。
これにより、全体重量は各種機構を追加してもなおMAS50bisと同等にまで抑制された。
888:モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:31:31 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
【運用】
開発が完了した本銃は、試験の結果FFR正規軍に制式採用されることとなり「MAS7.5㎜小銃Mle1950ter」と命名された。
そしてMAS50bisを置換える形で配備が進んでいき、兵士たちからはMAS50terと呼ばれ親しまれるようになる。
おおよそ1/5にまで軽減された反動の恩恵により、操作性は飛躍的に向上している。
過半の将兵は好意的反応を示したが、一部の古参兵は
「あの“おてんば娘”のような反応がないと寂しい」
「あのツンツンしていた個性も嫌いじゃなかったなぁ」
などと言って黄昏れていたという。
(「理解が困難な思考です。操作性が向上したことを評価しないなど」
「いい、クロエ?男という存在はいつまで経っても子供なのよ?」
「D'accord、『殿方の精神年齢は年齢と比例しない』、記録しました」)
そんな障害?を乗り越えつつ正規軍では普及していったが民間市場への展開は手控えられた。
販売価格が高価になるという理由もあったが、何より一般市民に往年の対戦車ライフルに匹敵する威力の火器を保有させた場合の問題を考慮したからである。
代わりに、フランス国内軍の備品に指定され、各地方自治体の保管所に備蓄されることになった。
(戦時には国内軍兵士となった市民たちに配布される)
889:モントゴメリー:2025/05/28(水) 23:32:04 HOST:124-141-115-168.rev.home.ne.jp
以上です。
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yukikaze先生復帰記念&ひゅうが先生へのエール&その他いろいろをエラン・ヴィタールに込めて作成いたしました。
まあ、やってることは反動軽減させただけのマイナーチェンジですが()
今回の更新で、どんぶり勘定ですが一発当たりの反動はAK-47と同等あたりまで低減させることに成功いたしました。
最終更新:2025年12月28日 22:44