作品名・G

 ガ ン ス リ ン ガ ー ガ ー ル

GUNSLINGER GIRL   10巻(続)   相田裕   メディアワークス

少女に与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ。



<あらすじ>

 イタリアにある公益法人社会福祉は、表向きは身障者支援事業だが、実は政府のための汚れ仕事を請け負う特殊諜報機関だった。
 そこで機械の体を与えられ、「条件付け」と呼ばれる洗脳を施されて「義体」となった少女達と、その担当官はいつも一緒にいることから"兄妹"(フラテッロ)と呼ばれ、暗躍する五共和国派のテロリストの排除等、危険な仕事をこなしていた。
 2008年11月現在も連載中。

<紹介>

 美少女とガンアクション。いかにもオタク好みのジャンルだが、人を殺す描写が多く賛否両論のある作品だ。元々が身障者をサイボーグ化して洗脳し、殺人の道具にしているのだから人権にうるさい人が嫌悪の対象にするのはわかる。
 義体となった少女達には監視者である担当官がつき、「条件付け」に培われた忠誠心からきつい任務もこなし、必要とあれば体を投げ出して盾にもなる。義体が頑丈とはいえ、修理のたびに投与される薬は感覚や記憶を失わせていき、寿命さえも縮めてしまう。たしかに酷い話だ。

 だが実施しているのがイタリアの政府組織ではなく、悪の秘密結社だったら? 彼女達が条件付け前に逃げ出せたら? 敵が人間ではなく怪人だったら? サイボーグ009や仮面ライダーといったヒーローものになる。
 この事を作者が意図していたのかはわからないが、彼らにありえたかもしれない未来が形を変えて描かれているように感じられた。

 本当は単にイタリアで銃を持った女の子が戦う漫画を描きたかっただけかもしれないので、間違っても公社にショッカーを当てはめて読んだりしないように。すべてぶち壊しになるから。

G戦場ヘブンズドア   3巻(全)   日本橋ヨヲコ   小学館

ここは戦場だ。気軽に踏み込むな。丸腰で来たら撃ち殺すぞ。



<あらすじ>

 人気漫画家である父に反発し、ひそかに小説家を志す堺田町蔵。幼い頃から漫画だけを心の拠り所として生きてきた長谷川鉄男。
 まるで正反対な性格を持つ二人の高校生が出会い、お互いの心の中に共通する情熱があることに気づいた鉄男は、町蔵に手を差し伸べて漫画を創り始めるのだった。

<紹介>

 正直、自分が読むとは思わなかった。タイトルからは内容は窺えないし、裏表紙の紹介文は藤子不二夫の「まんが道」を思わせる。
 同じような作品がある以上、読むまでも無い。そう思ったにも拘らず手に取ったのは、なぜだろう。
 読み始めてぐいぐいと引き込まれ、気がつくと2巻目を手に取っていた。全部を読み終えた時には作者に謝っていた。本当にごめんなさい。読まず嫌いだった俺が悪かったよ。

 この漫画には強い情念を感じられる。作者は相当のエネルギーをつぎ込んだのではないだろうか。
 「まんが道」の亜流と思っていたらとんでもない作品だった。巨匠と同じジャンルで真っ向から挑むだけの力を秘めている。
 うかつに読んで撃ち殺された読者としては、一部でもその熱を伝えられれば、と思うのだがとても文章が及ばない。せめてもの思いでここに紹介し、次の犠牲者を待つことにしよう。

最終更新:2008年11月05日 16:07
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