116:earth:2024/08/17(土) 01:00:14 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
転生者、令和の地で斯く戦えり プロローグ
太陽系第三惑星・地球。
かつて、この青い星で繁栄を謳歌していた数十億の人類は、20世紀末に多数の小惑星が降り注ぐという大災厄と、その後の
人類同士の争いによって滅びた。隕石によって幾つかの都市のあった場所はえぐり取られ、かつて文明があったという証拠も
消え去るのは時間の問題となる・・・・・・筈だった。
「・・・・・・くっくっく、ははは。久しぶりだ。この肉体は」
東経140度31分、北緯20度50分、かつてあった【東京】の南1800kmに【現れた】島の地下施設にて一人の男が目を覚ます。
先ほどまで培養液で満たされたカプセルから出てきた男に、側に控えていたスーツ姿の妙齢の女性、より正確に言えば女性を模した
人造人間が恭しく頭を下げる。
「如何でしょうか?」
金髪ボブショートの女の問いかけに、男、いや外見だけいうならアジア系の16~17歳といっていい少年は笑みを浮かべて答える。
「問題は無いさ。ああ、このモブっぽい姿、久しぶりだ。如何にもな悪役か、それとも踏み台か・・・・・・そのどちらかだったからな」
「しかし本当によろしかったのですか?」
「生体認証は問題ないし、私はもともと元の姿が好きでなかった。あのくそバード並が敷いたようなクソ輪廻のレールから外れた
ことを私自身が認識するためには、あのクソ輪廻に押し込まれる前の、この姿の方が良い」
「判りました。では、【七道】様、精密検査を」
「やれやれ、判っていたことだけど、面倒だね、セラ」
肩をすくめる少年に対し、セラと呼ばれた女性は「仕方ありません」とにべもなかった。
「貴方はこの島で、いやこの世界で唯一の生きた人間であり、我らの創造主であり、そして、やるべきことは山ほどあります」
元・【地球連邦軍准将】であり、【アマルガム】の幹部という肩書きをかつて持っていた少年は肩をすくめる。
「そうだね。私もこんなところで躓くのは嫌だから、さっさと検査を済まそうか」
かつて少年は地獄を見た。
生まれ変わる度に悪役として振る舞い、最後に破滅することを余儀なくされ、その責を放棄すれば、次の生ではいかなる技をもって
成したかは判らないが、人の意識を保ったまま家畜(例:豚)の生活を体験させられ、最後は無残に処分された。
(最後の最後、やけっぱちになった後の博打がうまくいくとは思わなかった)
117:earth:2024/08/17(土) 01:01:04 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
少年は前の世界、かつて少年が知るようなスーパーロボット大戦を模したかのような世界に転生した際に、完全に自棄になった。
地球連邦軍でそこそこの地位に上り詰めると同時に、その世界では知られていない未知の技術を交渉材料に色々な組織、勢力と
接触し、最終的にアマルガムの幹部にまで上り詰めた。
彼は過去の輪廻で得た知見を総動員して完全に調整した時空振動弾(特定範囲を次元の彼方に消し飛ばす)を極秘裏に製造し・・・・・・
俗に言う主人公部隊をアマルガムが占領したメリダ島で待ち受けた。
メリダ島はあくまで囮でしかなかったのだが、彼はこの島を徹底的に要塞化した。小規模なジャブローと言っても良い程に。
他のアマルガム幹部から「やり過ぎでは?」と突っ込まれる程度にまで要塞化したのだから、その徹底ぶりがうかがえる。
「自分が負けた後、時空振動弾で主人公部隊もろとも消し飛ぶか、それが成せなかったとしても派手に負けたから次の生も人間には
なれるだろう。あわよくば、生きた状態で別世界に飛んで行ければいいのだけど」
勿論、最後は結局敗北した。悪役とは言え、ボスを張れるほどの格はない彼は、前座の扱いでしかなかった。
勇者ロボたちに容赦なくボコられ、スパロボのオリジナル主人公を思わせる熱血男にトドメを刺された。
部下達だけでも逃して、英雄達を道連れにしようと時空振動弾を起爆したが、あえなく逃げられてしまい、次元の彼方に消し飛んだのは
メリダ島と彼と彼が作った人造人間だけであった。
しかしそれは彼にとって転機ともなった。
「人が滅んだ世界? 願ってもないことだ。誰もいないなら、敵もいないと言うこと。私が望む世界を作ってやる」
彼はそう歓喜した。
防衛施設は大きな損害を受けたが、地下に置かれた各種生産設備、データベース、資源採掘・精錬施設(マグマを採り入れて精錬することで
資源を得られる)などが無事だったのは大きく、再建は急ピッチで進められた。
そしてある程度、余裕が出来たからこそ、肉体を新造した。
かつて平和で、理不尽な苦痛や飢えとは無縁だった生。その中で、若かりし頃の肉体を新造し、そこに己の全ての情報をインストールした。
「この技術があれば擬似的に永遠の命を得られる。これであのクソ輪廻に戻らずに済む」
「フラグ乙」とか言われる程の浮かれ具合だったが、これまでの鬱屈から解放されたが故に彼のテンションは高かった。
「ふふ、次は環境改善プラントを作って汚染を浄化して・・・・・・いや、小惑星のことを考えると宇宙に監視システムと防衛システムを置く方が先か」
後に【蓬莱機関】を名乗り、【人類文明再建】を標榜する組織の本格的活動が始まることになる。
118:earth:2024/08/17(土) 01:05:27 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
改訂前と違って、この主人公、メリダ島ごと転移です(しかも人類滅亡した世界線へ)。
元ネタ的とあわせて蓬莱学園の宇津帆島と同じぐらいの島を想定しています。
ついでに宇津帆島と改名予定。
テンション上げ上げ状態ですが、この程度で厄介事から逃げられるわけもないので・・・・・・
前と違って早めに戦闘回に突入したいですね。
(勿論、令和世界も巻き込まれる予定)
最終更新:2026年01月09日 21:32