312:earth:2024/08/26(月) 00:38:07 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
転生者、令和の地で斯く戦えり 第5話
七道は己の記憶をコピーした人造人間を複数用意し、作業スピードを加速させることで、まずは量産型ヒュッケバインの製造ラインを
何とか1ヶ月半で整え、量産体制に入った。
テスラ・ドライブなどの重力制御技術が必須の装備さえも突貫で整えたため、生身の体を持つ七道本人は死んだ魚のような
目をしており、時々「ふへふへふへ、マンパワーが、マンパワーが」と奇妙な声を漏らすほどだった。
それでも量産型ヒュッケバインがロールアウトしていく様を見て、多少は生気を取り戻した。
V字アンテナとツインアイを廃止しゴーグルタイプのカメラアイとし、塗装もアイボリーと白の簡素な色合いにした如何にも量産機と
いった面持ちの機体であったが、その性能はウィンダムを凌駕している。重力制御と慣性制御が可能な技術レベルで作られた機体
なのだから、質が段違いなのは当然であるが・・・・・・。
同時に搭乗員の準備も進めた。標準仕様の量産型は基本的に無人機であったが、ラムダドライバ搭載仕様やEOT技術マシマシの本来の
Mk-Ⅱ(及び開発計画中のMk-Ⅲ)は有人機となる予定のため、質の高い搭乗員が欠かせない。
「怪人作る技術で、搭乗員作るか・・・・・・プルシリーズ作る並のことしている気がするし、意識高い系UC主人公に見つかったら殴られそう」
緑色のブレザーの上に白衣を纏った七道は、培養カプセルの前でそうぼやいた。
彼の視線の先には一糸まとわない(見た目麗しい黒髪ロングの)少女型の生体ユニットがあったが、それに向ける視線は工業製品に対する
ソレであり、嫌らしさの欠片もない。
「もう少しオリジナリティを入れられては?」
側にいた秘書のセラの台詞に七道は首を横に振る。
「髪の色は変えてあるから問題ない」
生体ユニットの姿形は別世界の某秘密結社の怪人開発部が製造した元狼男(ウルフ・ベート)を模倣というか、ほぼそのままである。
セラから言わせれば「オリジナリティの欠片もない(万が一、オリジナルとあったら拙いのでは?)」のであるが、「デザインする暇も惜しい」と
七道は押し切る。
ついでに倫理的な問題について論じる暇も無いので、彼はパイロット(肉体的には戦隊ヒーローと戦える怪人レベル)を文字通り【量産】した。
勿論、力不足なら、より強力なタイプを生産するつもりだった。
「勝って生きるか、負けて全てを失うかの二択なら仕方ない。まぁなりふり構っていられなくなったら、機動兵器に載せるのは頭だけなんて
酷いことになりそうだが・・・・・・それだけは避けたいな」
313:earth:2024/08/26(月) 00:38:42 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
機動兵器部隊の整備を急ぐ一方で、艦船の増強ペースは遅かった。
御使いとの接触前は、本家ジャブローのような規模の造船ドックは作れなかったこともあり、大型艦は地上で製造したパーツを宇宙に打ち上げて、
宇宙に設置した造船施設で組み立てる方式を採用していたのだ。
大量建造こそできなかったが、あくまで宙対地攻撃や、外宇宙から降り注ぐ隕石対策が出来れば良い・・・・・・という考えに基づくものだったので
特に問題視してこなかったのだが・・・・・・さすがに大規模外征があるとなると話は違った。
「宇宙で独自に建造できる設備があったほうが効率が良いが・・・・・・」
さすがに宇宙戦艦を建造できるインフラを整備するとなると時間が掛かりすぎるため、躊躇したのだが、御使いから「暫くは宇宙艦隊が必要な出征は
無し」との連絡が来たため七道は「いっそのこと、宇宙にもインフラ作ろう!」と深夜テンションのノリで決定。
地球の環境破壊など知ったことかとばかりに資源を掘って作った資材を、片っ端から打ち上げ、宇宙で独自に建造できるインフラ整備が進んでいた。
「ソフト面の強化も考えると、せめて、あと4年、いや3年は準備期間が欲しいが」
「大規模な宇宙艦隊を率いた経験は誰にもないのがネックです」
「判っている。私だってそんな経験は無い。精々、分艦隊程度までだ・・・・・・それに、人型機動兵器を作る傍らで、砲撃重視の戦闘艦を建造するとか思わなかった」
宇宙空間での殴り合いとなれば、相手が誘導兵器、レーダー、センサーを無効化する技術でも持たない限りは長距離での砲撃戦がメインとなる。
つまり普通は大艦巨砲主義が大正解なのだが・・・・・・有視界戦闘を強いられるケースが絶対にないとも言い切れない。
このため、砲撃戦重視の艦艇と機動兵器運用を前提とした艦艇の混合運用が構想された。これにより砲戦艦は地球連邦のマゼラン級、バーミンガム級を
参考に、機動兵器運用艦はラー・カイラム、クラップ、地球連合のアークエンジェル級を参考にした艦艇の開発が進んでいた。
勿論、七道は宇宙艦隊の運用が熟れてくれば、より高性能な艦艇を建造するつもりではいた。
「まぁEOT関連技術を可能な限りつぎ込むから、ああも脆くはならないと思うが」
元いた世界のように相手がエース級パイロットが操る化け物MS(MA)だとしても、容易に戦艦が撃沈されても困るため、可能な限りの性能強化は
図っている。
「しかし生産して、開発して、勉強して・・・・・・分身作っても休む暇が無い」
その気になれば一国を容易に滅ぼせる軍事力を掌握している筈の男は、深い溜息を吐き出すと、再び仕事に戻っていった。
314:earth:2024/08/26(月) 00:41:48 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
令和にはまだ行けなかった・・・・・・まぁとりあえず準備ターン。
前回と違って長々と準備話をするつもりはないので、もうそろそろ戦闘に
移りたいところです。
しかしケモ耳美少女が乗る人型機動兵器・・・・・・うん、何というか凄い絵面だ。
最終更新:2026年01月09日 21:50