805:earth:2024/10/06(日) 20:19:54 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
転生者、令和の地で斯く戦えり 第12話
中国空軍は虎の子の第五世代ステルス戦闘機・J-20、主力戦闘機J-11、J-10、J-7ベースのJJ-7Aなど戦えるだけの機体を何とか集めて制空権を確保しようと
抵抗していたが、電波を用いたレーダーも無線も使えないため、殆ど有視界戦闘を強いられ、更に黒災側が散布するミノフスキー粒子(人類側はこの事実を知らない)に
よって、敵に接近すれば電子機器に異常が生じるという有り様であり、有効な反撃など望むべくもなかった。
一部のパイロットは敵機に対し、体当たりを仕掛けることまでしたが、小型円盤に損害を与えるに留まり、撃墜にまでは至らない。リングに体当たりを図った機体の中には、
逆にリングの内側に誘い込まれ、重力レンズで機体もろとも無惨に押しつぶされる最期を遂げる者もいた。
陸軍の将兵も使える武器を根こそぎ引っ張り出して、必死に空の化け物に砲火を浴びせるが、大きな戦果を挙げることはできず、圧倒的火力と物量を前に指揮と統制を
失い、総崩れとなっていく。
もはや通常兵器で化け物共を押しとどめることは不可能との結論に至ってはいたが・・・・・・切り札だった核兵器は今やただのガラクタとなっていた。
「なぜ核が使えないのだ!」
国家主席は会議の席でロケット軍の幹部達を詰ったが、原因が不明のため、どうすることも出来ない。
「現在、原因を調査中ですが・・・・・・我が国のみならず他国の原子炉も機能停止に陥っているとの情報から推定しますと・・・・・・あの黒災の影響かと」
「・・・・・・奴らは何かしらの方法で核分裂を阻害していると?」
馬鹿も休み休みにいえと言う態度をとる国家主席。
「非現実的かも知れませんが、世界規模でレーダー、無線が妨害されていることも考えると、可能性は低くはないかと」
「仮にそんなことが可能だとしたら、我々は対抗手段が必要だ。何かあるのかね?」
ロケット軍の幹部達は「この短期間で出来るわけ無いだろう!」と叫びたかったが、 独裁者の視線だけではなく、前線部隊が文字通り溶けて消えつある状況に焦る陸軍、
空軍高官達からの厳しい視線を感じ、何とかその台詞を呑み込む。
ちなみに莫大な金を投じた割に、この事態において大して役に立っていない海軍関係者は居心地が悪いのか、視線を逸らしている。
「げ、現在、調査中としか」
「そのような報告は聞き飽きた! 私は具体的な成果を尋ねているのだ! 判っているのかね、今この瞬間も人民解放軍の兵士達は必死に戦っているのだ!」
怒れる国家主席は激しい怒声をロケット軍関係者に浴びせる。
露宇戦争の影響への対応、大不況への対応等々で(自業自得の面もあるが)苦労が絶えなかった男にとって、黒災の襲来はメンタルを不安定にさせるには十分だった。
粛正の危機を感じた男たちは思わず身震いする。
(どうすれば、どういえば・・・・・・)
806:earth:2024/10/06(日) 20:20:44 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
そんな中、更なる凶報が会議の席に飛び込む。
「し、失礼します! 三峡ダムが破壊されたとの報告が!!」
そう、彼らが恐れていた三峡ダムへの攻撃がついに行われ・・・・・・かの巨大ダムが決壊したのだ。
4月16日、この日、中共が誇った世界最大の巨大ダムは、重爆級の攻撃を受けて無惨に崩壊。
日本の琵琶湖の1.6倍もの湖水面積を誇るこの巨大ダムがせき止めていた膨大な水が、下流域を襲うことになったのだ。
本格的に雨期に入っていなかったこともあって、流れ出す水の量は多少減っていたが、下流の農地、村、都市を破壊するには十分すぎる量の水が流れ出していく。
荊州、武漢、九江など下流の大都市が24時間以内に呑み込まれ、濁流は南京にまで達した。
そして被災者は合計で7000万を超えた。
人々は携帯電話も、無線も使えず、助けも満足に呼べなかった。そして本来、このような状況で動くべき共産党、軍、警察、消防はろくに動けず、事態に対処できなかった。
それは現在の政権を共産党員と中国人民が見限るには十分な理由となった。
独裁的権力を握っていた国家主席は、4月18日に【病死】したとの発表がなされ、集団指導体制に回帰することが宣言される。
だが、そのような人間の諍いなど知らぬとばかりに、黒災側の軍勢は攻めに転じ、被災した地域を片っ端から焼き、瘴気で満たし、人々を故郷から追い立てた。
そして政権が変わっても為す術もないことが明らかになると、各地でモラルハザードが発生。
中央の統制が緩んだ結果、生き残っていた各地の軍は軍閥化し、中華人民共和国は急速に瓦解していく。
そして、この様子はTF21も観測していた。
ミラージュコロイドによって何とか捉えられることなく中国上空を飛べている偵察機からは、中国各地の凄惨な状況が【赤城】に送られてきている。メインブリッジの指揮官席に
座って情報を精査していたカレンは介入を決断する。
「頃合いね」
北京の統制が辛うじて効いていたため秩序が何とか保たれていた大連からは、日本人が乗った船団が何とか脱出できた。しかし中央政府の統制が失われた上海においては
秩序だった脱出は不可能であり、凄惨な争いが起きていた。
そして何とか逃げ出せた船団には、黒災の航空部隊が迫っている。
現地の中国空軍は壊滅しているため、制空権はなく、中国海軍の艦艇も軒並み沈められ、非武装の民間船(外国人が多く乗る船)を守る手段も意思も中国側には無い。
日本政府は在留邦人を保護しようと護衛艦の派遣を検討したが、中国側が外国軍(日米)の進出を拒否しており、更に国内の混乱や野党の反対、マスゴミ、自称・左翼の妨害で
結局は何も出来ずに居る。このままでは多くの船が沈められるのは確実だった。
(あまり多くの難民が日本になだれ込んでも困るから、多少は沈んでくれた方が良いのだけど・・・・・・まぁとりあえずは日本船の保護ね)
温和な見た目とは裏腹に、そんな腹黒いことを考えつつ、彼女は命令を下す。
「全艦、第一種戦闘配備。これより我が艦隊は避難船団を攻撃する黒災を撃滅する」
後に【第一上海沖海戦】と呼ばれる戦いの幕が上がる。
807:earth:2024/10/06(日) 20:22:08 HOST:KD106172122062.ppp-bb.dion.ne.jp
あとがき
漸く次回に紫電、紫電改、彩電の出番かな・・・・・・。
しかし中国だと種
シリーズが人気と聞くので、アークエンジェルに似た空中戦艦()が現れたら
面白い反応になりそうですね。
最終更新:2026年01月09日 22:37