桜縁プロローグSS
桜縁の能力の始まりの日――
その時は希望崎学園と夢見崎学園による野球の練習試合が行われていた。
「LETS GO!LETS GO !希望崎!」
人一倍声を張り上げているのは希望崎学園二年チアリーディング部部長であり現在唯一の部員の桜縁。
今は八回裏が終わりスコアは2-8で相手チームが優勢、次は希望崎学園の攻撃であり応援に熱も入る。
「頑張れ!」「やっちまえ!」「ヴォオオオ!」
だが!敵のエースの魔球により降ることすらできずに破れ二者凡退!
「もうだめだ……」
「キャプテン、打てなかった俺たちが悪いんです……」
「四番なのに五打席五三振の俺が悪いんですよ……」
敗色濃厚で選手達のムードも悪くなっている。
その時縁は小声でつぶやいていた。
「私の応援が足りないから負けてるんだ……もっと全力で、みんなを勇気付けなきゃ……」
色々な特訓を行ったけど一人で行うチアリーディングには限界がある。
応援もやる気だけが空回りしているみたい。
でも今は一人しかいないけど、このチアは私だけじゃない。
知り合えた仲間達との絆の場であり、帰ってくる場所なんだ。
ここで私が頑張ればきっと仲間達も部活に帰ってきてくれる!
その気持ちだけで応援になる。その応援はきっと勇気に変わる!
その一心で生み出した能力、今こそ見せる時!
辺り一面が光り輝く!
光が収まった時その場にはなんと数多くの縁自身が居た!!
「行くわよ私たち!」
「ええ!」「やるわよ!」「ネバーギブアップ!!」
そうして桜縁一人による大規模なチアリーディングが始まった。
「Go!Fight!Win!」
四段ピラミッドが決まった!全部私だけど。
どこからともなく拍手も聞こえる。
「これなら勇気付けられたかな!でももっと応援しなきゃ!」
その頃フィールド上では異変が起きていた。
「なんという……なんという乳揺れなのか!」
「ハァハァ、ヤバイくらい勃起してきた。」
「勝ツ……勝ツ……勝ツ……カツ……カツ……」
みんな興奮してるのか鼻息が荒くて、白目を向いてる選手もいる様子。
「ぶつぶつつぶやいてるけど大丈夫かよ?」
「あのチアリーダーのダンス見てからおかしくなった……のか?」
「勃起してるぞ!審判いいのか!?」
「勃起は反則ではありません」
敵チームは動揺している。
「勝ツ!!!」「勝利!!!」「win!」
「「「ウオオォォォォオアアアァァァァ!!!!」」」
「消ス消ス消ス消ス消シテヤルウウウ!!」
「カクゴシヤガレエエエエエ!!!」
雷が落ちたような大声のあと、地鳴りと間違えるほどの希望崎学園野球部の足音!
攻めでは牽制球すら長打にされ、塁に出たら盗塁で守備陣を吹き飛ばす!
守りではホームランボールすらジャンプで取られ、送球は音速を超える!
そしてフィールドに飛び散る精液!
試合終了時に遺されたボロ雑巾のような敵チームメンバーと彼らが呟いた
「股間を膨らませた狂人が襲ってくる」の一言は、後に希望崎学園野球部の狂気として語り継がれることとなる。
そして、数日後の第八回全国高校生鍛治職人選手権大会決勝競技場にて――
「A班桜はチア服に着替え目標地点に行ったぞ」
「C班了解これにて突撃を行う!」
「この日のためにオナ禁して来たぜフヒヒ」
「みんなでやるんだからほどほどに抑えとけよ」
「よし来た、イくぞ」
そう、彼らはレイプを行おうとしている!
三班に分かれ、一班が偵察し残り二班で挟み撃ちにする事で逃げ場を失わせる作戦であった!
だがしかし!彼らは桜縁のいやらしさを甘く見ていた!
「ああああッ!顔をみただけで勃起がッ」
「クソッタレ!頭に血が上り過ぎて奴が前にいるのか後ろにいるのかもわからなくなってきた!」
「もう男でもいいや!」「確かに!」
「こちらB班こちらB班!突撃を行おうとしたものの現場がそれどころでは……うわああああああ!」
プッ……ツーツーツーツー
「クソッ!どこで間違えたんだ!」
「A班何をしている!ここはC班のぎゃああああああ」
「LETS GO!LETS GO !希望崎!GOGOGOGO刹羅! 」
彼女は今日も平和に応援を続けるのであった。
最終更新:2013年06月17日 06:22