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作品名・く

首代引受人   1巻(全)   平田弘史   リイド社

ま! まってくれ! ぜ! 銭でたのむ!!



<あらすじ>

 戦国時代の合戦で、首を取られる代わりに金を支払うと約束して発行された「首代」手形。
 後日払う払わぬの揉め事の種となり、これを取り立てるために特定の首代引受人が登場することになった。

<紹介>

 この作品を知ったのは続編である新・首代引受人の方が先だった。だがやはり本編を先に紹介しておくべきだろう。

 このシリーズを読むまで、時代劇の合戦では敵の首を取って、主君から褒賞を得るものとばかり思っていた。だが作中で語られているように、金で命を買い戻して次の合戦に備えて戦力を温存する、というやり方も一理ある。問題はその後で首代をどうするかという事で、下手に惜しむと名誉も絡んだお家の一大事にも発展してしまうのだが。
 史実に存在したかはさておいて、首代引受人はそんなややこしい状況下で一人で交渉し、必要があれば力ずくに及んででも取立てなければならない。ただの取立人ではなく、強さと冷静さと豪胆さと知恵と礼節が必要な交渉人だ。
 これは自分にとっては全く新しいタイプの時代劇の主人公だった。実写で見てみたいが取立人が主役というのは難しいかもしれない。

 物語では人間はいつの時代でもお金に振り回されるらしく、様々な悲劇が描かれている。死が常に隣にあるのがひしひしと感じられ、いかに名誉が高くつくかを見せつけられる。
 絵柄はあるときは力強く躍動感にあふれ、またあるときはやるせなさを静かに描く。力強くフキダシに書かれた台詞は、写植に慣れた身には新鮮に感じる。骨太の漫画(劇画)なのでお子様は保護者同伴の上、鑑賞する事。

最終更新:2008年11月05日 16:28
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