「~~Wall Need Is Love 徹夜話小噺~~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

~~Wall Need Is Love 徹夜話小噺~~ - (2013/06/15 (土) 19:01:29) の編集履歴(バックアップ)


~~Wall Need Is Love 徹夜話小噺~~


「葦菜ちゃんを助けよう!」

純朴触手少年、姦崎姦(かんざき れいぷ)は、お嫁さんの言葉に力強くうなづいた。
今年のミス・ダンゲロス、埴井葦菜(はにい あしな)――お嫁さんの友人である――が
転校生の生贄になったと聞き、あわてて戦場・希望崎学園へと駆けつけた姦&お嫁さん。

「話を聞いてくれるといいね……」

血気さかんな生徒会&番長G。強大な力をもつ転校生。そんな周囲の状況を前にして、
どうやって無事に友人を助けるべきか。ハルマゲドンは回避できない。力づくも無理。
ならば答えはひとつ――――転校生を説得しよう。お話して友達になれたらいいなあ。

「まずは転校生さんの居場所を知らなくっちゃ」

姦とお嫁さんのふたりは、うなづきあって番長Gのたむろする番長小屋へと足をむけた。
ふたりは巨大な抗争の渦中にあって、平和的解決をめざしてこの場所へやってきたのだ。
西暦20XX年、姦とお嫁さん(夢追中/ゆめさこ かなめ)は――――平和ボケしていた。


~~Wall Need Is Love 徹夜話小噺~~


◆◆出会い◆◆

「そういうわけで、どうか真壁マリアさんのところに案内してください!」
「えっ……う、うん……はい」

番長小屋ちかく、真壁ロゼ子に頭をさげる姦とお嫁さんの姿あり。
こたびの転校生、真壁マリアの姉が番長Gにいると知り、情報収集にやってきたのだ。

「あたしもさっきひさしぶりに会ったばかりなんだけど……」
「ロゼ子さんも妹さんを心配していたんですね……」

なんとか目当てのロゼ子をみつけた姦。
友人を助けたいと意志をつたえ、ロゼ子もまた妹を心配していると知り、
世間話を幾度まじえ、陣営の壁を越えて共同戦線をはることに成功していた。

「ただ……」
「はい?」

だが――ロゼ子には見過ごせない事実もあった。

「その……ひとついいかな?」
「なんですか?」
「目のやり場に困るから服を着てもらえないかな!!!」
「「むしろこっちが服を着させて欲しいんです!!!」」

服を着られない呪いにかかっている姦とお嫁さん。(詳しくは姦崎姦のキャラ説参照)
順風満帆な新婚生活とは裏腹に、今回のミッションは前途多難なようであった。

† † † † † † †

「マリアー?お姉ちゃんだけど、今、あなたに会いたいって人が来ててねー……」

希望崎学園校舎内の一角に、壁にむかって語りかける絶壁少女の姿あり。
転校生真壁マリアの姉、真壁ロゼ子であった。
マリアは根っからの引きこもりであり、いつも壁の中に引きこもっているのだ。

「……お話できそうですか?」

姦が小声で様子をうかがう。ロゼ子はうーんと首をひねる。
なお、この場にマリア・ロゼ子の兄である真壁次男はいない。
理由は簡単。現在、ロゼ子と行動を共にしている姦とお嫁さんの姿が目の毒だからだ。

「ちょっと待っててね……マリアー?ちょっと入るよー?」

どうにかマリアと話をして、平和的に生贄を助けたい――三者のここが正念場。
壁の中へと入っていくロゼ子。ポツンとたたずむ姦&お嫁さん。
ややあって、ロゼ子がふたたび壁から顔を出した。

「ごめんね、やっぱ出てこないや」
「(わたしのーお部屋のーまーえでー)」
「(泣かないでくださいー)」
「……変なこと考えたでしょ」
「「ごめんなさい!」」

† † † † † † †

「ちょっとだけならいいって!」
「「おおー!」」

壁の前でねばることしばらく。ロゼ子の情にほだされたか、ついにマリアが腰をあげた。
喜色を浮かべるロゼ子。歓声をあげる姦&お嫁さん。いよいよ話が進展する!
緊張して壁の前にならぶ三名。その面前に、もっさりとマリアがあらわれた。

「はじめまして、真壁マリアさん!」
「ん……?」

前に進みでた姦へと、今回のキーパーソン、マリアは胡乱げに目をむけ――

「――!?!?」

瞬時に赤面。頭がフットーしちゃうよお!とばかりに壁の中へと引っこんだ。

「「「あ……」」」

そういえば、ほぼ全裸――第一次作戦失敗を前に、三名は思い思いに空をあおいだ。
窓の外、青空にはきれいなロケット雲がたなびいていた。

~~次回につづく……そういえば引きこもりがなんで生贄を欲しがったのかな?~~